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編集部記事

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における新型コロナウイルス感染症の感染と重症化リスク

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における新型コロナウイルス感染症の感染と重症化リスク
杉山 温人 先生

国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 院長 呼吸器内科医師 医学博士

杉山 温人 先生

目次
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは、2019年12月に中国・湖北省武漢市で報告され、全世界で感染が拡大している感染症です。基礎疾患のある方が感染すると重症化しやすいといわれており、慢性閉塞性肺疾患COPD)など呼吸器疾患を抱える方も注意が必要と考えられています。

今回は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)にかかっている方の新型コロナウイルス感染症の重症化リスクや注意点、吸入ステロイドなどの治療薬の服用における疑問について国立国際医療研究センター病院 病院長 杉山 温人(すぎやま はるひと)先生にお話を伺いました。

※本記事は2020年4月24日時点の医師個人の知見に基づくものです。

新型コロナウイルス感染症は、つい3か月ほど前に報告されたばかりの新しい感染症です。そのため、慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)の患者さんが特別にかかりやすいのかどうか、まだはっきりしたことは分かりません。

むしろ、COPDと診断され、治療を継続している方であれば、もともと感染症にかかると重症化しやすいということを本人が自覚しているため予防対策を徹底し、感染を防げているのではないかと考えます。

ただし、COPDであるにもかかわらず、まだ診断されておらず対策をしていない方や、診断されているものの治療を受けていない方、喫煙を続けている方の場合は感染リスクが高く、重症化リスクも高い可能性があります。

日頃の感染症予防対策を今一度見直し、徹底することです。もともと、コロナウイルスは風邪のウイルスとして、冬になると毎年流行しています。そのため、これまで行ってきた風邪に対する予防策を行うことが、そのまま新型コロナウイルスの感染予防にもつながるといえます。

ただし、新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスなどと異なり、ワクチンがありません。そのため、いつも以上に入念な感染症予防対策を意識していただきたいです。

自宅に新型コロナウイルスを持ち込まないよう、自分自身が感染症予防対策を行うことです。なるべく外出を控えたうえ、外出時はマスクを着用し、帰宅後は手洗い・うがいをしっかり行いましょう。

データに関しては、まだ信用性の高いものはありません。

ただし、COPDによって酸素の取り込み・拡散など肺の機能が落ちている場合、ウイルス性肺炎によってダメージを受けやすく、肺炎が治りにくいうえ、重症化しやすいと考えます。

COPDの患者さんが新型コロナウイルス感染症にかかった場合、一般の方と比べてどの程度重症の可能性が高いかはまだ分かっていません。また、ほかの基礎疾患と比較した重症化リスクも、まだはっきりと分かっていません。

新型コロナウイルス感染症には有効な治療法がないため、現段階では、全身の管理を行いながらウイルス性肺炎が自然に治り、回復することを待つしかありません。しかし、COPDによって肺の機能が落ちてしまっている方の場合、ウイルス性肺炎が治り回復するまでに時間がかかるほか、全身の状態を維持することが難しく、レスピレーター(人工呼吸器)やECMO(体外式膜型人工肺)などを駆使しても、ウイルス性肺炎が治るまで持ちこたえられないことがあります。そのため、結果として命を落としてしまう方もいます。

同様に、特発性肺線維症間質性肺炎など肺の病気にかかっている方で肺の機能が落ちている場合は、新型コロナウイルス感染症にかかった際の肺炎の重症化リスクが高いと考えられます。

今のところ明らかなのは、年齢が高い方ほど重症化しやすいということです。そのため、特に高齢でかつCOPDにかかっている方はご注意いただきたいです。

新型コロナウイルスに感染することでCOPDが重症化するケースがあるのかどうかは、まだはっきりとは分かっていません。今後、各国のデータが出揃った段階で明らかになることでしょう。

重症化したCOPDに対する治療方法は確立されていますので、新型コロナウイルスへの感染と関係なく、確立された治療方法を行います。具体的には、状況に応じて吸入ステロイド、気管支拡張剤、抗菌薬などを使用して治療を行います。

また、新型コロナウイルス感染症には確立された治療方法はありません。そのため、COPDにかかっている方にも一般の患者さんと同じ治療を行います。現在の新型コロナウイルス感染症の治療では、急性呼吸不全(ARDS)の治療に準ずる治療方法が行われており、必要に応じてレスピレーターやECMOを使用することもあります。

吸入ステロイドは自己判断でやめてしまわず、継続的に使用してください。COPDの治療に用いられる吸入ステロイドの量では、感染症にかかりやすくなる心配はほとんどありません。むしろ、吸入ステロイドをやめてしまいCOPDの状態が悪化してしまうと、万一新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化リスクが高まってしまう可能性もあります。

同様に、かかりつけ医から処方されている内服薬なども、継続して服用するようにしましょう。服用や薬を貰いに行くことに不安を感じる場合には、かかりつけ医に電話で相談しましょう。

COPDの患者さんは、医師に日頃から感染症予防対策をするよう指導を受けていると思います。今一度、日頃の感染症予防対策を見直し、よりいっそう徹底することを意識してください。また、家族や周囲の方は、COPD患者を新型コロナウイルスに感染させないために、まず自分自身が新型コロナウイルスに感染しないよう、感染症予防対策をしてください。

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