近年、風邪の流行する時期になると「気管支炎」と診断される方が増加しているようです。国際医療福祉大学三田病院呼吸器内科部長望月太一先生に、呼吸器疾患の治療の継続について解説していただきます。
子どもの頃喘息を患ったことがある方はイメージしやすいかもしれませんが、大人になって日常生活では何の問題もなくても、ひどい風邪を引くと咳だけが長引いてしまうなどの経験をされた方はいらっしゃるのではないでしょうか。また、近年都心では風邪の流行る時期になると(慢性)気管支炎と診断される方も増加傾向にあり、もともと喘息などがなくても喘息の発作時に使用するのと同じ薬を処方されるという方も少なくありません。COPDや喘息と診断された方はできる限り汚れた空気が喉や器官に負担をかけないように生活に配慮し、もしタバコの習慣がある方はおやめになるのが一番だと思います。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に症状が起こることと、疲労感や昼間の眠気などの症状が起こりやすいことから、精神神経疾患などと誤認されやすいのが現状です。
睡眠を安定させるお薬を処方していただくことになることが往々にしてありますが、当然のことながら原因に対処しているわけではありません。したがってCOPDの病状が進行していくことが往々にしてありえます。
医師は、症状が改善しない場合、様々な原因を考えます。たとえば、精神神経疾患を専門とされている先生が薬を処方しているのに、患者さんの症状が改善しないことがあります。また、内科の先生が降圧剤を処方しているのに、朝から血圧が高い兆候が見られることもあります。泌尿器科の先生が、夜間の頻尿が改善しないという例もあります。こういった症状が見られるときに、呼吸器内科以外の先生であっても睡眠時無呼吸症候群を疑うケースは増えています。睡眠時無呼吸症候群の患者さんは治療が必要な重症度の方に限定しても300万人以上と推計されています。
したがって、主治医の先生から治療を受けていても、ある一定期間以上症状が改善しない場合は、きちんとそのことを申告することが重要です。
治療をお考えの方は、耳鼻科と循環器内科、歯科、呼吸器内科が併設されている病院を受診するとよいでしょう。また、日本睡眠学会では睡眠専門の認定医制度があります。日本睡眠学会のホームページでも認定医師、認定歯科医師が探せますので、睡眠時無呼吸症候群の心配があるときには、お近くの専門医師、歯科医師を受診してみてください。
国際医療福祉大学医学部呼吸器内科学 准教授、国際医療福祉大学三田病院 呼吸器センター呼吸器内科部長
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