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インタビュー

COPDの治療について

COPDの治療について
川山 智隆 先生

久留米大学 医学部内科学講座 呼吸器・神経・膠原病内科部門 呼吸器病センター教授 

川山 智隆 先生

COPDで失われた肺の機能が元にもどることはありません。治療は薬物治療が中心となりますが、呼吸リハビリテーションなども取り入れて行われます。ここでは久留米大学病院呼吸器内科の川山智隆先生にCOPDの治療についてお話をうかがいました。

COPDは発症すると完治が難しいため、病状の進行を防ぐと伴に患者さんのQOL(生活の質)の維持および向上に重点をおいた治療が中心となります。

治療の中心となる薬物療法では長時間作用性の抗コリン薬と、長時間作用性のβ刺激薬を用いた治療を行います。気管支は自律神経によって開いたり、閉じたりしているので、自律神経の交感神経を高める、つまり交感神経を刺激するβ刺激薬や副交感神経をブロックする抗コリン薬を使います。気管支が拡張することで息を吐き出しやすくなります。

COPDの患者さんでは、軽症で約20%、中等症で約20~50%、重症で50~70%、最重症では70%以上の肺の機能が失われています。通常、健康な人が安静時に行う呼吸では、肺の機能の20%程度しか使っておらず、残り80%は予備能力として温存されています。通常この機能は運動などをしたときに使用されますが、COPDで特に重症になると肺の機能の70%以上が機能しなくなります。実際には、安静時の呼吸においても予備機能を使うため、呼吸自体がかなり困難な状態となるのです。

β刺激薬や抗コリン薬など、薬物を使った薬物治療を行ってもCOPDによって失われた肺の機能を元の状態にもどすことはできず、肺の機能を10~20%程度向上させるのが限界なのです。といいましても、COPDの治療はここ10年程で大きく進歩しました。それまでは、COPDに対する有効な治療法はなく、治療としては手術や肺移植というものでした。しかし、β刺激薬や抗コリン薬といった薬の登場で、医師も患者もようやく期待できる効果が実感できるようになりました。ただし、それでも薬の効果を実感できない方もおられ、全ての患者さんに効果が期待できるわけでは無いようです。

予防も含め、COPDで重要となるのは原因からの回避、つまり禁煙になります。健康な方における禁煙の成功率に関しては、医療従事者が勧めた場合は約5%~10%。薬を使った禁煙治療で30~60%といわれています。つまり40%の方は禁煙が難しいというのが現状のようです。前述の数値は病気になる前の方なので、禁煙には患者さん本人の人生観や死生観などが大きく関与すると考えます。実際、COPDの患者さんの場合は、半数の方が自主的に禁煙されています。

COPDは肺の機能が低下して労作時の呼吸困難が現れる閉塞性換気障害を来たす疾患です。

そのため、体を動かさないようにしている患者さんも多く、どうしても自宅に引きこもってしまう方がいるのが現状です。外部との接触も断たれて孤立してしまうため、うつ病など心の病を併発している方もおられます。

そこで久留米大学病院では、呼吸器リハビリテーションを行っています。軽症の方には、マッサージやストレッチなどを中心に行っており、中等症以上の方には、痰の出し方などの訓練を行っています。とにかく楽しくリハビリをしてもらうことを目的としています。訓練のプログラムは運動療法士さんにお願いしていますが、基本的には筋力や体力強化のための苦しい運動プログラムではなく、楽しみながら体をリラックスできるようなストレッチなどを音楽に合わせて行って頂くプログラムを中心に、継続できるリハビリテーション目指してを実施しています。

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