
最近、従来、慢性気管支炎、肺気腫と呼ばれていた「COPD」の存在が問題となっています。慢性気管支炎、肺気腫を含むCOPDには合併症も多く、適切な治療が望まれます。国際医療福祉大学三田病院呼吸器内科部長望月太一先生に、COPDを含む呼吸器疾患とその合併症について解説していただきます。
呼吸器疾患は、その名の通り呼吸に関する働きをする器官に障害が発生する病気です。呼吸器疾患には下記のような種類があります。
呼吸器疾患 |
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・気管支喘息 ・COPD ・間質性肺炎 ・睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群を含む) ・膠原病関連肺病変 等 |
<COPD>
COPD(慢性閉塞性肺疾患/ Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は、呼吸器疾患のひとつで、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていた疾患を総称したものです。タバコの煙、煤煙、製造業で生じる粉塵、大気汚染物質、薪を燃やした際に出る煙、調理仕事によって出る脂の煙といった物質を、長期的に吸い込むことなどが原因となり発症します。なかでも、もっとも多い一般的な原因はタバコと考えられています。
<気管支喘息>
気管支喘息は、COPDとの区別が非常に難しいといわれています。しかし、この2つには大きな症状の違いがあります。COPDの場合、喫煙歴や肺に負担をかける物質に曝露された期間が長いほど、咳や呼吸困難の症状が継続し悪いままになりがちです。気管支喘息の場合、呼吸困難の症状が明け方に増悪するなどの特徴があります。
<睡眠時無呼吸症候群>
睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome,SAS)とは、昼間の眠気、いびき、眠っている間に呼吸が止まる(無呼吸)、夜中にトイレに何回も起きる、起床時の頭痛などといった症状が特徴の疾患です。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気管の空気の通り道である上気道が閉鎖することによって、何回も呼吸が止まるという症状が現れます。近年になって、睡眠時無呼吸の症状は、肥満傾向の方やCOPD患者さんの間にも比較的多いことがわかっています。
ACOS は、COPDと喘息を併発しているケースです。COPD患者さんのうち、ACOSでもある患者さんは19パーセント程度という報告もあります。
たとえば、呼吸困難の症状を持つ患者さんをCOPDだと思って診察を進めていたら、実は呼吸困難の要因の一つとして喘息の要因もある(=ACOSだった)ということがあり、鑑別は非常に困難である場合もあります。ACOSの定義は難しいのですが、現在では帝京大学准教授の長瀨洋之先生が日本医事新報に寄稿したACOSの概念が理解しやすいと思います。
COPDは、肺に起こった炎症が呼吸器だけでなく、全身性の炎症性疾患という概念があります。ゆえに全身に影響します。特に、動脈硬化、不整脈、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの重篤な病気との関与も知られています。COPDに睡眠時無呼吸が合併すると更に睡眠中に十分な酸素が組織に送られないことが一因となり重篤な病気の進行と関与することが知られています。
呼吸器疾患の合併症 |
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・脳卒中 ・高次神経機能障害:認知障害、QOL障害 ・心血管障害:高血圧症、虚血性心疾患、不整脈、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症 ・睡眠障害 |
国際医療福祉大学医学部呼吸器内科学 准教授、国際医療福祉大学三田病院 呼吸器センター呼吸器内科部長
周辺で慢性閉塞性肺疾患の実績がある医師
国際医療福祉大学医学部呼吸器内科学 准教授、国際医療福祉大学三田病院 呼吸器センター呼吸器内科部長
内科、血液内科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、脳神経内科、血管外科、脊椎脊髄外科、放射線診断科、放射線治療科、頭頸部外科、病理診断科
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