原因
ニューロパチーの原因は、糖尿病や薬剤など、非常に多様です。原因となっている因子により、ニューロパチーは以下のようにわけられます。
炎症性・自己免疫性
末梢神経が自己免疫によって損なわれ、ニューロパチーが引き起こされることがあります。本来、免疫は異物から自己を守るためにはたらきます。しかし、自己免疫は自己(自分の体の末梢神経など)を誤って他者と認識し、攻撃してしまいます。ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIPD)などが、自己免疫によるニューロパチーに含まれます。これらは免疫介在性ニューロパチーとも呼ばれます。
膠原病性
全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群など、全身に複数の炎症が起こる膠原病により、ニューロパチーとなることがあります。
代謝・栄養性
糖尿病性ニューロパチーは糖尿病神経障害とも呼ばれ、糖尿病の3大合併症に数えられています。また特に先進国では、あらゆるニューロパチーのなかでも最も高い頻度で起こっているといわれています。末梢神経が損なわれる理由は、高血糖が続くことで、産生されたソルビトールが神経の細胞に溜まっていくためです。特に足の末梢神経が障害されることが多くなっています。
また、ビタミンB1の欠乏もニューロパチーの原因になります。ビタミンB1の欠乏を原因として起こる歩行障害などのニューロパチーは、いわゆる脚気(かっけ)という俗称で、古くから知られています。
腫瘍性・傍腫瘍性(ぼうしゅようせい)
がんによる圧迫や、浸潤(がんが周囲の組織へと広がっていくこと)などにより、直接的に末梢神経が障害されることがあります。また、がんによる直接的な関与は認められないものの、肺小細胞がんの患者さんなどに神経症状が現れることもあります。これを傍腫瘍性神経症候群といいます。
薬剤性
一部の抗がん剤や抗てんかん剤、麻酔薬、免疫抑制剤、抗原虫剤、抗結核薬、ビタミン剤、抗不整脈薬、痛風の治療薬、嫌酒薬、抗菌薬、抗HIV薬により、ニューロパチーが起こることがあります。
中毒性
鉛やタリウムなどの金属類や、ベンジンといった化学物質などを吸収することが、原因として挙げられます。
感染性
マイコプラズマやらい菌などのウイルス・細菌に感染し炎症が起こることで、末梢神経が障害されることがあります。
遺伝性
シャルコーマリートゥース病という遺伝性の病気により、特に運動神経や感覚神経が損傷されます。
その他
医師の方へ
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