原因
不明熱ははっきりした原因が分からない38.3℃以上の発熱が続く状態を指します。不明熱の原因は多岐にわたりますが、最も多いのは感染症です。感染症では細菌、次いでウイルス・真菌感染が原因となりますが、特にサイトメガロウイルス感染症、EBウイルス感染症、HIV感染症、結核などは原因として注意すべき病原体です。そのほかにも手術や病気の影響による膿瘍(体の中にできる膿の塊)形成、感染性心内膜炎、骨髄炎、副鼻腔炎、細菌性関節炎、甲状腺炎なども不明熱の原因となります。
膠原病も重要な原因の1つとされており、成人スティル病、動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどが挙げられます。また、肝がん、腎がん、白血病、悪性リンパ腫などの悪性腫瘍も不明熱の原因として多く報告されています。
さらに体の中に炎症が生じる家族性地中海熱や薬剤の副作用、深部静脈血栓症、炎症性腸疾患、アルコール性肝硬変なども原因として知られています。なお、成人の場合、検査を繰り返しても原因が特定できないケースも10%程度存在するのが現状です。
「不明熱」を登録すると、新着の情報をお知らせします