検査・診断
症状や診察で慢性便秘症が疑われるときは、次のような検査が行われます。
血液検査
慢性便秘症は、甲状腺機能低下症といったホルモン分泌異常などの病気によって引き起こされることがあります。また、便秘の原因となる大腸がんのために貧血になっている場合もあります。
そのため、それらの病気の有無を調べるために血液検査が行われることがあります。
腹部X線検査・CT検査
腹部X線検査は短時間で行うことができ、大腸内にたまった便の状態を大まかに評価できるため、慢性便秘症に対して行うことが多いです。
ただし、大腸は便をためておく臓器なので、大腸内に便があるからといって便秘症とは限りません。大腸内にたまった便の状態をより詳しく調べるために腹部CT検査を行う場合もあります。
大腸内視鏡検査
内視鏡で大腸の内部を詳しく観察する検査で、大腸がんなどの大腸内に発生した病気の診断に有用です。慢性便秘症のほかに、便潜血検査(便の中に血液が混ざっているかを調べる検査)で異常が見られる場合などにも行われます。
注腸造影検査
X線に写りやすい造影剤を大腸内に注入し、大腸の内部に何らかの病気がないかを調べるための検査です。大腸内視鏡検査より診断能力が劣りますが、大腸がんやクローン病など大腸の内部が狭くなる病気の有無を調べるのに有用です。
排便造影検査
直腸にある便をうまく排便できず、排便機能の異常が疑われるときに行われる専門的な検査です。
この検査では、軟便程度の硬さに調整した造影剤を直腸内に注入した後、レントゲン室内に備えた便座に座った状態で造影剤を排出する様子をX線で撮影し、うまく排便できない原因を調べます。
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