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インタビュー

便秘症の診断のポイント——がんなどの背後に隠れている疾患を見逃さない

便秘症の診断のポイント——がんなどの背後に隠れている疾患を見逃さない
壬生 隆一 先生

みぶ博多駅前クリニック 院長

壬生 隆一 先生

毎日便が出ていても不快感や残便感を覚える人もいれば、数日出なくても平気な人もいるなど、排便には個人差があります。そのため、便秘の正しい診断のためには全体像をとらえることが重要です。便秘の診断のポイントについてみぶ博多駅前クリニックの壬生隆一先生にお話を伺いました。

便秘は、基本的に大腸の腸管運動と直腸肛門部の排出機能に問題が生じることで起こります。中でも、腸管の運動が悪くてうまく便を出せない人は少なくありません。腸管運動の異常には、「腸の動き自体が悪い場合」と「運動異常と感覚異常をともなう場合」の2種類のタイプがあり、それらを分類していくことで病気の本質がみえてきます。

口から摂取した食べた物は、およそ6~7時間で大腸に到達し、24~48時間、つまり1~2日程度で便として排出されます。この腸管の移送時間が長くなることで、水分が吸収されて便が硬くなっていくのです。便が硬くなることで強くいきんでを発症させたり、排便時の痛みのため便を我慢したりすることで、便秘の症状がさらに悪化するといった悪循環が起こることも少なくありません。

便秘の診断にあたっては便の硬さも重要で、硬さを計るスケールとしては「ブリストルの便形状尺度」が用いられます。この尺度では、便の硬さをタイプ1からタイプ7まで、全部で7つの段階に分類します。そのうち硬便と判断されるのはタイプ1とタイプ2の便の形状となります。(参考記事:「便秘症の原因と症状について——便秘はさまざまな要因が関係している」

ブリストルの便形状尺度

タイプ 1

ウサギの糞のようにコロコロと硬い便

タイプ 2

短いソーセージの固まりのような便

タイプ 3

表面にひび割れのあるソーセージ状の便

タイプ 4

バナナ程度の柔らかさの便

タイプ 5

半分は固形状で水分が多く含まれた便

タイプ 6

粥状あるいは泥状の便

タイプ 7

固形物を含まない水分のみの便

便の硬さや排便の頻度、排便時間などの排便状況を把握するほか、食事摂取の状態、手術歴の有無、常用薬の内服の有無などについても確認します。薬に関しては、服用することで便秘を起こす薬もあるからです。

一方、生活習慣やトイレタイムの時の悪い習慣が便秘を悪化させている場合も少なくありません。ウォシュレットを過剰に使っていたり、トイレの中で本や新聞を読んだりといった行為がこれにあたります。トイレの時間については、トイレに座っている時間をスコア化して評価します。5分以内であればスコア0、30分以上であればスコア4で、トイレで座っている時間が長くなるほど評価は悪くなります。

排便時間のスコア

スコア0

5分以内

スコア1

6~10分

スコア2

11~20分

スコア3

21~30分

スコア4

30分以上

そのほかにも、便を出すことに障害をともなう排出障害タイプの便秘には内圧検査や排便造影検査などを行い、腸管移送時間の測定にはX線不透過マーカーを使った検査などを行います。

このように診断を行いますが、医師が診断にあたって注意するのは、がんなど背後に隠れている疾患を見逃さないということです。便秘とがんの関連について明確なエビデンス(科学的根拠)があるわけではありませんが、以下にあげるような症状をともなう場合には、がんの可能性もぬぐえないため注意が必要です。

便秘における危険信号

  • 半年で5kg以上の体重減少
  • 便に血液が混じる
  • 鉄欠乏性貧血
  • 50歳以上での突然の便通変化
  • 治療に反応しない
  • 腹痛が持続する
  • 大腸がんの家族歴
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