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便秘の原因はタイプ・年齢・性別によって異なる〜女性に多い理由とは?〜

便秘の原因はタイプ・年齢・性別によって異なる〜女性に多い理由とは?〜
飯田 洋 先生

横浜市立大学医学部 医学教育学 講師

飯田 洋 先生

目次
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便秘(便秘症)は一般的に身近に経験するもので、特に女性や高齢の方によく見られます。便秘の主な原因は不規則な生活習慣(不規則な生活・食事、運動不足、ストレス、排便習慣の乱れなど)によるものが一般的ですが、慢性化すると治療が必要になることもあります。また、消化器や全身の病気が原因となることもあるため、長く続くような場合には注意が必要です。

便秘の原因は腸管の病気による“器質性便秘” と腸管の機能異常によって起こる“機能性便秘”に大別されます。以下ではそれぞれの原因について解説します。

便秘は大腸がんクローン病虚血性大腸炎などの腸管の病気によって起こることもあります。このような病気の影響で腸が狭くなったり、腸の動きが弱くなったりして便の通りが悪くなり、便秘が引き起こされます。

この場合には原因となる病気の治療が必要です。腸管の病気では外科治療が必要になることもあります。

病気・薬剤、あるいは加齢やもともとの食事の摂取量が少ないなどの理由によって腸管に機能異常が生じ、便秘になることもあります。腸管の機能異常を呈す病気や薬剤には以下のようなものが挙げられます。

機能性便秘の原因となる病気

これらの病気が原因の便秘である場合、通常は病気を治療することによって便秘が改善されます。

機能性便秘の原因となる薬剤

  • 向精神薬
  • 抗コリン薬
  • オピオイド系薬 など

薬物の服用によって便秘が生じやすくなっている場合には、服用する薬物を変更したり、便秘の改善を促す薬物を追加で服用したりする必要があることもあります。

便秘が女性に多い理由の1つに女性ホルモンの影響が挙げられます。女性は生理や妊娠中に女性ホルモンの1つであるプロゲステロンの分泌量が増加しますが、このプロゲステロンには腸のはたらきを抑える作用があるとされています。そのため、プロゲステロンの分泌量が増加している際には便秘になりやすくなります。

また、便秘の原因となる甲状腺機能低下症副甲状腺機能亢進症などの病気が女性に多いということも、便秘が女性に多い理由として考えられます。

赤ちゃんの場合、母乳の不足や調乳の誤りによって便秘が起こることがあります。まれではありますが、ヒルシュスプルング病といった生まれつきの病気によって便秘になる場合もあります。生まれつきの病気であれば大部分は新生児期に症状が現れます。

高齢の方は加齢に伴う食事量の減少や筋力の低下によって便秘になりやすくなります。多くの病気は加齢に伴って発症率が高くなり、病気そのものによる影響や治療薬の副作用で便秘になることも少なくありません。

便秘の原因は生活習慣によるものが一般的です。そのため、まずは規則正しい生活をする、バランスのよい食事を取る、適度な運動する、排便習慣をつけるなど、生活習慣の改善に取り組むようにしましょう。過度なストレスによって便秘につながることもあるため、ストレス解消への取り組みも大切です。一方で、病気が原因で便秘になることもあります。生活習慣を改善しても便秘が続くようなら一度病院で診てもらうのがよいでしょう。特定の薬を使用してから便秘になった場合などには、かかりつけの病院に相談してみましょう。

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