インタビュー

便秘症とは——便秘は便の回数が少ない型・便を出すのに困難を伴う型・両者が合併した型にわけられる

便秘症とは——便秘は便の回数が少ない型・便を出すのに困難を伴う型・両者が合併した型にわけられる
壬生 隆一 先生

みぶ博多駅前クリニック 院長

壬生 隆一 先生

この記事の最終更新は2016年04月14日です。

便の回数が少ない、便が硬い、便がうまく出せないなど、便秘症にもさまざまな症状があります。便秘といっても個人差があり、種類によっても治療法が異なるため、正しい診断が重要です。みぶ博多駅前クリニックの壬生隆一先生に便秘症についてお話を伺いました。

たとえ毎日排便があったとしても、すっきりしなかったり、残便感があったりする場合も便秘症とみなすことができます。逆に、週に数回しか便が出なくても、すっきりと排便できるようであれば必ずしも便秘というわけではありません。便秘症の定義は排便に伴う不快な症状があることで、具体的には以下の症状が挙げられます。

  • 1週間に2回以下と便の回数が少ない
  • 便が硬い
  • 排便時に5分以上かかり、うまく排出できない
  • 残便感がある

大腸は全長1.5メートルほどの臓器で、結腸と直腸に分けられます。肛門は直腸の下部にあります。結腸はさらに盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸にわけられます。口から摂取した食べた物は、胃や小腸で消化・吸収されたあと、液状の状態で大腸に送られます。大腸では、水分や電解質などの吸収が行われます。水分が吸収されることで、食べ物のかすは大腸の中で固形状に変化していき、食事を摂取してからおよそ24~48時間で最終的に便として排出されます。

大腸では水分の吸収のほかにも便の輸送も行っており、大腸に問題がなければ、ぜん動運動という縮んだり緩んだりする動きを繰り返すことで、便を直腸まで運びます。ところが、大腸の中で何か問題が生じると便を輸送することができなくなって、便が停滞してしまうのです。

  • 弛緩性便秘

結腸でのぜん動運動が弱くなり、便を先に送り出せなくなって起こるものです。大腸の神経系の異常が原因と考えられています。

  • けいれん性便秘

大腸の収縮運動が強くなりすぎて、腸がけいれんを起こして協調した動きができなくて便がスムーズに送れないために起こる便秘です。リラックスできない人や職場や家庭でのストレスがある人にみられるタイプです。

  • 直腸性便秘

便が直腸に到達しても、肛門括約筋を緩めることができなくて便をだせなかったり、直腸の便を出す力が弱いためにおこります。

①弛緩性便秘

・排便の回数が少ない状態が続いている

・直腸の知覚が低下していることが多い

・便がたまっても便意が起こらないことが多い

②けいれん性便秘

・便はウサギのフンのように小さく細く切れた状態の便がでたり、便の性状も変化し、排便回数も不規則になる

・3日以上便が出ないということは少ない

・「過敏性腸症候群」の便秘型で多くみられる

③直腸型便秘

・便の排出が障害されているので排便時間が長い

・直腸と肛門の協調運動障害によって排出できない

・便が硬くて出せない

・便が細い

・腹筋の力が弱くなって出せない

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