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IVRとは? 幅広い病気を低侵襲に治療できる画像下治療

IVRとは? 幅広い病気を低侵襲に治療できる画像下治療
メディカルノート編集部 [医師監修]

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IVRとは日本語では画像下治療と呼ばれ、カテーテル治療を代表とするレントゲンやCTなどの画像を見ながら低侵襲に行われる治療の全般を指します。その適応となる疾患は幅広く、子宮筋腫下肢静脈瘤動脈瘤などに対しても有効な治療を行うことができます。

本記事では、IVRについて解説します。

IVRとはInterventional Radiologyの略語であり、日本語では“画像下治療”と呼ばれています。IVRはレントゲンや血管造影画像、超音波画像やCT画像で体内を詳しく見ながら、血管に細い管を通すカテーテルや、針などで治療を行うため、極力体への負担がない状態で治療を行うことができます。IVRは幅広く多くの方に治療を行うことができますが、治療が低侵襲に行えることから特に高齢の患者さんに用いられることが多いです。

海外ではもともと、IVRは動脈硬化に対する治療方法として発達しました。その一方日本では、動脈硬化よりも肝臓がんを治療する“肝動脈塞栓術”の分野で大きく発展してきました。近年は肝炎ウイルスの特効薬が開発されたことによって肝臓がんの罹患者が減りましたが、手技・器具など治療の進歩によりさまざまな疾患分野の治療を担うようになってきました。

IVR画像下治療)は実に幅広い病気に対し治療を行うことができます。ここではその一例をご紹介します。

<IVRで治療できる病気(一例)>

など

下記では、3つの治療についてピックアップして解説します。

子宮筋腫とは、子宮内に良性の腫瘍ができる病気です。この子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE)という治療は、2014年に保険適用となった治療です。UAE治療は足の付け根にある大腿動脈からカテーテルを入れ、子宮筋腫に栄養を与えている子宮動脈を特殊な球状の物質“塞栓物質”で詰めてしまう治療です。

この治療のメリットはなんといっても子宮を残した状態で子宮筋腫の治療ができるところです。また、施設によって異なりますが、4泊5日程度の入院で済むことが多いのもメリットでしょう。一般的な子宮筋腫の治療は筋腫が大きい場合や多数ある場合などに子宮を全摘出する手術を行うこともありますが、IVRの場合には適応が合えば子宮を温存して治療に臨むことができます。

下肢静脈瘤とは、足先の静脈が妊娠・出産、長時間の起立や肥満などによって逆流してしまい、静脈瘤が生じてしまう病気です。下肢静脈瘤には従来手術治療が一般的に行われていましたが、2011年に“血管内レーザー照射術”が保険適用となってからは、この治療が盛んに行われるようになりました。

血管内レーザー照射術は膝の近くからカテーテルを静脈に刺し、逆流している静脈をレーザーで焼き固め、逆流を抑える治療です。

この治療のメリットは、体に負担が少なく、傷あともほとんど残らないところです。

大動脈瘤や、腎臓、脾臓、膵臓、胃、十二指腸などの内臓動脈瘤に対しても用いられることがあります。お腹を切ることなく、全てカテーテルという細い管を挿入し、レントゲンを使用しながら治療を行うため、高齢の患者さんにも治療可能なケースが多く、短期間での退院も期待できます。

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