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Pancreas
小児糖尿病
小児期に発症する糖尿病のことを指します。糖尿病には、肥満や食生活などに関連して発症する「2型糖尿病」と、自己免疫などに関連して発症する「1型糖尿病」があります。 一般的に「糖尿病」として語...
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膵臓
更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

小児期に発症する糖尿病のことを指します。糖尿病には、肥満や食生活などに関連して発症する「2型糖尿病」と、自己免疫などに関連して発症する「1型糖尿病」があります。

一般的に「糖尿病」として語られることの多いタイプは前者の2型糖尿病ですが、小児に発症することが多いのは後者の1型糖尿病で、発症年齢は10歳から15歳がピークとなっています。しかし、中学生や高校生のなかにも2型糖尿病のタイプが増えてきており、小児糖尿病の5人に1人は2型糖尿病に分類されると報告されています。

1型糖尿病と2型糖尿病では、治療方法でも異なる点があります。しかし、糖尿病と関連した長期的な合併症である心筋梗塞や脳卒中、腎障害や視力障害などを発症しうるという共通点もあり、長期的な医療介入が必要とされます。

原因

血液中に存在する糖分(ブドウ糖)は、インスリンを介して細胞に取り込まれます。インスリンとは、膵臓にある「β細胞」と呼ばれる細胞から分泌されるホルモンであり、血糖を下げる効果があります。インスリンが適切にはたらくことで、細胞は糖分をエネルギー源として利用することができるようになります。

しかし糖尿病を発症すると細胞がうまく糖分を取り込むことができなくなり、血液中の糖の量が上昇することになります。糖分は十分量血液中に存在しているにもかかわらず、細胞はエネルギー源として利用できずに飢餓(きが)(うえた状態)に陥ることになります。

糖尿病の発症機序としては、(1) そもそもインスリンが分泌されなくなる、(2) インスリンは分泌されていてもインスリンの細胞に対してのはたらきが悪くなる、の二つが考えられます。こうした発症機序の違いから、1型糖尿病と2型糖尿病が分類されています。

1型糖尿病

小児糖尿病では1型糖尿病が多いことが知られています。

風邪などをきっかけとして自己免疫に異常が生じ、インスリンを分泌するβ細胞が自身の免疫により破壊されることから病気が発症します。発症する原因は、自己免疫以外の関連性も指摘されています。

1型糖尿病の原因については、現在では遺伝的要因が50%、ウイルス感染などの後天的要因が50%ということがわかっています。遺伝的要因といっても一般的な体質のようなもので、特殊なものではありません。したがって頻度こそ低いものの、誰でも発症する可能性があります。後天的要因はウイルス感染以外にも、内服薬・食事・腸内常在菌の構成・ミルクや母乳・日照時間などさまざまな要因が考えられています。

2型糖尿病

インスリンのはたらきが悪くなることが原因となって発症します。

2型糖尿病では、肥満や運動不足、食べ過ぎなどの生活習慣と関連してインスリンに対しての細胞の反応性が鈍くなっています。これによりインスリンを介した糖分の細胞への取込みが不十分になることから血液中の糖の量が上昇し、2型糖尿病が発症します。2型糖尿病は成人にみられることが多いですが、小児、特に学童期においても近年(2016年時点)増加傾向にあります。

2型糖尿病は、遺伝的原因が約90%、肥満などの後天的原因が約10%ということがわかってきました。遺伝的といっても、複数の遺伝子によってつくられる体質が重なって発症するため、複数の遺伝子がどのように相互作用して発症に至るのかといった詳細な関係性についてはいまだ(2016年時点)よくわかっていません。

症状

小児糖尿病は、無症状のまま経過して学校の尿検査などの異常を通して初めて指摘されることがあります。急激なβ細胞破壊が生じている場合には、のどが渇いて水をたくさん飲むようになったり、尿の回数が増えたります。

糖尿病ではインスリンの作用が欠乏した状態にあるため、細胞は糖分をエネルギーとして利用することができません。そのため、食べる量は多いのにもかかわらず、体重が減るようになります。また何となくだるいといった不定愁訴(ふていしゅうそ)が出ることもあります。血糖値が異常に高い状態が放置されると中枢機能にも影響を与えることになり、意識障害や、最悪の場合死に至ることもあります。

小児糖尿病では、治療と関連した低血糖が生じることもあります(インスリンの過剰摂取や経口摂取不足など)。また、長期的には、糖尿病の合併症が生じることがあります。代表的には、腎障害からの腎不全、網膜症からの失明、末梢神経障害からのしびれなどです。その他、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な合併症を引き起こすこともあります。

検査・診断

血液検査を行います。なかでも重要な項目としては、血糖値・HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)・Cペプチドの3項目です。

血糖値

小児糖尿病で多い1型糖尿病では、初期に明らかな高血糖となっていることが多く、それだけで糖尿病の診断がつくことが多いです。しかしそこまでの高血糖ではない場合は、実際に糖分を摂取してもらい血糖の変動を確認する負荷試験を行うこともあります。

HbA1c

血中のヘモグロビン(Hb)とブドウ糖が結合した状態を指します。ヘモグロビンは血管内のブドウ糖が多いほど糖と結合するため、糖尿病になるとHbA1cが増加します。

HbA1cはその場で測った血糖値ではなく、1~2か月前の血糖値を反映して変動します。すなわち数か月前の血糖コントロール状況を反映することから、治療効果判定をする際にも重要となる項目です。

Cペプチド

インスリンができる前段階の物質が分解されるときに生じる物質で、これを測定することで、血中のインスリン分泌機能がどの程度はたらいているかを診断することができます。1型糖尿病ではインスリン分泌機能が低下しているため、こちらも重要な目安になります。

また、糖尿病では合併症に対しての検査も重要です。腎障害を発見するためには、血液検査(クレアチニンなど)や尿検査が重要です。網膜に対しての変化を確認するために、網膜症の検査も受ける必要があります。

治療

小児糖尿病では、インスリンが分泌されない1型糖尿病か、インスリンの効きが悪くなっている2型糖尿病かによって治療方法が異なります。いずれの場合であっても、血糖コントロールを良好に保ちながら、長期合併症を予防することが重要になります。

1型糖尿病

1型糖尿病は体内のインスリンをつくる細胞が破壊されてしまっている状態であるため血糖降下剤といった内服薬の適応はなく、インスリン療法を一生涯に渡って行う必要があります。インスリンには、効果が続く時間が短いものもあれば、ゆっくりと長時間効果を示すものもあります。これらを組み合わせながら、食事摂取のタイミングを考慮した治療が行われます。調子が悪くなったときや食事摂取量が変化したときには血糖コントロールが悪くなることもあるため、適切なインスリンの使用方法に知っておくことが求められます。

2型糖尿病

2型糖尿病が原因となっている小児糖尿病については、血糖降下剤といった内服薬も適応になります。

小児糖尿病

小児糖尿病は、成長期にある小児に発症する糖尿病であり、食事摂取を過度に制限することは避けなければなりません。成長に必要な栄養素をしっかりと摂取することが必要です。また糖尿病の管理において、適度の運動を行いインスリンに対しての反応性を高めるようにすることも重要です。

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