症状
マムシ咬傷の症状
マムシに咬まれた部分は腫れ、次に挙げる症状を呈します。
- 発赤や紅斑(赤くなること)
- 焼けるような激しい痛み など
注入されたマムシ毒の量によっては、浮腫(むくみ)や出血性の水疱が形成されることがあります。
全身症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 異常精神状態:恐怖のため興奮状態となり、見当識障害(自分が今どこにいるのかわからなくなること)などが起こることがある
- 脱力感
- 悪心や嘔吐
- 低血圧
- 味覚異常 など
- 重症例では、以下の症状がみられることがあります。
- ショック
- 呼吸困難
- DIC(播種性血管内凝固症候群):本来出血した部分で起こる血液の凝固が、血管内で無秩序に起こる病態です。全身のさまざまな血管内で血栓が形成されることがあります。
- 急性腎不全
- 筋壊死
- 多臓器不全
- 横紋筋融解症:骨格筋細胞から、ミオグロビンなどが細胞外へと流出してしまうことです。
- 神経障害 など
血液の凝固異常により、出血や吐血、下血や血尿が認められることもあります。また、視力低下や霧視、複視が起こることもあります。
ヤマカガシ咬傷の症状
以下のような初期症状がみられます。
- 出血
- 頭痛:必発する症状ではありません。
- 軽度の腫脹(腫れ)
- 軽度の痛み など
咬まれてからある程度の時間が経過すると、以下のような出血傾向がみられます。
- 歯肉出血
- 鼻出血
- 眼底出血
- 吐血
- 血尿
- 皮下出血
- 血小板減少
- 脳内出血 など
このほか、悪心や嘔吐、血便、発熱や手足の痛みがみられることがあります。ヘビに咬まれた恐怖により、興奮状態となり、めまいや過呼吸、見当識障害などを起こすこともあります。また、DICや急性腎不全に移行することもあります。
ヤマカガシの毒が目に入った場合は、刺激や結膜浮腫、充血や視力障害といった症状が現れることもあります。なお、ヤマカガシの毒は、マムシ毒やハブ毒のように、局所的な筋組織の壊死は起こさないことが知られています。
ハブ咬傷
- 咬まれた直後から、激しい痛みや牙痕からの出血、腫脹が現れます。このほか、以下のような症状がみられます。
- 皮下出血
- 水疱が形成される
- リンパ節が腫れる
- 頻脈:脈拍数が早くなること
- チアノーゼ:皮膚や粘膜が青紫色になること
- 血圧低下
- (重症例)体液が減少することによるショック
- 発熱
- 胸内苦悶:胸部の圧迫感や窒息感などの違和感
- 手や足が冷たくなる
- 発汗
- 脱力感
- 意識の混濁 など
このほか、腫れた部分の筋組織が壊死することがあります。毒液が目に入った場合、強い刺激を感じることや、結膜炎・角膜炎が引き起こされることがあります。なお、過去にハブ咬傷の既往(ハブに咬まれた経験)がある場合、アナフィラキシーショックを起こすリスクがあります。
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