院長インタビュー

現状を受け止めながら、患者さんのために先を見据える-西尾市民病院の特色と今後の展望

現状を受け止めながら、患者さんのために先を見据える-西尾市民病院の特色と今後の展望
禰宜田 政隆 先生

西尾市民病院 院長

禰宜田 政隆 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年04月04日です。

西尾市民病院は、愛知県西尾市に位置する二次救急病院として、地域の救急医療のために質の高い医療を目指してきました。西尾市民病院は、急性期病院であるのと共に、地域包括ケア病棟を設けたことにより、患者さんの在宅や施設復帰に向けた役割も担っています。

また、近年問題視されている医師が不足している状況を真摯に受け止めながらも、スタッフが少ないからこそ芽生えるアットホームな雰囲気を大切にしています。

今回は、院長である禰宜田 政隆先生に、西尾市民病院の特色や今後の展望についてお話を伺いました。

西尾市民病院の外観

西尾市民病院の外観

1948年に西尾町立西尾地方病院として開院し、内科と外科に加えて整形外科や眼科などの診療科の増設を行いました。1966年には、前身である西尾町立西尾地方病院を引き継ぐ形で、西尾市民病院に改称されました。診療科の面では、引き継ぐ前の診療科に加え、形成外科や脳神経外科、呼吸器外科などが増設されました。また、施設面では現在に至るまでに、地域医療の観点や救急患者さんの受け入れの観点から、病棟の新設や診察室の増設を行っています。

形成外科では、患者さんの生活の質の向上と社会復帰を目的としています。先天性・後天性には関係なく、体の外表の形や色の変化などを正常に戻すことができるように務めています。形成外科では、交通事故や労働事故による外傷、火傷、褥瘡糖尿病による皮膚潰瘍などに対応しています。

また、患者さんの主治医の先生からの依頼がある場合には、褥瘡に対しての訪問診療も行なっています。地域の方々や患者さんのご希望に添えるよう地域医療にも尽力していきます。

当院の眼科では、外眼部や中間透光体、眼底など眼科分野に関する部位には対応可能です。対象疾患としては、白内障を始めとした網膜裂孔や斜視、眼瞼下垂、眼瞼腫瘍などに対応しています。また、当院では特殊外来として、斜視・弱視外来も設けています。お悩みの方は、是非ご相談ください。

当院の催し『健康よろず相談』の様子
当院の催し『健康よろず相談』の様子

当院では、地域の金融機関にご協力いただき、地域の方々に向けた市民公開講座を開催しています。地域の方々や患者さんに、正しい医療知識を伝え、健康な生活を送れるよう意識づけをしていただけるよう務めています。市民公開講座の内容は、がんや心臓発作、認知症についてなどの近年話題になっているものを取り上げることで、多くの地域の方々に参加していただけるようになりました。また、講座終了後に、参加していただいた方を対象にアンケートに回答していただくことで、患者さんから求められる、より良い病院作りにつなげています。

佐久島は三河湾に浮かぶアート作品が島内に多く点在している離島です。当院は、県からの要請を受け、佐久島に当院から医師を派遣しています。時折、当院の職員で佐久島を訪れ、島民の健康相談に乗る機会も設けています。また、その機会をスタッフ同士のコミュニケーション築く場としても活用し、バーベキューなどのレクリエーションも行なっています。佐久島で行っているレクリエーションが、当院のアットホームな暖かい雰囲気につながっています。

外来の患者さんや救急の処置が必要とされる患者さんの受け入れをさらに増やすために、医師の採用を積極的に行なっていきたいと考えています。多くの医師に選んでいただける病院にするため、当院では医師のインセンティブ制度と講師などにお越しいただき勉強会の実施などを行なっています。医学生や当院で2年間の臨床研修修了後も働き続ける意思のある方のために、臨床研修や勤務を条件に奨学金制度を設けました。これからも、当院では多くの患者さんの受け入れを行えるよう、医師が働きやすい環境となるよう務めていきます。

また、少子高齢化社会に伴い、排尿疾患や腎炎などの泌尿器科分野の疾患が増加することが予想されます。問題視されている少子高齢化社会にも対応できるようにするため、今後は泌尿器科をさらに展開していきたいと考えています。

取材の様子

取材の様子

現在の日本では、多くの地域で医師が不足している状態であると言われています。当院では、患者さんに安心・安全かつ求められる医療を提供できるよう、まずは多くの医師の方に働いていただけるような環境を整えることに務めています。ぜひ、地域の皆さんや患者さんには現状をご理解いただき、体調面で不安なことがある場合にはご相談いただければと思います。

若手の医師の皆さんには、辛いことにも全力で取り組む力を身につけて欲しいです。医師として働いていくには、人を救うプロとして成長を続ける必要があり、ある程度の水準までは大きく素早く成長をする必要があると考えます。成長するためには、たくさんの勉強と臨床での経験が必要になります。心が折れそうになることも、身の縮むような思いをすることもあるかもしれません。それでも、自らを追い込んでトレーニングを積み、成長を続けてほしいと思います。当院は、頑張って成長しようとする医師の皆さんに、とても最適な施設であると考えます。ぜひ、若手の医師の皆さんには、当院で成長して欲しいと思います。

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