全身が痛い:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
久しぶりに長時間スポーツをした後などに、全身に痛みを感じたことのある人は多いことでしょう。風邪などで高熱が出て、全身がだるく感じることもあるかもしれません。
このような場合に考えられる原因には、どのようなものがあるでしょうか。
全身の痛みは、筋肉の使い過ぎなど日常生活上の原因で起こることもありますが、以下のような病気によって生じることもあります。
関節周辺に炎症が起こる病気で、50歳以上の高齢者に多いとされています。
筋痛症とありますが、痛みは筋肉より関節(特に肩から首にかけて)に顕著にみられます。多くの場合、痛みは片側から発症し、2~3日経つと両側に広がるようになります。
手や腰、膝、ふとももなど、体全体の筋肉・関節が痛むことも少なくありません。手指などの関節の腫れ、手の甲のむくみ、関節のこわばりなどの症状を伴う場合もあります。
感染症にかかると、高熱に伴う悪寒によって全身の筋肉や関節に痛みが生じることがあります。
インフルエンザであれば一般的に、高熱、悪寒、筋肉・関節痛、頭痛が突然現れた後に、咳や鼻水などの症状が現れます。
筋肉が壊れて壊死を起こす病気で、全身の筋肉の痛みやこわばり、筋力の低下などの症状が現れます。原因としては、脂質異常症や抗菌薬、向精神病薬などの薬剤や感染症などが挙げられます。
全身の筋肉や関節、腱などに原因不明の痛みが慢性的に起こる病気です。20~60歳代の女性に多く発症するとされています。
痛みは強いことが多く、髪が触れた程度でも激烈な痛みが生じることがあります。体のだるさや疲れやすさ、目・口の乾き、しびれ、耳鳴りなどを伴うことがあります。痛みによるストレスから、抑うつ状態や不眠などを認める場合もあります。
うつ病とは、脳のエネルギーが欠乏した状態のことで、ストレスなどによる脳内の神経伝達物質(セロトニンやノンアドレナリン)の減少が原因であると考えられています。
発症すると、主に無気力や興味・喜びの減退、気分の落ち込み、不安、イライラ、情緒不安定、不眠など、心に関する症状が現れるようになります。
体のだるさや疲れやすさ、食欲・性欲の低下、肩こり、頭痛、筋肉・関節痛(全身を含む)などの身体症状もよくみられます。
ストレスなどによって自律神経(交感神経と副交感神経)が乱れることで、心身にさまざまな不調が生じる病気です。
現れる症状はさまざまですが、以下が代表的です。
全身の痛み以外に何かしら症状が現れている場合、他に症状がなくても全身に強い痛みが出て日常生活に支障が生じている場合には、一度病院を受診するのが望ましいでしょう。
原因によって専門科目が分かれますが、どの科目の受診が適切かを自分で判断することが難しい場合もあるため、まずは内科やかかりつけの医療機関へ受診するとよいでしょう。
受診時には、いつから痛くなったのか、痛みはどのように現れたのか、特に痛い場所はどこか、他にどのような症状があるか、などを医師に詳しく説明すると診断の参考になります。
全身の痛みの日常生活上の原因としては、筋肉痛が考えられます。
スポーツで筋肉を酷使したり、軽い運動でも普段使わない筋肉を使ったりすると、筋肉を構成する繊維が傷つきます。この傷ついた筋繊維が修復されるときに炎症反応が起こることで、痛みが発生すると考えられています。
運動やスポーツをした後、数時間から2日くらいを目安に全身が痛くなった場合には、筋肉痛の可能性があります。
筋肉痛になった場合には、まず安静にすることが大切です。安静にすることで成長ホルモンが分泌されて筋繊維の修復がスムーズになります。
また、時期や状態次第ではアイシング(冷やすこと)やマッサージも効果的です。痛む場所に熱を持っているときにはアイシングを、熱を持っていないときには軽めのマッサージをすることで、痛みが和らぐ場合があります。
運動やスポーツなどによる筋肉痛であれば、通常は1週間ほどで治りますが、それ以上経っても治らない場合には、他の病気やケガの可能性も考えられます。よくならないときには、一度病院の受診を検討しましょう。