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妊婦の足のむくみ:医師が考える原因と対処法|症状辞典

妊婦の足のむくみ

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 1週間に500g以上の急激な体重増加があり、強いむくみ、尿が出にくい、血圧が高い、頭痛などの症状がある
  • 息苦しさがあり横になれない
  • 顔、体など他の部位にも強いむくみがある

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • マッサージなど自分でできるケアをしてもよくならない
  • 他の症状はないが、日常生活に支障がある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • マッサージなど自分できるケアでよくなり、その後繰り返さない

[医師監修] メディカルノート編集部【監修】

むくみは浮腫(ふしゅ)とも呼び、体の中の水分がたまって腫れぼったいように感じる状態です。妊婦の多くがむくみを経験しているといわれ、体の部位では特に足によくみられます。

妊娠中の足のむくみの原因はさまざまで、心配ない場合もありますが、危険な病気の一症状として現れる場合もあるため注意が必要です。

  • 妊娠前は何ともなかったのに、妊娠してから仕事後に両足がむくむようになった
  • 妊娠後期に急に体重が増えて、両足のむくみもひどくなった
  • 急に片方の足だけむくむようになった。むくんでいる部分が赤く、痛みもある

このような場合に考えられる原因には、どういったものがあるのでしょうか。

妊婦が経験する足のむくみの多くは妊娠に伴う生理的なものですが、体の病気や血管の病気なども原因に挙げられます。

原因となる病気は一般的に危険性が高く、妊婦、胎児ともに危険な状態になることもあります。

妊娠中に起こるむくみの多くが生理的なもので、これを生理的浮腫といいます。

生理的浮腫

妊娠に伴ってホルモンの変化や体内の血液量が増加することで、足などにむくみが起こりやすくなります。生理的な問題であることから多くの妊婦が経験しており、むくみ以外にも頭痛や体のだるさなど、さまざまな症状が現れることもあります。

妊娠中の足のむくみは病気でも生じ、一般的に病気による足のむくみは危険性が高く、場合によっては妊婦、胎児ともに危険な状態になることもあります。

主な病気には以下のようなものがあります。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群は、以前に“妊娠中毒症”と呼ばれていたもので、妊娠20週~分娩後12週に高血圧がみられる状態を指します。妊婦の約20人に1人の割合で発症するとされています。

むくみのほかに自覚症状がない場合も多いですが、頭痛や吐き気、視力低下、尿量の減少、急激な体重増加などがみられる場合もあります。

妊娠高血圧症候群によるむくみが足のみではなく顔面にも及ぶ場合には、医療機関を受診して医師の指示を受ける必要があります。

下肢静脈血栓症

足の静脈に血栓(血の塊)ができたものを下肢静脈血栓症といい、血栓ができると血流が滞るために障害を受けた部分に一致して腫れやむくみが生じます。痛みや熱感、発赤などの症状を伴うことも多くあります。

蜂窩織炎

蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは、皮膚や皮下脂肪に細菌が感染して炎症を起こす病気です。

足に感染することが多く、感染部位が腫れて赤くなるほか、熱感や痛みを感じます。炎症が拡大すると、発熱や寒気、体のだるさ、関節痛などの全身症状が現れる場合もあります。

すぐによくなるようなら問題ないことが多いですが、いつまでも足のむくみが引かない場合、ほかの症状を伴っている場合には、一度病院を受診したほうがよいでしょう。

片方の足だけがむくんでいる場合は、特に注意が必要です。早急に病院を受診しましょう。

受診に適した診療科は原因によって異なりますが、まずは健診している産婦人科でよいでしょう。

診察を受けるときには、足のむくみが起き始めた時期やきっかけ、ほかの症状などを詳しく伝えることが大切です。

生理的なものや病気以外でも、日常生活上の原因で足がむくむことがあります。考えられる原因としては、以下のようなものがあります。

体が冷えてしまうと血液の循環が悪くなります。同時に体の中の水分の巡りも悪くなり、水分が滞るとむくみとなって現れます。

心臓から離れた部位は、ほかの部位に比べて血液や水分の巡りが悪くなりやすいために、むくみの多くは足に生じます。

冷えを解消するには

冷えの解消には、ビタミンEの摂取や入浴などが効果的です。

ビタミンEは血流をよくする効果に加えて、胎児への酸素供給量が増加するともいわれています。ほかのビタミンや葉酸なども胎児の発育に重要な栄養素なので、バランスのよい食事を心がけましょう。

また、暖かい衣類を着用する、夏には冷房での冷やしすぎに注意するなど、体を冷やさないように工夫することも大切です。

ふくらはぎの筋肉は、足に流れてきた血液を心臓へ送り返すためのポンプの役割を果たしています。

運動不足が続くと筋力が低下し、ポンプ機能が低下することで血液をうまく送り返すことができず、その結果として血液中の水分が停留してむくみが起こります。また、運動不足によって新陳代謝が悪くなることも、足のむくみの原因になります。

運動不足だと思ったときには

適度な運動で筋力が増加したり、新陳代謝がよくなったりすると、足のむくみが改善される場合があります。

また、肥満の解消にも効果があります。妊婦さんの場合、過度な運動は分娩異常などのトラブルを誘発させることもあるので、ウォーキングや水泳などの有酸素運動を無理のない程度に行うようにしましょう。

塩分は体内に水分を蓄えるはたらきがあります。そのため、過剰に摂取すると水分が体外にうまく排出されず貯留してしまい、むくみが現れるようになります。

また、塩分の摂りすぎは高血圧など生活習慣病の原因にもなります。

塩分を控えるためには

塩分のもととなるのがナトリウムという元素で、野菜などに含まれているカリウムはナトリウムを排出させるはたらきがあります。

塩分を過度に摂取していると感じたら、塩分を多く含む食品の摂取を控えるとともに、野菜やワカメ、イモ類、果物(リンゴやバナナ)などのカリウムを多く含む食品を摂るようにしましょう。

日常生活上の対策をとっても足のむくみがとれない場合には、思いもよらぬ原因が潜んでいるかもしれません。一度病院への受診を検討しましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。