手が震える:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
細かい動作を必要とする手の震えは、日常生活に不便を感じやすい症状のひとつです。
もしこのような心当たりがある場合、考えられる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
手の震えを起こす主な病気としては、次のようなものがあります。
震えだけを特徴とする病気です。40歳以上で4%、65歳以上で5~14%の人に見られるといわれています。
手の震えの他、頭部の揺れ、震え声などが出ることも特徴です。自分の意思とは関係なくこれらの症状が出ますが、日常生活に支障をきたす程強い症状がある場合は医師に相談してみるとよいでしょう。
脳の黒質という部位が変性し、筋肉の動きを上手く調節できなくなる病気です。手の震えの他、表情が乏しくなる、筋肉のこわばり、動作がゆっくりになるなどの症状が見られます。
比較的ゆっくり進行する病気のため、初期には転びやすくなったり、つまずきやすくなったりするという些細な症状として現れることも多いのが特徴です。
字を書こうとするときや書いているときに手が震えて上手に字が書けなくなったりします。緊張を感じやすい人におこりやすく、字をかくことを仕事にしている人におきやすいといわれています。
血糖値が低くなりすぎている状態で、あくび、冷や汗、動悸などの症状が現れます。
糖分の補給でよくなる場合が多いですが、頻繁に繰り返すようなら原因を調べることが必要です。
甲状腺ホルモンが過剰になる病気です。手の震えの他、暑がる、大量に汗をかく、疲れやすい、めまい、イライラ、食べるのに痩せるなどの症状が見られることもあります。比較的女性に多い病気といわれています。
手の震えは以下のような原因で起きることもあります。
アルコールに依存してしまう病気です。お酒が切れると手が震える、イライラする、不眠、不安感などが生じます。
「飲酒をやめられず、日常生活に支障をきたしている」と、感じたら受診のタイミングです。アルコール依存症を診察している精神科に相談してみましょう。自分ですすんで受診する人がほとんどいないことが特徴の病気でもありますが、いずれにせよできるだけ普段の様子を知っている家族が付き添うことが望ましいといわれています。
一部の胃腸薬などの副作用でパーキンソン病のような症状を呈する病気です。手の震えの他、動作が遅くなる、つまずきやすくなる、歩き方が小刻みになる、筋肉がこわばるなどの症状が見られます。
原因と思われる薬を処方された病院で相談するのがよいでしょう。
受診のタイミングとしては、手の震えが強く日常生活に不便が出ている、他の症状があるときなどです。原因によって専門の診療科は異なりますので、まずはかかりやすい近くに内科やかかりつけで相談するとよいでしょう。
受診時には、手の震えがいつから、どのくらい続いてるのか、どんなタイミングで出るのか、他にはどんな症状があるのかなどを伝えるようにしましょう。
日常生活上の原因で手の震えが起きることもあります。
年齡とともに手が震えるようになる人は少なくありません。年齡とともに筋肉が衰えたり、神経細胞が減少するためといわれています。
年齡による手の震えは、ある程度はやむを得ない部分もあります。手先を使う動作や趣味などを積極的に取り入れ、加齢による手の震えを予防するのもよいでしょう。
怒りや緊張を感じた時も手が震えることがあります。適度なストレスはパフォーマンスを向上させることもあります。しかし、手が震えるほどのストレスはかえって良くない結果を招きかねません。
強い怒りや緊張は自律神経の働きを乱します。まず、自律神経の働きを正常化するために、深呼吸をしてみるのも良いでしょう。
筋肉は神経の命令によって収縮しています。しかし、筋肉が疲労したり、ミネラルのバランスが崩れると、意志とは関係なく手が震えたり足がつったりすることがあります。
マッサージ、ストレッチ、入浴などで筋肉の疲労を取り除くようにしましょう。カルシウムなどのミネラルの多い食品をこころがけて摂取するとよいでしょう。
以上のような日常生活でできる改善を行っても手の震えがとまらないこともあります。そのような場合には、一度病院で相談してみましょう。