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インタビュー

公開日 : 2015 年 09 月 07 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

トリガーポイント治療、認知行動療法につなげ痛みをなくす

40歳のころにご自身も腰痛を患った木村ペインクリニックの木村裕明先生は、硬膜外ブロック等の治療を受けましたが、なかなか痛みが改善しませんでした。そこで、さまざまなリサーチを行い、その結果、MPS(筋膜性疼痛症候群)という病気を疑い、ご自身で腸脛靭帯などに注射をしたところ劇的に改善しました。このことをきっかけに、トリガーポイントへの治療に着目されたのです。この記事では、トリガーポイント治療の意義や注意点について詳しくお話しいただきます。

トリガーポイント治療:エコーガイド下の筋膜リリースは、究極の認知行動療法

「認知行動療法」というと、心理療法が中心となることが一般的なイメージです。しかし、行動から促す方法もあります。

痛みによる不動に対して、特定の動作に伴う痛みを減らすことで、「動かしても痛くない」という認知変容に寄与でき、心身の活動性を向上させることになります。

多くの患者さんは、痛みの原因が骨や椎間板にあると思い込んでいます。実際に針先が筋膜の重積している部分に到達すると、独特のヒビキ(反応)や、いつもの痛みの再現があります。「そこです!」というこの感覚を、「認知覚」と呼びます。画像上、筋膜が白く帯状に重積した部分を生理食塩水でリリースすると、即座に痛みが改善します。このことで、痛みの原因が筋膜にあると認知してもらいます。

そして「動かないでいるとまた筋膜が癒着するので、散歩やラジオ体操をしてください」と呼びかけることによって、患者さんに行動を変えてもらうのです。これは、まさに認知行動療法です。レントゲンで変形した骨や、MRIでヘルニアを見せながら「手術になるかもしれません」と不安や恐怖を与え安静を指導する方法とは正反対です。

筋膜リリースを受けるだけでは、また再発することがあります。そのため、日々の散歩やラジオ体操などの軽い運動が重要です。また逆に、極端に使い過ぎたり日常的に負担がかかっている筋肉があるかどうかを、ご自身でチェックして改善していただくことも重要です。

トリガーポイント治療:筋膜リリースの副作用について

局所麻酔薬を用いた「神経ブロック」と生理食塩水を使った筋膜リリースとを比較してみましょう。神経ブロックでは、局所麻酔を使うために、血圧低下や局所麻酔薬中毒などの副作用があります。これに対して、生理食塩水を用いての筋膜リリースは、これらの副作用がまったくありません。また、エコーを使うことによって、神経損傷、血管穿刺、気胸などの副作用も防ぐことができます。