疥癬は、ヒゼンダニによって生じる感染症です。この疥癬には、寄生するヒゼンダニが比較的少ない通常疥癬と、無数のヒゼンダニが寄生している角化型疥癬(ノルウェー疥癬)があります。角化型疥癬は、寄生するヒゼンダニの数の多さから感染力が強く、症状も激しいのが特徴です。この疥癬の症状について、臨床経験豊富な尾上先生に伺いました。
疥癬は激しいかゆみを伴った皮疹ができます。これらの皮疹は通常、顔や頭にはできません。
疥癬の皮疹は、疥癬トンネル、丘疹、疥癬結節の3種類に分けられます。一般的に、これらの皮疹が融合することはありません。
疥癬トンネルは、疥癬に特異的な唯一の皮疹です。手の平、手首、指の間、指側面などに好発します。また、足の裏、肘、尻、脇の下などにできることもあります。男性では性器にもよくできます。
疥癬トンネルはメスの成虫が角質層内を掘り進みながら産卵している道筋のために、虫卵、虫体の検出率が高いです。疥癬トンネルは皮膚にみられるわずかな隆起で、蛇行していて白っぽく見える線状皮疹です。
高齢者では、手の平のしわの上に、線状の皮疹とそれに続く水尾(みお:船の通った後にできる水の流れの軌跡)状の鱗屑をあわせたY字型皮疹を認められることもあります。この疥癬トンネルはかゆみを伴うのが一般的ですが、高齢者ではかゆみを感じないこともあります。
疥癬トンネルについて、詳しくはこちらも併せてご覧ください⇒疥癬の原因となる疥癬虫(ヒゼンダニ)の生態、疥癬トンネルについて
疥癬では、激しいかゆみを伴う紅班性丘疹が生じる場合があります。この丘疹は、下腹部、胸部、脇の下、太ももの内側などに散在します。かゆみは特に夜間に強くなり、不眠の原因となることもあります。
このかゆみは、潜伏期間にヒゼンダニの虫体、脱皮殻、糞などに体するアレルギー反応として発生するとされていますが、丘疹からヒゼンダニが検出されることはあまりないです。
疥癬結節は主に男性の外陰部にみられますが、脇の下、肘、尻にみられることもあります。大きさは小豆大で赤褐色の結節です。疥癬結節がみられる頻度は7〜30%とあまりみられません。結節も紅班性丘疹同様にヒゼンダニの虫体、脱皮殻、糞などに対するアレルギー反応として生じるとされていて、強いかゆみを伴います。
角化型疥癬は、全身が衰弱している方や重い疾患を有している方などの免疫機能が低下している方に発症する疥癬です。角化型疥癬は、無数のヒゼンダニに寄生しているため感染力が高いです。
手、足、尻、肘、膝などの摩擦をうけやすい部位に、ざらざらとカキ殻状の分厚い角質が付着します。これらの症状は、通常疥癬では認められない部位である頭や首、耳などにも生じます。症状が爪にも見られる爪疥癬もあり、爪白癬と似た症状を呈することもあります。かゆみの程度は感染者によって様々で、全く感じない方もいます。
プライベートケアクリニック東京 院長
尾上 泰彦 先生の所属医療機関
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