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インタビュー

公開日 : 2017 年 02 月 15 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

肺移植とは。重症の肺疾患患者さんにのみ適応される難しい移植術

京都大学医学部附属病院 呼吸器外科教授
伊達 洋至先生

人間にとって「息苦しい」状態は大きな苦しみです。肺に疾患を持つ患者さんのなかには、可能な限りの内科的治療を行っても病状が進行し、満足に呼吸ができない状態に陥ってしまう方がいます。これはマラソンのような一定時間の息苦しさではなく、治療をしない限りは一生続く息苦しさです。

肺移植はこうした重症の肺疾患の患者さんを治療する唯一の方法です。非常に難易度が高い手術であるため、呼吸器外科や心臓血管外科など様々な職種のスタッフがチームとなり、綿密な連携体制のなかで実施する必要があります。

日本で初めて生体肺移植を成功させ、その卓越した技術と治療成績から世界的にも注目を集める京都大学医学部附属病院呼吸器外科の伊達洋至先生に、肺移植についてお話しいただきます。

肺移植とは―「息苦しさ」を改善する最後の治療法

息苦しそうな人

肺移植とは、他の治療法を尽くしても回復の見込みがなく、移植をしなければ余命が限られていると想定される肺疾患の患者さんを救うための治療です。肺移植が成功すれば、息苦しさや呼吸のしづらさといった辛い症状を劇的に改善させることができます(肺移植後の余命の向上については記事2『肺移植の成功率・生存率を向上させるには―移植手術に求められるもの』を参照)。

肺移植の適応基準―どのような患者さん(レシピエント)に選択されるのか

肺移植は他の移植と同様、すべての患者さんが受けられる治療ではなく、適応条件があります。基本的には、薬物治療などの内科的治療では治療の限界があり、余命が限られていると考えられる患者さんが対象となります。

術式による年齢制限について

移植は脳死移植・生体移植の2種類に分かれ、術式には片肺移植と両肺移植という2種類がありますが、移植の種類と術式によって年齢の上限が設定されています。

各移植の適応となる年齢制限

脳死肺移植の場合

・両肺移植:55歳未満

・片肺移植:60歳未満

生体肺移植の場合

・65歳未満

(それぞれの移植の違いは記事2『肺移植の成功率・生存率を向上させるには―移植手術に求められるもの』を参照)

その他、肺移植の適応には下記のように細かい条件が設けられています。

  • 癌などの悪性腫瘍がない、あるいは治癒していること
  • 肺以外の臓器に異常がないこと
  • 肺以外に感染症がないこと

(京都大学呼吸器外科より引用)