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心臓弁膜症の症状。その動悸や息切れは病気のサインかも
心臓弁膜症を発症すると、全身に血液を十分に送り出すことができず、息切れや疲れやすさ、呼吸困難などの症状が起こります。それと同時に、心臓は全身から戻ってくる血液を受け入れることができなくなってくる...
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心臓弁膜症の症状。その動悸や息切れは病気のサインかも

公開日 2018 年 07 月 26 日 | 更新日 2018 年 09 月 18 日

心臓弁膜症の症状。その動悸や息切れは病気のサインかも
福田 宏嗣 先生

獨協医科大学 心臓・血管外科学 教授

福田 宏嗣 先生

目次

心臓弁膜症を発症すると、全身に血液を十分に送り出すことができず、息切れや疲れやすさ、呼吸困難などの症状が起こります。それと同時に、心臓は全身から戻ってくる血液を受け入れることができなくなってくるため、顔や足などのむくみも現れます。今回は、心臓弁膜症の代表的な症状について、獨協医科大学病院 心臓・血管外科診療部長である福田宏嗣先生にお話を伺いました。

※心臓弁膜症の種類や原因については、記事1『心臓弁膜症の原因は?加齢やリウマチ熱が原因となる』で詳しく解説しています。

心臓弁膜症の主な症状

心臓

心臓弁膜症には、主に「大動脈弁狭窄症・大動脈弁閉鎖不全症・僧帽弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症・三尖弁閉鎖不全症」があります。心臓弁膜症のなかでも、弁がうまく開かず血液が流れにくくなるものを狭窄症、弁の締まりが悪くなって血液が逆流してしまうものを逆流症といいます。

このように、心臓弁膜症では血液がスムーズに流れなくなることで、体にさまざまな症状が起こります。ここからは、すべての心臓弁膜症に共通して起こる症状や、種類別に特徴的な症状について解説します。

息切れ・疲れやすさ

心臓は全身に血液を送り出すポンプのような役割を担っています。そのため、心臓弁膜症を発症すると、心臓のポンプ機能が低下して全身に血液がうまく送り出せなくなる「心不全」の状態となります。

心不全の症状は、軽いものから重いものまでさまざまですが、はじめにみられる症状として、息切れや疲れやすさが挙げられます。しかし、これらの症状は病気ではなく加齢によるものだと思われる方が多く、受診が遅れるケースも多々あります。

また、このような心不全症状は、すべての心臓弁膜症に起こる可能性があります

胸の痛み・失神

大動脈弁狭窄症では、胸の痛みや失神が起こることがあります。また、胸の痛みは狭心症(冠動脈が狭くなる病気)の代表的な症状でもあるため、狭心症と勘違いされることも少なくありません。

心房細動による動悸

僧帽弁閉鎖不全症や僧帽弁狭窄症では、心房細動が起こる可能性があります。心房細動とは、心房が小刻みにけいれんする不整脈の一種です。

たとえば、僧帽弁閉鎖不全症で血液の逆流が起こると、左房に余分な血液が流れ込み、左房がだんだんと拡張していきます。左房には心臓を規則正しく動かすために調律をとる機能があるため、左房に負担がかかるとその機能に不具合が生じ、心房細動を発症します。

心房細動の主な症状として、動悸や脈が飛ぶ感じなどが現れます。また、なかには吐き気などの症状が起こる方もいます。

心臓弁膜症が進行したときの症状

心不全の悪化や肺うっ血による呼吸困難など

心臓弁膜症が進行すると、心不全の悪化に伴う症状が現れます。たとえば、はじめは息切れや疲れやすさだけだったものが、長い距離を歩くことができなくなったり、体を思うように動かすことができなくなったりすることがあります。

また、心不全の悪化とともに、肺に血液が溜まる「肺うっ血」も起こります。

たとえば、左房や左室で血液が渋滞すると、その手前にある肺にも血液が溜まってしまいます。肺に血液が過剰に溜まると、血管内から血管外へ水分が漏れ出して、肺が水に溺れているような状態になってしまいます(肺水腫といいます)。すると、肺は酸素を十分に取り込むことができなくなってしまうため、うまく呼吸ができなくなり、安静にしていても呼吸がしづらくなることがあります。

全身のむくみ、肝臓の腫脹

肺うっ血で肺に血液が溜まってしまうと、その手前にある右室でも血液が滞ってしまいます。すると、右室と右房の間にある三尖弁に圧力がかかり、変性して三尖弁閉鎖不全症となってしまいます。三尖弁閉鎖不全症を発症すると、右房が血液でパンパンになってしまうため、全身から戻ってくる血液を受け入れることができなくなってしまいます。

すると、右房の手前にある首や顔面だけでなく、腹部や足のむくみが現れます。また、肝臓からの血液も受け入れることができなくなるため、肝臓が腫れる症状が現れることもあります。

心臓弁膜症が診断されるきっかけは?

聴診で心雑音が聞こえたら心臓弁膜症を疑う

聴診

心臓弁膜症は発見しやすい病気で、健康診断や人間ドッグなどで行う聴診でみつけることができます。心臓弁膜症を発症している場合には、確実に心雑音が聞こえます。また、他の病気の検査のために聴診をしたときに、たまたま心臓弁膜症がみつかるケースも多いです。

しかし、聴診を受ける機会がない場合には、動悸や息切れ、疲れやすさなどの症状が出てはじめて心臓弁膜症が発見されることが多いです。

心臓弁膜症は早期発見・早期治療が重要

症状が出ているとき、すでに心臓の機能は大きく低下している可能性も

心臓は命にかかわる重要な臓器のため、何か問題が生じても代わりに全身に血液を送り出すことのできるよう、十分な代償機能が備わっています。つまり、心臓に何らかの異常があったとしても、症状として表に現れにくくなってしまっているのです。そして、息切れや動悸などの症状が現れる頃にはすでに心臓の機能が悪くなっていることが多く、その状況で手術を行っても、一度低下してしまった心臓の機能を完全に回復させることは困難です。そのため近年では、心臓弁膜症の手術を行うタイミングがどんどん早まっており、症状がでないうちに手術を行うことが主流となってきました。このように、心臓弁膜症は症状が出る前に発見し、早期に治療を開始することが非常に重要です。

息切れや疲れやすさを年齢のせいにしないで

福田宏嗣先生

心臓弁膜症の代表的な症状である、動悸や息切れ、疲れやすさなどを「年のせい」「仕事が忙しいから」と思われる方が多くいます。しかし、これらの症状は何らかの病気のサインの可能性もあります。ですから、ご自身で理由を決めつけるのではなく、一度病院に受診していただくことをおすすめします。先述したように、心臓弁膜症は簡単な聴診検査でみつけることができます。このとき、小さな心雑音でも拾い上げることができれば、早期診断・早期治療を行うことが可能です。そのため、少しでも気になる症状があれば積極的に病院を受診してください。また、症状がなくても、定期的に健康診断や人間ドッグを受けて、心臓弁膜症の早期発見に努めていただきたいと思います。
 

心臓弁膜症(福田 宏嗣先生)の連載記事

1986年広島大学医学部卒業後、心臓血管外科医師としてのキャリアを開始し、臨床経験を積み上げる。その後、1998年ニュージーランドGreen Lane Hospitalへ留学、2000年にはオーストラリアAlfred Hospitalへ留学。2008年獨協医科大学胸部外科学准教授、2010年獨協医科大学心臓・血管外科学教授に就任。「治療の恩恵を受けられていない多くの方々に、新しい治療を届けたい」との想いで日々の診療に従事している。

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