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未破裂脳動脈瘤の治療の流れと注意すべきこと

未破裂脳動脈瘤の治療の流れと注意すべきこと
メディカルノート編集部 [医師監修]

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この記事の最終更新は2019年02月18日です。

脳の血管に発生する未破裂脳動脈瘤は、健康診断脳ドックなどで偶然みつかることがあります。発見されたら、手術または経過観察のどちらが適しているかを判断し、破裂の予防に努めることが大切です。手術をした場合は術後の経過にも注意が必要です。

本記事では、未破裂脳動脈瘤の治療の流れと、経過観察する場合の注意について解説します。

カルテに記入する医師

未破裂脳動脈瘤の治療の進め方は外来診療で決定します。難しい手術が必要になるのか、手術による危険はないのかといったことを確認し、患者さんやご家族の様子も見ながら総合的に判断します。

未破裂脳動脈瘤の手術は一般的に、2時間半~3時間程度で終了します。麻酔をかけるときや、麻酔をさますとき、血管撮影などに時間がかかりますが、手術そのものはおよそコイル塞栓術で1時間、クリッピング術で2~3時間で終了します。たとえば、朝9時に手術室に入ったら、昼前から昼過ぎには手術が終わります。

未破裂脳動脈瘤の手術後には、ふらつき、しびれ、記憶力障害、麻痺などの後遺症が生じることがあります。

また、コイル塞栓術を受ける方は、血小板のはたらきを抑えて血液をサラサラにする「抗血小板剤」の服用が必要です。手術の約10日前から1剤を服用し、およそ3か月で服用を終了します。ステントを併用するコイル塞栓術では、長期にわたる2剤の服用が必要です。

未破裂脳動脈瘤の手術をしたあとは、1か月後にまた外来診療に来ていただき、画像検査を行います。実施した手術がクリッピング術の場合はCT検査を行い、慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)という、脳を包む膜と脳との間に血がたまる病気の有無などを調べます。コイル塞栓術の場合は、二方向から撮影するレントゲン検査を行います。挿入したコイルの形状に変化がみられれば、再発していることなどが分かります。

予防的手術をしても脳動脈瘤が再発する可能性はあります。コイル塞栓術を行ったあとでは、根元が少しだけふくらんでくる軽微な再発が起こることがあり、その確率はおよそ20%といわれています。再発といっても、多くの場合は再治療せずに経過観察となります。クリッピング術を行ったあとでも軽微な再発が起こる可能性はありますが、コイル塞栓術を行った場合よりも再発率は低くなります。

手術の方法によって再発率に差が出る理由は、使用する器具の違いによるものです。クリッピング術ではクリップを使って脳動脈瘤の根元を挟むため、根元までしっかりと処理することができます。一方、コイル塞栓術では、根元の処置が少し甘くなる傾向があります。どちらの手術後も、軽微な再発が起こったときは様子をみることが多いです。

薬を飲むシニア男性

未破裂脳動脈瘤を経過観察することになった患者さんは、脳動脈瘤の破裂を防ぐために、日常生活でいくつか注意しておくとよい事があります。たとえば、血圧のコントロールは十分にすること、排便時などに力まないこと、過度のカラオケやコーラスに注意すること、飲酒・喫煙を控えることなどが挙げられます。

眠っている間に何回か呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」という病気がある方は、心肺系に負担がかかって血圧が上昇しやすいため、高血圧を合併しやすいといわれています。未破裂脳動脈瘤は血圧のコントロールが大切であるため、睡眠時無呼吸がある方はきちんと治療を受けるようにしましょう。

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