インタビュー

【特集】 アレルギー性結膜炎とは-花粉やダニが原因となる目の病気

【特集】 アレルギー性結膜炎とは-花粉やダニが原因となる目の病気
海老原 伸行 先生

順天堂大学医学部附属浦安病院 眼科教授

海老原 伸行 先生

花粉症の季節になると、目がかゆくなったり充血する方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。花粉症による目のかゆみや充血などは、正式には季節性アレルギー性結膜炎といいます。順天堂大学医学部附属浦安病院眼科 教授 海老原伸行先生に、アレルギー性結膜炎とはなにか、その原因についてお話しいただきました。

アレルギー結膜疾患には次のようなものがあります。

  1. 季節性アレルギー性結膜炎(花粉性のアレルギー性結膜炎:花粉症
  2. 通年性アレルギー性結膜炎
  3. 春季カタル
  4. アトピー性皮膚炎に合併するアトピー性の角結膜炎
  5. 巨大乳頭性結膜炎(コンタクトレンズによって起こる)

これらのうち、⑴と⑵をアレルギー性結膜炎と呼びます。

アレルギー性結膜炎とは、目の表面に花粉やダニなどのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着して、結膜に炎症を起こす病気です。結膜は、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜のことをいいます。

粘膜と角膜
粘膜と角膜

人間の身体には、免疫と呼ばれる体内に入ってくる異物を排除しようとするしくみがあります。アレルギー体質のひとは花粉やダニに対し過剰に免疫反応を起こします。この過剰な免疫反応のことをアレルギー反応といいます。

花粉やダニが結膜に入り、アレルギー反応を起こすことでアレルギー性結膜炎が起こります。日本では国民の3分の1がスギ花粉症といわれている通り、アレルギー結膜疾患のなかでは季節性のアレルギー性結膜炎が大多数を占めています。

アレルギーを引き起こす主な物質には次のようなものがあります。

  • スギの花粉(1~5月)
  • ヒノキの花粉(3~5月)
  • カモガヤの花粉(5~7月)
  • ブタクサの花粉(8~10月)
  • 動物の毛(1年中)
  • ハウスダスト(チリ、ホコリ、ダニ、カビなど)(1年中)
  1. 結膜という部分が直接外界に接しており、抗原(アレルギーを引き起こす原因物質)が入りやすい
  2. 結膜には肥満細胞などのアレルギー反応を引き起こす免疫系の細胞がたくさん存在しているため、免疫反応が起こりやすい
  3. 結膜には血管がたくさんあり、全身から免疫反応を起こす肥満細胞や好酸球などが血管を通して結膜にひろがってくるため

ただし、抗原は目に直接触れる以外に鼻を通して吸い込むことによってもからだに入り、全身のアレルギー反応の一症状として目に症状が出ることも少なくありません。

アレルギー反応が起こる部位はひとによってさまざまです。一般的に目や鼻は外界に接しているため、アレルギー反応(アレルギー性結膜炎アレルギー性鼻炎)が起こりやすいといえます。しかしながら、気管支喘息(気道のアレルギー反応)や食物アレルギーアトピー性皮膚炎などのようなアレルギー反応も存在し、どの部位にアレルギー反応が起こるのか原因はわかっていません。

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