院長インタビュー

周産期医療や救急医療を中心に総合病院として地域に貢献する東京都立大塚病院

周産期医療や救急医療を中心に総合病院として地域に貢献する東京都立大塚病院
三部 順也 先生

地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立大塚病院 院長

三部 順也 先生

目次
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地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立大塚病院(以下、大塚病院)は、周産期医療や救急医療に重点を置いた総合病院です。一次脳卒中センター認定施設として脳卒中の治療にも注力しており、地域医療支援病院として地域医療に貢献しています。また、“大塚モデル”と名付けられた産婦人科地域医療連携システムを展開し、特にハイリスク分娩を積極的に受け入れています。同院の医療に対する考え方、注力する診療科などについて、院長の三部 順也(みべ じゅんや)先生にお話を伺いました。

大塚病院外観
大塚病院外観(写真提供:東京都立大塚病院)
 

当院は1929年6月に東京市立大塚病院として開設し、都政が施行されて東京都民生局に移管した1943年7月に名称を東京都立大塚病院に変更しました。そして、2022年7月に運営母体が東京都から地方独立行政法人に移行し、現在に至ります。

総合病院として各診療科の充実はもちろん、救急医療や災害医療、また周産期医療に重点を置き、さらに地域医療支援病院として、かかりつけ医と連携を図りながら地域の医療を支えています。

当院の救急診療科は、東京都指定二次救急医療機関として“断らない救急”を目指しており、小児の患者さんから高齢の患者さんまで幅広く救急医療を提供しています。また、総合周産期母子医療センターとして、母体搬送や新生児搬送の面でも広く周産期医療に対応することが可能であり、さらに小児救急においても24時間365日診療が可能な体制を整えています。

救急外観
救急外来入口(写真提供:東京都立大塚病院)​​​​​​

当院は、豊島区で唯一の災害拠点病院としての役割を担っています(2024年1月現在)。そのため、災害時における傷病者の受入れや、医療救護班の派遣なども行っています。

総合周産期母子医療センターとして、産科外来、産科病棟、母体・胎児集中治療室(MFICU)9床、新生児集中治療室(NICU)15床を備え、さらに新生児回復期治療室(GCU)30床、患者・地域サポートセンターと協力し、周産期医療にあたっています(2024年1月時点)。主にハイリスク患者さんを対象に医療を提供しており、緊急の帝王切開手術や各種合併症をお持ちの患者さんの対応などが可能なほか、超低出生体重児、極低出生体重児の診療なども行っています。当院は、総合病院としてほかの診療科や他職種と連携し、そのメリットを生かした周産期医療の提供が可能となっています。

NICU
新生児集中治療室(NICU)
(写真提供:東京都立大塚病院)

内科・外科では、より専門的かつ総合的な対応が可能となるよう、診療科の細分化を図りました。内科は総合内科、消化器内科、腎臓内科、糖尿病内科、血液内科、脳神経内科、呼吸器内科、循環器内科、外科は消化器外科、呼吸器外科、乳腺外科などがそろい、幅広い分野に対応しています。

当院は、一次脳卒中センターとして認定されており(2024年1月時点)、脳血管障害に対しての治療を24時間体制で行えるよう調整しています。たとえば、脳梗塞に対して発症4.5時間以内に行うt-PA療法や血栓回収療法、くも膜下出血に対する開頭クリッピング術あるいは血管内治療などが挙げられます。また、脳血管内治療外来も設けており、脳卒中の治療には特に注力しています。

泌尿器科・尿路結石センターでは、尿路結石、がん排尿障害を中心に診療を行っています。また、前立腺肥大症に対する新しい治療法(経尿道的水蒸気治療)なども取り入れ、尿路結石については治療が難しい例にも対応しています。

整形外科には関節疾患治療センターが併設されており、人工関節(膝、股)の手術や脊椎(せきつい)の手術を積極的に行っています。侵襲性(しんしゅうせい)の低い手術と多角的な疼痛(とうつう)管理により痛みの少ない治療を目指しています。また、関節リウマチの診療も行っています。

小児科では、アレルギーや内分泌・思春期成長など複数の専門外来を行っています。また、児童精神科や小児外科の設置、重症心身障害児医療などにも取り組んでおり、さまざまな病状の小児患者さんに対応できるよう努めています。さらに、前述のとおり小児救急においては、24時間365日対応可能な体制を整えています。

当院では、2003年に“女性専用外来”を開設し、女性特有の症状に対する医療を行ってきました。2019年より、この女性専用外来をリニューアル・拡充して“女性総合外来”とし、女性の思春期~妊娠・出産・子育て~更年期~老年期までライフステージに応じた女性医療を展開しています。

病棟
病棟(写真提供:東京都立大塚病院)

当院では、産婦人科の領域で“大塚モデル”と呼ばれる連携システムを展開しています。これは当院のある豊島区と文京区を中心に産婦人科と連携し、通常分娩はかかりつけ医のもとで、ハイリスク分娩は当院で対応するという役割分担を進めることで周産期医療をより有効的に展開することが目的です。この取り組みにより、患者さんが住み慣れた地域で安心して子どもを産んで育てることのできる環境を構築したいと考えています。このように、連携協力医の皆さんとともに組織だって地域連携を推進する体制を備えていることは、当院の大きな強みの1つです。

地域医療支援病院として、地域の医療機関から紹介患者さんを積極的に受け入れ、またMRIやCTなどの検査は医療機関からインターネットで予約を受け付けるなど、地域医療を支えています。

当院では患者さんとそのご家族のために、医療福祉、出産や育児、看護のことなどを相談できる窓口として患者・地域サポートセンターを設置しています。入院などに関することはもちろん、どの診療科を受診すればよいか分からない、退院後にかかりつけ医がいないなど、さまざまな悩みや問題に寄り添いサポートを行っています。患者さんが安心して当院をご利用いただけるように心がけながら、スタッフ一同サポートしていますので、まずはお気軽に患者・地域サポートセンターをお訪ねください。

患者・地域サポートセンター
患者・地域サポートセンター(写真提供:東京都立大塚病院)

当院は、総合病院としてさまざまな診療科で幅広い診療を行うとともに、救急医療も積極的に行っており、脳卒中をはじめ救急対応が必要な病気も受け入れています。

また、総合周産期母子医療センターとして、ハイリスクな妊娠・出産などにも取り組んでいます。今後も地域医療支援病院として地域を支えながら引き続き安心安全で適切な医療を提供できるよう、努めてまいります。

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  • 地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立大塚病院 院長

    三部 順也 先生

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