院長インタビュー

患者さんの不安に寄り添い、最後まで診る。各分野を専門とする医師が集う北海道脳神経外科記念病院

患者さんの不安に寄り添い、最後まで診る。各分野を専門とする医師が集う北海道脳神経外科記念病院
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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北海道札幌市西区にある北海道脳神経外科記念病院は、地域の急性期医療を支える病院として、脳卒中から脊椎(せきつい)脊髄疾患(せきずいしっかん)まで幅広く診療を担っています。院長室のドアを常に開け放ち、スタッフが働きやすい環境づくりにも心を配る小柳(こやなぎ) (いずみ)院長は、日々診察室で患者さんと笑顔で向き合い続けています。小柳先生に、病院の歴史や独自の強み、そして日々の診療で大切にしている思いを伺いました。

当院は1983年、北海道大学の脳神経外科で初代教授を務められた都留(つる) 美都雄(みつお)先生のご退官を記念して、お弟子である三森(みつもり) 研自(けんじ)先生が設立されたのが始まりです。開院当初から都留先生、三森先生の「患者さん第一の精神」を大切に受け継ぎながら、地域の急性期脳神経外科医療をしっかりと支えてきた歴史を持っています。

北海道脳神経外科記念病院 外観(北海道脳神経外科記念病院ご提供)
北海道脳神経外科記念病院 外観(北海道脳神経外科記念病院ご提供)

その後、時代の変化に合わせてより質の高い医療を提供するため、2012年4月に現在の西区八軒へ新築移転を行いました。この移転を機に、血管内治療の設備を充実させたり、脊椎脊髄センターや回復期リハビリテーション病棟を新たに開設したりと、病院の機能を大きく強化しています。さらに、パーキンソン病をはじめとする神経内科疾患の診療体制も整えられ、現在の当院の特徴となる幅広い診療の土台ができ上がりました。

北海道脳神経外科記念病院内観(北海道脳神経外科記念病院ご提供)
北海道脳神経外科記念病院 内観(北海道脳神経外科記念病院ご提供)

私たちは急性期の脳神経外科病院として、脳卒中の治療に全力で取り組んでいます。それだけでなく、脳腫瘍(のうしゅよう)など様々な脳・脊髄疾患を、しっかりと診ることができる体制も整えており、顔面けいれん三叉神経痛(さんさしんけいつう)といった機能的脳神経外科と呼ばれる分野の手術も行っています。救急の患者さんも積極的に受け入れており、脳神経外科として幅広い病気に対応している点が、当院の特徴です。

そうした幅広い診療の中で、特に大きな特徴となっているのが脊椎や脊髄の病気への対応で、二分脊椎や係留脊髄症候群、脊髄空洞症といった希少な病気の治療も行っています。私がこちらに赴任してから少しずつ体制を強化し、今では年間に行う手術全体の約6割を脊椎・脊髄関係が占めるようになりました(2025年1月-12月)。
脊椎・脊髄の病気の症状と考えられる首や腰の痛み、手足のしびれで困って来院される方がいらっしゃれば、MRIやCTの画像だけでなく、患者さんの神経の症状を丁寧に確認してつき合わせて診断します。それにより、どの神経が原因で痛みが出ているのかを見極め、ピンポイントで症状を取り除くような、体への負担をできるだけ抑えた手術を心がけています。
手術では顕微鏡を用い、神経を圧迫しているヘルニアや骨棘だけを取り除く「除圧術」を基本としています。体に金属を入れ、メスの入る範囲が広くなりがちな固定術はできるだけ行わず、患者さんの体への負担を抑え、早期離床・早期回復を目指しています。

当院の脳神経内科には日本神経学会が認定した神経内科専門医(以下、神経内科専門医はこれを指す)が複数名在籍しており、専用の病棟も備えています。たとえば、脊椎の病気だと思って受診された患者さんを詳しく診察してみると、実はパーキンソン病などの神経難病が隠れていたというケースも珍しくありません。
そのようなまったく異なる病気が疑われる場合でも、すぐに院内の脳神経内科の医師に相談して連携することができます。多様な角度から症状の原因を探り、原因が分からない症状で悩む患者さんにも適切な治療の道筋をつけられるよう多様な角度から症状の原因を探る体制があることは、当院の大きな強みといえるでしょう。

また当院の特徴として、脊髄損傷の救急患者さんを積極的に受け入れていることが挙げられます。脊髄損傷は呼吸管理をはじめとする全身管理が重要となるため、専門的な治療体制を備えた医療機関での対応が必要です。
当院はこれまで培ってきた知識と経験を生かし、緊急で手術を行うべきか、あるいは状態を落ち着かせてから治療にあたるべきかを判断し、夜間に救急車で運ばれてくるような重症の方もできる限り断らずに受け入れる体制を整えています。

当院では治療を終えた後のサポートも大切にしています。急性期の治療を行っている病院では、手術が終わった後、別の病院へ転院いただいてリハビリテーションを続けていただくケースが少なくありません。しかし当院には回復期リハビリテーション病棟があり、手術後も転院を挟むことなく、そのままリハビリテーションを続けられます。
この体制は、患者さんを最後まで責任を持って診たいという私の思いにも合致しています。退院してご自宅に戻られるその日まで、一貫して支えられることは、患者さんにとっても大きな安心につながるはずです。

当院には、日本専門医機構や各学会が認定する脳神経外科専門医や脊椎脊髄外科専門医、すでに述べた神経内科専門医など、それぞれの分野の専門医たちが集まっています。彼らがのびのびと力を発揮するためには、働きやすい環境を作ることが何より重要です。そのため私は、誰かの悪いところを指摘するのではなく、よいところを見つけて伸ばすというマネジメントを心がけています。
また、院長室のドアは常に開け放ち、医師だけでなく看護師などのスタッフもふらっと相談に来られるような、風通しのよい雰囲気を作っています。自分が過去にされて嫌だったことは決して部下にはしないと決めており、皆が気持ちよく働ける病院を目指しています。

こうした環境の中で、医師たちはそれぞれの持ち味を生かした特色ある診療を行っています。たとえば吉本(よしもと) 哲之(てつゆき)副院長は、脳血管障害の手術を専門としながらも、頭痛の診療にも詳しく、当院で頭痛外来を担当しています。さまざまなタイプの頭痛を見極め、一人ひとりに適した治療を提供してくれる医師です。
また鴨嶋(かもしま) 雄大(ゆうた)先生は、脳腫瘍の治療に加えて、顔面けいれん三叉神経痛の外科治療に取り組んでいます。再発を伴うような複雑なケースにも、経験に基づいて丁寧に対応してくれる頼もしい存在です。
一部しか紹介できていませんが、こうした専門的な知識と技術を持つ医師たちがそろっているからこそ、当院はさまざまな患者さんのお悩みにしっかり応えられるのだと考えています。

長年医師を続けてきて、根底にあるのは困っている方を何とか助けたいというシンプルな思いです。
大学病院に勤めていた頃は、患者さんを最後まで診続けることができないもどかしさを感じていました。だからこそ、今の134床という規模感で、患者さんを最初から最後までしっかりと診ていきたいと考えています。患者さんは病気で不安だからこそ、同じことを何度も聞いてこられることがあります。それにお答えして、大丈夫ですよと伝えること自体がお薬と同じで、治療の1つの形だと私は思います。

だから私は、いつでもニコニコと笑顔で患者さんとお話しするようにしています。もしご自身やご家族のことで何か困ったこと、心配なことがあれば、決しておひとりで悩まずに、いつでも当院にいらしてください。

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