インタビュー

アトピー性皮膚炎とともに生きる―日常生活のポイント

アトピー性皮膚炎とともに生きる―日常生活のポイント

国立成育医療研究センター 神経内科

室伏 佑香 先生

石黒 精 先生

国立成育医療研究センター 教育センター センター長/臨床研究センター 副センター長/臨床研究教...

石黒 精 先生

目次
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この記事の最終更新は2015年07月23日です。

アトピー性皮膚炎には、体質や生活環境など様々な要因があるため、回復の過程に個人差があります。強いかゆみを伴い、経過が長い場合は、前向きな気持ちで治療を継続できないこともあります。特に皮膚症状は見た目にも分かりやすいため、こどもにとっても親にとってもストレスになってしまいます。

しかし、アトピー性皮膚炎は気長に治療を続けることが重要です。適切な治療やケアを行うことで、少しずつ症状が改善していきます。掻くことを厳しく注意するのではなく、「掻かなかったときに褒めてあげる」というような、穏やかな気持ちで接することが有効です。ストレスも悪化因子の一つとなりますので、まずは子どもにとって快適な環境を整えましょう。

スキンケアの基本は、皮膚を洗うことで刺激物(汗、皮脂、細菌、アレルゲンなど)をしっかりと落とし、保湿剤や外用薬の塗布を適切におこなうことです。1日2〜3回のスキンケアが望ましいです。

皮膚を洗う際には、よく泡立てた石けんで、もむようにしっかりと全身を洗うことが大切です。しわのあるところは伸ばして、目や耳の周りも丁寧に洗い、石けんが残らないように洗い流します。洗った後は、必ず外用薬や保湿剤を塗るようにします。

保湿剤は皮膚のきれいな状態を維持するために非常に重要です。もし塗布しても症状に改善が見られない場合は、保湿効果が弱い可能性や皮膚に合わない成分が含まれている可能性があります。医師に相談してください。

バランスのよい食生活を心がけましょう。特定の食べ物を食べた後に湿疹が悪くなる場合や、その他のアレルギー症状(じんましん、咳、呼吸困難、腹痛、嘔吐など)がみられるような場合は医師に相談してください。アレルギー検査や、食物除去などが必要になることがあります。

ただし、自己判断で食物を除去したり、離乳食の開始を遅らせたりすることは、栄養の偏りや成長障害を引き起こすばかりでなく、かえって食物アレルギーの発症や悪化の要因となる可能性があるため、まずは医療機関で相談することが重要です。

アトピー性皮膚炎を悪化させる要因として、ダニ・ハウスダスト・カビ・ペットの毛やフケなどが挙げられます。

ダニの多い場所は、布団・カーペット・布製ソファー・ぬいぐるみなどです。家の中はダニにとって快適な環境で、一年中生息しており、生きているダニだけでなくダニの死骸も皮膚症状悪化の原因となります。毎日の掃除が対策の基本です。布団の天日干し・布団乾燥機での乾燥・高密度線維防ダニカバーの使用などが推奨されています。

カビは湿気の多い浴室や台所に多くみられます。よく換気をして、湿気のこもる環境をつくらないことが重要です。エアコンフィルターの掃除もこまめにおこないましょう。

ペットの毛やフケもアレルゲンとなります。ペットを飼っている場合は特にきれいに掃除することが必要になります。

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  • 国立成育医療研究センター 教育センター センター長/臨床研究センター 副センター長/臨床研究教育部長(併任)/血液内科診療部長(併任)

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