たんぱくろうしゅつせいいちょうしょう

蛋白漏出性胃腸症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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蛋白漏出性胃腸症では、タンパク質が消化管の内腔へと失われますが、特に分子量の小さいアルブミンやIgGといったタンパク質が喪失されることが多いです。蛋白漏出性胃腸症は、数多くの病気を原因として発症します。たとえば、消化管の粘膜にびらんや潰瘍が存在すると、損傷を受けた消化管粘膜からタンパク質が喪失されることになります。こうした病態を示す疾患には、クローン病潰瘍性大腸炎に代表される炎症性腸疾患胃がん悪性リンパ腫、化学療法による消化管粘膜損傷などがあります。

また、消化管粘膜には大量のリンパ管が存在しており、リンパ管内にもタンパク質は流れています。リンパ管の流れが滞る状況に陥るとリンパの流れがせき止められることになり、リンパ管内の蛋白質成分が消化管内腔内に漏れ出てくることになります。この病気の代表は、先天性心疾患収縮性心膜炎などの右心不全肝硬変、肝静脈閉塞、腸リンパ管拡張症、腸サルコイドーシス、後腹膜線維症などが含まれます。

また、前者のいずれにも相当しない病態であっても、腸の粘膜からの透過性が亢進するためタンパク質が消化管内腔に漏れ出てくることもあります。具体的には、セリアック病、熱帯スプルー、メニトリエル病、アミロイドーシス、自己免疫性疾患(SLE関節リウマチなど)、アレルギー性胃腸症、好酸球性胃腸炎などがあります。ただしこれら病態が明確に区別できることばかりではなく、同じ病気であっても複数の機序から蛋白漏出性胃腸症を発症していることもあります。

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