院長インタビュー

患者さんの人生全てに寄り添うための取り組みを続ける、東北公済病院

患者さんの人生全てに寄り添うための取り組みを続ける、東北公済病院
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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1951年3月に開院した東北公済病院は、開院当初は4診療科・20床という小さな病院でしたが、2024年8月現在では21診療科・385床を有するまでになり、仙台医療圏の急性期医療を担う医療機関の1つとして、地域の皆さんの健康と生命を守る使命を果たしています。

そんな同院の強みや、力を入れている取り組みなどについて、院長の仁尾 正記(にお まさき)先生にお話を伺いました。

東北公済病院は1951年3月に開院した、東北で唯一のKKR(国家公務員共済組合連合会)病院です。元々は国家公務員やその家族のための病院でしたが、当院が仙台市の中心部に位置しているということもあり、地域の方々への医療提供も早い時期から始めておりました。

開院当初は内科・外科・耳鼻科・歯科の4診療科と20床の病床しかない小規模な病院でしたが、1959年の本館竣工や1979年の外来棟竣工などで規模を拡大し続け、2016年には、東日本大震災で大きく損壊した東北公済病院宮城野分院と統合。2024年8月現在は21診療科と385床の病床、さらに健康医学センター(健診・人間ドック)なども有する総合病院となっています。

東北公済病院宮城野分院が慢性期治療をメインにしていたこともあって、統合後は当院で急性期のみならず回復期や慢性期の患者さんや腎透析の患者さんの受け入れも行っております。さらに、医療・介護が連携しサービス提供をする地域包括ケアにも取り組むなど、“人生全てのステージに対応できる病院”となれるよう、地道な努力を重ねております。

当院は女性の入院患者さんのプライバシーを守るための女性専用病棟を設けている、女性にやさしい病院です。

乳腺外科において、乳がん手術件数は東北でも非常に多くなっており、また女性専用病棟の中には形成外科と連携して乳腺疾患に関わる治療を一貫して行える乳腺治療・再建センターがあります。乳房再建に関する患者会をオンラインで開催し、さらにリンパ浮腫のある患者さんに対して日々のセルフケアを指導したり、リンパドレナージ施術を実施するリンパ浮腫外来も設けております。

他にも、3月1日~8日の女性の健康週間に合わせて、1日ドッグや腫瘍(しゅよう)マーカーセット・乳がん検診子宮がん検診などをセットにした健診パックを割引価格で提供する“レディースウィーク”を3月上旬に行ったり、地元仙台の女性サッカークラブ・マイナビ仙台レディースのチームドクターでもある医師が中心となって2018年に東北初となる“女性アスリート外来”を開設したりと、女性を対象にした医療を広げているところです。

また当院は、2005年に宮城県内の医療機関として初めてUNICEF・WHOから、母乳育児成功のための10カ条を実践している“赤ちゃんにやさしい病院(Baby-Friendly Hospital=BFH)”の認定も受けました。産科・母子センターにおいては母乳育児支援を診療に取り込んでおり、退院後も産後健診や母乳育児相談室、電話相談などによるサポートを行っております。

さらに同センターでは“妊婦さんや産後のお母さんがリラックスできる環境づくり”にもこだわり、病室は広いベッド周りを確保した個室や準個室を多く設け、2023年5月には陣痛期から分娩回復期まで同じ部屋で過ごせるLDR(Labor:陣痛、Delivery:出産、Recovery:回復)も新設しました。初産婦さんを対象とし、妊娠週数に応じて4つのクラスに分けた母親教室“すこやかクラス”も開催しており、人生の特別なステージであるご出産をできる限り支援させていただいています。

当院は仙台医療圏の二次救急医療機関として年間2,000台以上の救急車を受け入れておりますが、その中でも強みとしているのが“腹痛を訴える患者さんの救急医療”です。

仙台市には数多くの医療機関があるものの、実は消化器内科・消化器外科・産婦人科・泌尿器科などといった“腹痛との関連が深い科”が全て揃っている医療機関の数は限られています。当院にはこれらの科が全て揃っており、腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)センターも有しております。そして各科の連携もスムーズですので、腹痛を訴える患者さんを幅広く、そして迅速に診療することが可能です。

腹痛でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

当院は地域の医療機関との連携にも力を入れております。当院にはおもに仙台医療圏の急性期医療に対応しているため、急性期病床が多く、地域包括ケア病床や回復期リハビリテーション病床はあるものの当院だけで全ての患者さんに総合的な診療を行うことは困難です。地域の医療機関がしっかり連携し、各々が得意とする分野や機能を生かしていくことによって“本当の意味での、地域全体での総合的な患者さん診療”ができるようになるのです。

そうした考えのもと、当院ではかかりつけの先生方と連携するための地域医療センターを設置するだけでなく、当院及び西仙台病院、広瀬病院、光ヶ丘スペルマン病院、貝山中央病院、仙台中江病院、早坂愛成会病院の計7院で構成する病院ネットワーク“光彩ネットワーク”も立ち上げました。

ネットワーク内では通常の診療連携だけでなく、他院の看護師さんに当院に来ていただく、オンライン交流を行うなどの看護師間の連携も推進しており、今後他の分野でもさらなる連携強化を目指しております。

当院では地域の皆さん、患者さんに寄り添う病院として、悩みや不安などを打ち明けていただくための相談窓口を、院内だけでなく院外も対象に設置しています。

まず当院のI号館1階には、健康や医療、介護などに関する幅広い悩みや不安に対する相談を対面または電話で受ける“なんでも相談室”がございます。なんでも相談室には看護師長クラスのベテラン看護師が配置されており、当院の患者さんはもちろんのこと、当院で診療を受けたことがない方の相談にも応じております。

院外では、当院から徒歩数分のところに、地域の相談室として“光彩通り保健室 ささえて”があり、こちらも健康や医療、介護をはじめとした地域の皆さんからの幅広い相談を受け付けております。相談内容によっては、必要に応じて病院の紹介をさせていただいており、多くの方から好評をいただいています。

なんでも相談室と光彩通り保健室 ささえて、どちらも相談は無料ですし秘密は厳守いたしますので、どうぞ安心してご利用ください。

当院は広く情報発信をすることも心がけており、ホームページ上でさまざまな病院情報の公表をしているだけでなく、公式LINEアカウントでの最新情報の発信や、YouTubeでの健康・医療・採用情報の発信などもしております。

さらに院外に設置している地域の相談室“光彩通り保健室 ささえて”では、ささえて健康講座も開催しておりますので、こちらもぜひお気軽にご参加ください。

当院は地域の皆さんの健康と生命を守ることを使命としておりますが、それと同時に、地域の皆さんに大きく支えられている病院でもあると思っております。たとえば新型コロナウイルス流行時には、当院の施設や用意できるプレハブだけでは診療スペースが足りないという事態におちいりましたが、地域の方にテントを貸していただくなど、大きなご助力をいただけたこともあって何とか乗り越えることができました。

今後も当院の理念である“地域の皆さまから信頼され、安心して選択される病院”となることを目指し努力してまいりますので、変わらぬご支援とご協力をいただければ幸いです。

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