あくび:医師が考える原因と対処法|症状辞典

あくび

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • (主に糖尿病の人で)意識が遠のく、冷や汗、吐き気・嘔吐、手が震えるなどの症状がある

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 夜間眠れていない、眠れているのに熟睡感がない
  • いびき、睡眠中呼吸が止まっているなどを指摘されたことがある
  • あくびに伴って空腹感、冷や汗などの症状が起こることがある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 一時的なもので、睡眠を十分取るなどでよくなる

メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】

絶対あくびができない、会議中や授業中ほどあくびが出てしまうこともあります。それほど疲れていないはず、昨日はちゃんと寝たのに…という場合もあるでしょう。

  • 睡眠時間は取っているのに、日中あくびと眠気がつらい。
  • 家族があくびをし、冷汗をかいている。
  • あくびと共に、頭痛めまい、吐き気などがある。

こういった場合、思わぬ病気が隠れていることもあります。

あくびがとまらないという症状が慢性的なものの場合、以下のような病気が考えられます。

睡眠障害

自分では睡眠時間は確保しているつもりでも、眠りの質が低く体や脳が休めていないこともあります。もしくは、眠ろうとしてもなかなか寝付けない、すぐ目が覚めてしまう、といったこともあります。こういった睡眠に関する困りごとを睡眠障害と呼びます。不眠症では眠りに入ることが難しくなる場合や、中途で目が覚める場合などがあります。

睡眠障害
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睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)

睡眠の質が下がる原因の一つが、睡眠時無呼吸症候群です。睡眠中に息が止まり、体内の酸素が減ってしまうため、眠っているつもりでも体や脳が休息をとりにくい状態です。体重が多い人、上向きで寝る人、扁桃腺が腫れている人、お酒を寝る前に飲む人などに起こりやすいといわれています。眠っている間にいびきをかいているか、呼吸が止まっていないかを家族に確認してみましょう。気になる症状がある場合、耳鼻咽喉科や睡眠外来などで相談してみましょう。

睡眠時無呼吸症候群
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自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)

緊張状態にあるときにはたらく「交感神経」と、リラックスしているときにはたらく「副交感神経」を合わせて自律神経と呼びます。自律神経は、私たちが意識しないところで、常に体の臓器・血管などの働きを調整しています。この自律神経のバランスが崩れるとあくびが出やすくなることがあるといわれています。ほてり、汗、頭痛、動悸などさまざまな不快症状を伴うこともあります。

貧血

貧血では血液が薄くなり、十分な酸素を体に届けることができません。特に脳は大量の酸素を必要としますが、貧血により酸素不足になると、あくびをすることでより多くの酸素を取り込もうとします。目の粘膜や爪が白い、元気がない、息切れして運動がつらいといった症状が出ることもあります。

貧血
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低血糖

糖尿病があり血糖値を下げる薬を使用している方が、冷汗をかきあくびを繰り返している場面を見られたら、それは低血糖かもしれません。血糖値が下がり過ぎると、意識を失うこともあります。低血糖を疑ったら、粉砂糖・あめ・甘いジュースなどを摂り、病院を受診しましょう。

低血糖症
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熱中症

体温の異常な上昇、脱水、血液中のミネラルバランスの乱れがあると、あくびが出る場合もあります。吐き気が強く水分が取れない、意識がもうろうとしているなど場合などは、急いで病院を受診しましょう。

熱中症
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片頭痛

脳の血管が広がり過ぎることにより、ズキズキした頭痛の発作が生じる状態です。頭痛のおこる前兆としてあくびなどの症状が出ることがあります。

片頭痛
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脳梗塞

脳に酸素や栄養を送る血管が詰まり、脳の機能が低下する病気です。問題が起こる脳の部位によって、まひ・しびれ・感覚が分からない・しゃべれない・めまい・吐き気などのさまざまな症状が出ます。急にろれつが回らなくなった、水が飲み込めない、歩けない、体の片方だけ力が入らないといった症状がある場合は、急いで病院を受診しましょう。

脳梗塞
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昼間にあくびや眠気が強く、思うように活動ができない場合や、朝がつらくて遅刻が多いなど、症状によって生活に支障が出ている場合は、病院の受診を検討してみましょう。

原因によって専門の診療科は異なりますが、自分でどこに原因があるのかの目安をつけることは難しいものです。まずは受診しやすい近くの内科やかかりつけなどで相談してみるのもよいでしょう。

受診の際には、いつからどのような症状があるのか、どういったことで困っているのかなどを医師に伝えましょう。

また、あくびだけではなく、体の機能や意識に問題がある場合は、すぐに救急受診する必要があります。どのような状況で、いつ、どのような症状が出たのかをできるだけ正確に医師に伝えましょう。

あくびは脳の覚醒を促すために起こるとも言われています。睡眠不足であればあくびが増えるのはやむを得ないとも言えるでしょう。

寝不足にならないために

寝る前のスマホ、カフェイン、アルコール、熱い風呂などは眠りに入ることを妨げる原因となるといわれています。照明や温度などの環境を整え、リラックスして眠りにつきましょう。

また、上で述べた睡眠時無呼吸症候群に自分で気づかず、ただの寝不足だと思っている場合もあります。家族に確認してみてもよいでしょう。

酸素が不足することで脳の機能が低下し、覚醒を促すためにあくびが増えることがあります。

酸素不足かもと思ったら

空気を入れ替え、部屋の中でもストレッチや足踏み運動などをして体を動かしてみましょう。深呼吸をし、猫背にならないよう姿勢を正すとよいでしょう。

強い疲労感によって自律神経のバランスが乱れることであくびに繋がることがあります。

疲労が溜まっているときは

ゆったりと休める時間を作り、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。夢中になれる趣味を持つことや、普段の生活圏を離れた場所へ出かけることも気分転換になります。

自分でできる対処法を試してみてもよくならない場合には、医師への相談が必要な場合もあります。あくびのために不自由な状態が続く場合は受診を考えてみましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。