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動悸:医師が考える原因と対処法|症状辞典

動悸

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 安静にしているのに、脈拍が140回/分を超えている
  • 胸痛、息苦しさ、意識が遠のく、冷や汗が出るなどの症状がある
  • 動くことができないほど激しい動悸がある

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 安静にしているのに、脈拍が100回/分を超えている
  • 脈が飛ぶ、乱れている
  • 動悸が続いている、繰り返している

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 一時的なもので、その後繰り返さない

横浜南共済病院 循環器内科 総括部長

鈴木 誠 先生【監修】

動悸とは、普段よりも心臓の鼓動を強く、もしくは速く感じたり、脈が乱れているように感じたりする症状です。

  • 最近胸がドキドキする、もしかして心臓の病気……?
  • 手が震えていつもより脈も速く感じる……。
  • 脈がバラバラでめまいもする……。

このような症状を感じた時、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか。

動悸は心臓そのものに原因があることが一般的ですが、精神的な原因がある場合や、そのほかにも甲状腺や貧血、薬物などが原因となることもあります。

動悸の原因となる心臓の病気には、以下のようなものがあります。

不整脈

不整脈にはさまざまな種類がありますが、脈が速すぎる・遅すぎる、リズムが規則正しくなく乱れているなど、脈の異常を動悸として自覚する場合があります。

脈が極端に速かったり遅かったりすると血圧が低下し、めまいや吐き気、冷や汗などの症状を伴うこともあります。

心不全

心不全とは、血液を送り出す心臓の機能が低下した状態です。症状は多岐に渡りますが、動悸や息苦しさ、疲れやすさ、急激な体重の増加、足のむくみといった症状が代表的です。

心臓以外の身体的原因がある場合もあり、下記のような原因で脈が速くなって動悸を感じることがあります。

貧血

貧血とは、なんらかの原因により体中に十分な酸素を届けるために血液や血液の成分(赤血球やヘモグロビン)が不足している状態です。

動悸の他に、めまい頭痛、息切れ、疲れやすい、顔色が悪いなどのさまざまな症状が現れます。

低血糖

血糖値が下がりすぎた状態である低血糖は、極端なダイエットや糖尿病治療薬などの副作用で引き起こされます。動悸のほかに現れる症状としては、空腹感、あくび、手の震え、発汗(冷や汗)、頭痛などがあります。

糖尿病の薬を飲んでいる人にこのような症状がある場合や、意識がぼうっとしているような場合は速やかに診察を受けましょう。

甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)

甲状腺機能亢進症は甲状腺の働きが過剰になり、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう状態です。甲状腺機能亢進症は女性に多く、10人から20人に1人程度の割合で発症するといわれています。

症状としては、脈が速い(頻脈)、不整脈、手の震え、食欲が増えるにもかかわらず体重は減少する、大量発汗、息切れなどが見られます。

脱水

体の中の水分が足りていない状態である脱水になると、動悸、口の渇きや喉の渇き、トイレの回数が極端に減る、熱のこもった感じがするなどの症状が現れます。

このような症状があり、自分で水分を取ることが難しいような場合には早めの受診を検討しましょう。

動悸を感じることが長く続いたり、動悸以外の症状も現れたりする場合には、一度受診を検討しましょう。

原因がどこにあるのかを自分で判断することは難しいこともありますので、まずはかかりやすい近くの内科やかかりつけなどで相談してみてもよいでしょう。

受診時には、動悸が出るときの具体的な状況(人前に出るとき、会社や学校に向かうときなど)、どのくらいの時間続くか、動悸以外の症状の有無(息苦しさ、むくみ、痛み)、脈のリズム(規則正しいか不規則か、速いか遅いか)などを医師に伝えるとよいでしょう。

心拍(脈の数)は交感神経と副交感神経によってコントロールされています。そのため、緊張や怒りなどの精神的な影響で交感神経の働きが優勢になると、心拍数は多くなります。

緊張や怒りを感じたときは

副交感神経が活発になると、体はリラックスし心拍も下がります。副交感神経を活発にさせるため、緊張や怒りを感じたときはゆっくりと深呼吸をするとよいでしょう。

十分な睡眠を取り、疲労をためないように心掛け、ストレスを上手に発散しましょう。

コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、自律神経を刺激して脈を速くする作用があります。そのため、カフェインの取りすぎは動悸や胸苦しさを引き起こすことがあります。

カフェインだけでなく、アルコールなどにも同様の効果があるので注意が必要です。

取りすぎないために注意すること

コーヒーなどはついたくさん飲んでしまう人も多いため、1日何杯までと飲む量を決めて、それを守るようにするとよいでしょう。

アルコールも、自分の限界を知り適量に留めるようにすることが重要です。

たばこに含まれるニコチンも、自律神経に作用して脈を速めます。

たばこを減らす、止めるためには

たばこは動悸だけでなく、さまざまな病気の原因になります。

自分の意思だけで禁煙が難しい場合には、禁煙外来などで専門的な指導を受けることを検討しましょう。

激しい運動をすれば脈が速くなりますが、これは正常な反応です。

注意が必要な場合

激しい運動後の動悸は心配ありませんが、歩いたり少し動いたりしただけで動悸がする場合には上記のような病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。

日常生活での対処法を試しても症状がよくならない場合や、いつもと違う激しい症状を自覚した場合には一度病院を受診するようにしましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。