体臭:医師が考える原因と対処法|症状辞典

体臭

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  • 皮膚のかゆみ、皮が剥ける、発疹などの症状がある
  • 清潔や消臭を心がけてもよくならない

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  • 短時間でよくなり、その後繰り返さない
  • 汗の量が多いと感じる

[医師監修] メディカルノート編集部

体臭は、汗をかいたときなど、誰にでも起こることのある身近な感覚です。しかし、いつも臭いが気になる、臭いが強いような場合には何らかの病気が原因となっていることもあります。

  • 汗をかいていなくても体臭が強い
  • 汗の量が異常に多く、臭いの原因になっているような気がする
  • 最近になって突然体臭が気になるようになった

このような症状がみられた場合、原因として考えられることにはどのようなものがあるでしょうか。

体臭は皮膚や体の病気が原因で生じることや、心の病気によって実際に体臭がなくても体臭があると感じる場合もあります。

体臭を引き起こす病気のうち、皮膚の病気は主に以下が挙げられます。

多汗症

多汗症とは、全身もしくは特定の部位に異常な量の汗をかく状態のことです。

汗腺(汗が分泌される線)のひとつであるアポクリン腺から出る汗には、水分以外にも有機質が多く含まれ、この有機質が細菌などで分解されると臭いの元となる揮発性成分(ガス)が発生します。アポクリン腺は脇の下や性器などの体毛が多い部分に集まっているために、体毛の多い部分に大量の汗をかくと体臭が強くなることがあります。

多汗症
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腋臭(えきしゅう)

腋臭症とは、一般的にワキガと呼ばれるもので、アポクリン腺から分泌される汗が原因となって独特な体臭が発生します。

アポクリン腺から分泌される汗の量は、思春期になると性ホルモンの影響によって増加することが多いことから、腋臭症は主に思春期頃から発症するようになります。

また、腋臭症の人はアポクリン腺が大きく数も多いため、分泌量も多い傾向があるといわれています。

臭いには個人差があるほか、主観的な要素も強いために表現が難しい面がありますが、しばしば、酸っぱい臭い、濡れ雑巾のような臭いなどと表現されます。

ワキガ
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脂漏(しろう)性皮膚炎・アトピー性皮膚炎

頭皮・顔・胸・背中・脇の下など、汗をかきやすい部位を中心に発症する脂漏性皮膚炎や、アトピー性皮膚炎などの皮膚の病気でも体臭が出る場合があります。

体臭のほかに、脂漏性皮膚炎では、白色・黄色・灰色などのふけのようなものが皮膚に付着する、皮膚が赤くなる、場合によっては痒みを伴うこともあります。

アトピー性皮膚炎では強いかゆみが生じ、長年にわたって発症している場合には皮膚が厚く硬くなることもあります。

脂漏性皮膚炎
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アトピー性皮膚炎
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体臭を引き起こす体の病気は、主に以下のようなものがあります。

便秘

便秘とは、何らかの原因で排便が障害されて便が腸管内に溜まる状態のことです。

便は溜まり続けると腐敗し、腐敗したガスが腸から吸収されて血液中に流れ込み、汗として体外に排出されると体から硫黄のような臭いが出ることがあります。また、便やガスの臭い、口臭が強くなる場合もあります。

便秘になると腹部の痛みと膨満(ぼうまん)感がよくみられ、基本的には便が排泄されることで、症状が軽快または消失します。

便秘症
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糖尿病

血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高い状態が続く病気を糖尿病といい、血糖値を下げるはたらきを担うインスリンというホルモンに何らかの障害が生じることで起こります。

インスリンの分泌量や機能が低下すると、ケトン体という物質が多く生成され、このケトン体は甘酸っぱく、果物が腐ったような臭いがするために、ケトン体が多くなると汗にもケトン体の臭いが混じって不快な体臭を引き起こす場合があります。

糖尿病の典型的な症状は、多尿、多飲、口渇の3つで、合併症を引き起こすとさまざまな症状が現れます。ただし、自覚症状がないことも少なくありません。

糖尿病
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肝臓や腎臓の病気

肝臓や腎臓のはたらきは多岐に渡りますが、主に肝臓では物質の分解、腎臓では老廃物の排泄などの役割を担っていることから、肝臓や腎臓の機能が低下して、正常に代謝やろ過などができなくなることでも不快な体臭が引き起こされることがあります。

病気によって症状は異なりますが、肝臓・腎臓の病気に共通してよくみられるのが、体のだるさや吐き気・嘔吐、食欲不振、むくみなどです。肝臓の病気では、黄疸(おうだん)(皮膚が黄色くなる)、腎臓の病気では尿量減少もよくみられます。

皮膚や体の病気以外にも、心が原因になっていることもあります。

自臭(じしゅう)

実際に生じていないにもかかわらず、自分が口臭や鼻臭、体臭を放っていると思い込んでしまう状態を自臭症といいます。

その臭いが周囲の人に嫌な思いをさせ、他人から嫌がられると恐怖を感じる人が多く、心因性または精神疾患が背景に存在することが多いとされています。

体臭が強くなっている場合や体臭以外にも何らかの症状があれば、原因を特定するためにも一度病院を受診しましょう。また、体臭によってストレスを感じている場合にも、病院を受診しておくのがよいでしょう。

原因によって専門の診療科が異なる場合がありますが、体臭が主な症状であれば、まずは皮膚科への受診でよいでしょう。

受診時に、いつ頃から体臭を感じるようになったのか、どのような臭いか(酸っぱい・甘い・腐ったような臭いなど)、体臭以外の症状などを具体的に伝えると医師の参考になります。

日常生活においては、主に年齢や食生活が体臭に関係しています。

思春期には性ホルモンの影響によって、アポクリン腺から分泌される汗の量が増加します。アポクリン腺から分泌される汗には、独特な臭いの元になりやすい有機質が多く含まれていることから、発汗量が多くなる思春期に体臭が強くなる場合があります。

また、体臭には、後頭部・頭頂部・うなじを中心に使い古した油のような臭いを放つミドル脂臭、体の中心部から脂臭くて枯草のような臭いを放つ加齢臭があります。

いずれも加齢に伴う体の変化によって生じ、ミドル脂臭は30~40代、加齢臭は40~50歳代以上くらいから現れるようになるといわれています。

年齢特有の体臭への対処法

アポクリン腺から分泌される汗は、体外に排出されたあとに細菌などで分解されて独特な臭いが出るようになります。脇の下など、アポクリン腺が集まる部分の汗をこまめに拭くなどして清潔に保つようにしましょう。

加齢による体臭は、ミドル臭・加齢臭ともにストレスによって強くなるといわれています。ストレスを溜めないよう心がけるとともに、ストレス発散に取り組むようにしましょう。

また、加齢臭においては脂質を控え、ビタミンC・Eを多く含む食材を摂取することで臭いが少なくなる場合があります。

動物性タンパク質や脂肪の多い食品は、体臭のもとになるばかりか、過剰に摂取すると腸内で悪玉菌が増えるなどして腸内環境の悪化を招きます。

腸内環境が悪化すると毒素や有害物質が作られ、それが血液を通って口や皮膚などから排出されると口臭や体臭を引き起こします。

バランスのとれた食事とは

バランスのとれた食事とは、炭水化物や脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど体の必要な栄養素を過不足なく摂取することを指します。

体臭を抑えるためにも健康のためにも、1日の食事で主食(ごはん・パンなど)、副菜(野菜・キノコ類・海藻類など)、主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)、牛乳・乳製品、果物を組み合わせて、さまざまな栄養素を過不足なく摂取するようにしましょう。

日常生活上の対策をとってもよくならない場合には、思いもよらぬ病気が隠れているかもしれません。一度、皮膚科で診てもらうようにしましょう。