頬がかゆい:医師が考える原因と対処法|症状辞典

頬がかゆい

メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】

体に比べ、顔の皮膚は薄いため、さまざまな症状を感じやすいといわれていますが、特にかゆみの症状は気になる人も多いのではないでしょうか。

  • 冬場や空調のきいた室内にいるとき、顔や頬が乾燥してかゆい
  • 新しい化粧品を試したら頬が赤く腫れてかゆくなってきた
  • 頬に発疹のようなものができ、かゆみがある

このような場合、考えられる原因にはどんなものがあるでしょうか。

頬のかゆみの原因となることがある日常生活上の原因には、主に以下のようなものがあります。

肌質は個人差が大きく、年齢によっても大きく異なるため、適したケアもそれぞれです。しかし、肌にやさしい洗顔と保湿はどの方にも必要です。

一般的なスキンケア方法

洗顔は、石鹸を泡立て、こすらないようにして行います。また、下記のようなことは、肌の負担になる可能性があるため、避けるようにしましょう。

  • スクラブなど、皮膚をはがす作用のある洗顔料の使い過ぎ
  • 熱すぎるお湯での洗顔
  • 1日3回以上の洗顔

保湿は、化粧水→美容液→クリームや乳液の順番で塗っていきます。化粧水で水分を補うだけでなく、クリームや乳液で油分を補うことも大切です。

ただし、皮脂が多くなる思春期の人や、体質的に保湿をしすぎるとかえってトラブルが多くなる人は、それぞれにあったケアを行う必要があります。

肌の再生を助けるために、ビタミン・ミネラル・タンパク質などをバランスよく含む食事、十分な睡眠、ストレス解消なども重要です。

化粧品には多数の成分が含まれており、肌にかゆみなどを引き起こす物質もさまざまです。肌の調子や体調によっては、普段問題なく使用できている製品でも、かゆみなどを引き起こすことがあります。

化粧品選びのコツ

新しい化粧品を購入する前に、まず目立たない場所に少量をつけてみて、赤みやかゆみが出ないか確認してみるのもよいでしょう。ただし、月経前・月経中・妊娠中などは肌が敏感になっているため、このような行為は避けるようにしましょう。

香料やアルコールなどを含まず、アレルギーテスト済と記載されている製品を選ぶと、比較的トラブルが起こりにくいと考えられます。

日常でできる対策を行っても、頬・顔がかゆくてつらい場合には、一度皮膚科を受診してみましょう。思いもよらぬ原因が潜んでいることもあります。

頬や顔のかゆみは、病気が原因で起こっていることもあります。

主な病気には以下のようなものがあります。

皮脂欠乏症・老人性乾皮(かんぴ)

皮膚を守る皮脂と呼ばれる脂分が減少することで生じる病気です。皮膚がガサガサと乾燥し、バリア機能が低下することで、かゆみを感じる神経が過敏になります。悪化すると、赤くぼこぼこした湿疹が生じます。

皮脂が減少する原因は、乾燥した環境、紫外線が強い環境、洗いすぎ、加齢などです。

乾皮症
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接触皮膚炎(かぶれ)

何かが触れることで生じる皮膚炎です。かゆみ・赤み・腫れが現れ、皮膚がジュクジュクしたりガサガサしたりすることがあります。

顔のかぶれの原因としては、化粧品や塗り薬、点眼薬、汗、唾液、食物などが挙げられます。

接触皮膚炎
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脂漏性(しろうせい)皮膚炎(脂漏性湿疹)

頭・顔面など皮脂の分泌が多い部位や、こすれることが多い部位にできる湿疹皮膚炎です。湿疹は赤く、軽いかゆみを伴うことがあります。また、フケのようなものが皮膚に付着します。

マラセチア菌というカビの一種が皮脂をエサにして増え、炎症を起こすと考えられています。

脂漏性皮膚炎
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アトピー性皮膚炎

顔・耳の付け根・ひじ・ひざの裏などに、かゆみを伴う湿疹を繰り返す病気です。アレルギー体質を持った方に多く、子どもにもよく見られる病気です。

アトピー性皮膚炎
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蕁麻疹(じんましん)

何らかの刺激により、かゆみを伴う膨らんだ発疹を生じる病気です。食べ物に対するアレルギーなどによって発症することがありますが、原因がはっきりしないことも多くあります。

ほとんどの場合では時間の経過とともに自然と消えてよくなっていきます。

蕁麻疹
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皮膚掻痒症(ひふそうようしょう

外見上、皮膚の異常がないにもかかわらず、全身に強いかゆみが出る病気です。発症には、腎臓・肝臓などの病気、糖尿病、ホルモンの変動、がん、薬などが関係していると考えられています。

虫刺症(ちゅうししょう)(虫刺され)

虫に刺されると、赤く腫れてかゆみが生じます。

()に刺された場合だけでなく、ペットの体にいたノミに刺されたり、()鱗粉(りんぷん)や毛虫の毛が刺さったりすることでも虫刺されが起こります。

かゆみのために生活や仕事に支障をきたしている場合や、かゆみが長く続く、発疹など他の症状も現れているような場合には皮膚科への受診を検討しましょう。

受診の際は、化粧品を変えた・アウトドア活動をしたなど普段と違う行動をしたか、思い当たるきっかけはあるか、普段どのようなスキンケアをしているか、などを医師に伝えるとよいでしょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。