頭皮の乾燥:医師が考える原因と対処法|症状辞典

頭皮の乾燥

メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】

頭皮が炎症を起こしたり乾燥したりすると、かゆみやフケなど不快な症状の原因となることがあります。頭皮の炎症や乾燥を直接感じるよりも、このような症状として最初は自覚することが多いかもしれません。

  • 最近フケが増えた
  • 頭皮が乾燥していて、かゆみや痛みを感じることがある
  • 乾燥のせいか、ブツブツとしたものが頭皮にできている

このような症状がある場合、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか。

頭皮の乾燥・フケを予防するために日常生活上でできることには以下が挙げられます。

紫外線は皮膚を乾燥させダメージを与えます。

紫外線から頭皮を守るために

頭は髪の毛で守られているため、露出している皮膚よりは紫外線を受けにくいですが、アウトドアなど長時間強い紫外線を浴びると日焼けしてしまいます。帽子、スプレータイプで頭皮にも使用しやすい日焼け止めなどを併用してみるのもよいでしょう。

頭皮を傷つけるような洗い方やシャンプーなどのすすぎ残しも湿疹皮膚炎の原因になります。

頭皮にやさしい洗髪方法

指の腹で洗い、よくすすぎ、濡れたままにせず乾かすようにしましょう。シャンプーを使用せずにぬるま湯だけの洗髪のほうが調子がよいと感じる方もいるようです。

使用するときはできる限り頭皮になるべく付着しないように気を付けるはずですが、やはり少量は付着してしまいます。

ヘアカラーやパーマをする場合の注意点

毛染め剤、パーマ液などでかぶれを生じた経験がある場合にはパッチテストをするようにしましょう。肌の状態によっては、以前大丈夫だった薬剤でもかぶれることがありますので、使用のたびにパッチテストをすることが望ましいです。また、月経中や妊娠中は皮膚が敏感になってかぶれが起こりやすい場合もあります。

ご自身でできるケアを行っても頭皮のかゆみ・乾燥・フケが改善しない場合は一度皮膚科を受診しましょう。思いもよらない原因が潜んでいることもあります。

頭皮の乾燥の原因となる代表的な病気には、以下のものが挙げられます。

脂漏性(しろうせい)皮膚炎(脂漏性湿疹)

頭、顔面、腋など皮脂の分泌が多い部位やこすれることが多い部位に、赤い湿疹ができ、軽いかゆみがあります。フケが増え、フケが張り付いたようなかさぶたができます。

また、パーキンソン病やHIV感染があると、常在真菌が増え皮脂が分解されて、脂漏性皮膚炎になりやすくなるといわれています。

脂漏性皮膚炎
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接触皮膚炎(かぶれ)

シャンプー、毛染め剤、パーマ液など頭に触れるものにかぶれた状態です。

頭皮に赤い湿疹ができ、乾燥やかゆみ、フケなどの症状が現れることが多くあります。

接触皮膚炎
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白癬(はくせん)菌などの感染

白癬菌は足の水虫の原因になるカビの一種ですが、頭で増えた場合には頭部白癬と呼ばれます。これらのカビはある程度は皮膚表面にいることが多いのですが、増えすぎるとかゆみ、赤み、脱毛などの症状が現れます。

乾癬(かんせん)

赤い発疹の上に白いフケのようなものが付着した病変が、全身どこにでも現れます。強いかゆみがある場合も、ほとんどかゆくない場合もあります。関節の痛みや腫れ、爪の変形も見られる場合があります。

乾癬
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日常生活や仕事に支障が出るほどのかゆみ、フケなどがある場合には皮膚科への受診を検討しましょう。

受診の際には、帽子やヘルメットをよく使用するか、スポーツや仕事で頭に汗をかく機会は多いか、最近新しいシャンプー・染髪剤などを使ったかなどを医師に伝えるようにしましょう。

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • フケ、赤み、かゆみ、発疹(ほっしん)などがある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 保湿などですぐに改善する
原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。