頭皮が臭い:医師が考える原因と対処法|症状辞典
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
頭皮が臭い・頭が臭いという場合、よく髪を乾かさない、汗をたくさんかいたなど、一時的なものの場合も多くありますが、中には病気が隠れている場合もあります。
こういった場合に考えられる原因には、どのようなものがあるでしょうか。
頭皮の臭いの原因となる日常生活上の原因には、主に以下のようなものがあります。
頭皮を傷つけるような洗い方やシャンプーなどのすすぎ残しも湿疹・皮膚炎の原因になります。
指の腹で洗い、よくすすぎ、濡れたままにせず乾かすようにしましょう。シャンプーを使用せずにぬるま湯だけで洗髪したほうが調子がいいと感じる方もいるようです。
中高年の男性にみられる加齢臭は、汗や皮脂などの老廃物を雑菌が分解して生じるといわれています。また赤ちゃんや子どもでも、ホルモンのはたらきにより皮脂分泌が活発になり、不快な頭の臭いが感じられる場合もあります。
枕カバーをこまめに替える、手入れしやすい髪形にする、市販のデオドラント製品を試すなどの対処法があるかと思います。
ご自身でできるケアを行っても臭いが改善しない場合は、一度皮膚科を受診しましょう。何らかの病気が潜んでいる場合もあります。
頭皮の臭いの原因となることなる主な病気には、以下のようなものがあります。
脂漏性とは、皮脂の分泌が多いという意味です。頭皮、顔面、腋などは皮脂分泌が多く、脂漏性部位と呼ばれます。皮脂の量は個人差も大きく、ホルモンの影響も受けます。脂漏性皮膚炎では、マラセチア菌というカビの一種が、皮脂をえさにして増殖し皮脂を分解することで、炎症を起こします。フケ、かゆみ、境界がはっきりした赤みが現れます。
脂漏性湿疹・皮膚炎以外にも、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎(かぶれ)などが悪化するとフケやじゅくじゅくした汁(浸出液)が多くなり、雑菌が繁殖して臭う場合もあります。爪を立てて洗ったり、硬い頭皮ブラシで洗髪しすぎたりすると頭皮が傷つき、雑菌が増えやすくなることがあります。それによって赤み、フケ、かゆみなどが現れます。
粉瘤は垢などの老廃物が皮膚の内部に留まり、袋のような構造の中に溜まってできものができる状態です。中に溜まった老廃物は時間が経つとにおう場合があります。また、頭皮にがんなどできものができた場合、がん性皮膚潰瘍というただれを起こし、強い臭いがすることもあります。
臭いが気になる、清潔にしても改善しない、かゆみやフケなど他の症状も伴うような場合には一度皮膚科への受信を検討しましょう。においというのは数値化したり記録したりすることができないため、本当に臭っているのか、受診すべきか悩むこともあるかもしれませんが、医師の目から客観的に判断してもらうのも有効です。
受診の際には、帽子やヘルメットをよく使用するか、スポーツや仕事で頭に汗をかく機会は多いか、最近新しいシャンプー・染髪剤などを使ったかなどを伝えるようにしましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。