耳の後ろの腫れ:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

耳の後ろの腫れ

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 触ると痛みがある
  • 発熱、皮膚の表面の発疹・赤みがある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 短時間でよくなり、その後繰り返さない
白馬 伸洋 先生

[監修] 白馬 伸洋 先生

帝京大学医学部附属溝口病院 耳鼻咽喉科教授・科長

目次
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  1. 耳の後ろが腫れる病気
    1. 病院に行く目安とポイント

耳の後ろが腫れるのは何らかの病気が原因となっていることが多く、考えられる病気は多岐にわたります。

  • 耳の後ろがジンジンと痛み、腫れて熱を持っているような感じがある
  • 耳の後ろに膨らみがあり、痛みはないが徐々に大きくなっている
  • 風邪のような症状とともに、耳の後ろが腫れてきた

こういった症状がみられるとき、どのような病気によるものなのでしょうか。また、何科に行けばよいのでしょうか。

耳の後ろが腫れる病気としては、主に以下のようなものが挙げられます。

リンパ節炎

耳の後ろを含めて体のさまざまな場所にリンパ節というものがあります。このリンパ節に、ウイルスや細菌などが感染することで、リンパ節が腫れてきます。

耳の後ろに生じるリンパ節炎のうち、感染症によるものは風疹(ふうしん)や伝染性単核球症などがあります。主な症状は炎症による耳の後ろの腫れ、痛みや熱感で、原因によっては発熱や発疹、咽頭(いんとう)痛などの症状が現れる場合もあります。

リンパ節腫脹

リンパ節腫脹(しゅちょう)とは、何らかの原因によってリンパ節が腫れる状態を指します。主に感染によって腫れあがるものが上で挙げたリンパ節炎ですが、感染以外でも悪性腫瘍などでリンパ節が腫れることもあります。

悪性腫瘍が原因となる場合、多くは痛みや熱感を伴わず、リンパ節が比較的硬く腫れあがるのが特徴です。リンパ節の腫れ以外では、高熱や発汗、食欲低下、体重減少などの症状が伴うこともあります。

粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤とは良性の皮膚腫瘍のひとつで、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)やアテロームとも呼ばれています。体のどの皮膚にも発症し、耳の後ろの皮膚にも発症することがあります。

主な症状は皮膚が盛り上がった柔らかいしこりで、中央部に黒点状の開口部を伴い、強く圧迫すると開口部から不快な臭いを放つ(のう)性のドロドロとした液体がでることがあります。

通常痛みはありませんが、細菌が侵入するなどして炎症が起こると、赤く腫れて痛みが生じる場合もあります。

脂肪腫

脂肪腫とは、皮膚の下にある脂肪細胞が増殖することによって生じる良性腫瘍で、いわば「脂肪のかたまり」です。体のさまざまな場所に発生し、耳の後ろに生じることもあります。

脂肪腫は柔らかいしこりのように膨らみ、一般的には時間の経過とともに徐々に大きくなっていきます。通常痛みは伴いませんが、神経を圧迫すると痛みが生じることがあります。

乳様突起炎

耳の後ろにある出っ張った骨のことを乳様突起といい、中耳炎に続発してこの骨の中に細菌が侵入することで発症する炎症を乳様突起炎といいます。

乳様突起炎を発症すると、主に腫れや痛み、発赤(皮膚が赤くなる)の症状が現れ、耳が前方に押されて持ち上がったようになる場合もあります。

また、乳様突起の近くに顔の筋肉を動かす顔面神経があり、乳様突起の炎症により神経が障害されると、顔面神経麻痺により目や口がうまく動かせなくなることもあります。

耳の後ろに腫れ・しこりのようなものがある場合には、痛みの有無や腫れ・しこりの大きさなどにかかわらず一度病院を受診しましょう。

耳の後ろが腫れる病気の多くは耳鼻咽喉科の領域になります。もしも耳鼻咽喉科が近くにない場合には、かかりやすい内科やかかりつけの医療機関でまず相談してみるのもよいでしょう。

診断の助けになるため、受診の際には、腫れやしこりの現れた時期、痛みの有無、発熱など他の症状、耳の後ろ以外にも腫れやしこりがある場合にはその旨を医師に伝えましょう。