耳だれ:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

耳だれ

メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】

耳だれとは、耳の中から液体やなどが出てくる症状のことです。耳の病気によるものであることがほとんどのため、注意が必要です。

  • 最近耳がかゆいうえに、耳垢(みみあか)の量が異常に増えた気がする
  • 耳が痛いのを放置していたら、耳からが垂れてきた
  • 気になって頻繁に耳かきをしていたら、液体が耳から出てくるようになった

このような場合に考えられる原因にはどのような病気があるでしょうか。

耳だれが出る耳の病気には主に以下のようなものがあります。

外耳道炎

外耳道炎は、細菌感染などが原因で外耳道(鼓膜よりも手前の部分)に炎症が起きている状態です。主な症状は、耳の痛みや耳だれですが、発熱などを伴うこともあります。

特に耳をひっぱったり、押したりした場合や、咀嚼(そしゃく)や会話などであごを動かした場合などに痛みを強く感じることがあります。また耳だれや腫れが原因で、耳がふさがってしまい聞こえが悪くなったように感じることもあります。

外耳湿疹

外耳湿疹とは、外耳に湿疹ができている状態です。綿棒や耳かきなどを使って、頻繁に耳掃除をする習慣がある人に多い病気だといわれています。また、耳栓やイヤホンなどにかぶれ外耳湿疹ができる場合もあります。

主な症状はかゆみや耳だれです。しかし、耳掃除によってついた小さな傷に細菌などが感染すると、炎症を起こして痛みを感じることもあります。

中耳炎(急性・慢性・真珠腫性)

中耳炎とは、鼓膜の奥にある中耳と呼ばれる場所で炎症が起きている状態です。中耳炎には、主に急性中耳炎慢性中耳炎・真珠腫性の3種類があります。

急性中耳炎とは、細菌やウィルスが原因で中耳に急性の炎症が起きる病気です。主な症状は、鼻水、喉の痛み、咳、耳の痛み、発熱などで、子どもに多い傾向にあります。急性中耳炎が酷くなると、溜まったが耳だれとして出てくる場合があります。

慢性中耳炎は、中耳で慢性的な炎症が起きている状態です。耳管(中耳と喉を繋ぐ管)は中耳の換気をする役割も持っていますが、この耳管がうまく機能しないことで炎症が起こる場合があります。主な症状は、難聴、繰り返す耳だれですが、耳鳴り、めまい顔面神経麻痺味覚障害などの症状がでることもあります。

真珠腫性中耳炎は、鼓膜の一部が内側にくぼんだことで、そこに垢などがたまり真珠のような丸い塊(真珠腫)になった状態です。主な症状は耳の痛み、耳だれですが、真珠腫に感染が起きると難聴めまい顔面神経麻痺味覚障害などの原因になることもあります。

耳だれは何らかの病気が原因となっていることがほとんどのため、耳だれがあった場合には必ず受診しましょう。特に強い痛みや聞こえの異常などを伴う場合には早めの受診がよいでしょう。

受診科目は耳鼻咽喉科が適しています。受診の際に医師に伝えたほうがよいポイントは、いつから耳だれが出ているのか、痛みや聞こえの変化、発熱などその他の症状があるかどうかなどです。

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 耳の痛み、発熱などがある
原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。