胸やけ:医師が考える原因と対処法|症状辞典
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
胸やけとは、胸が焼けるようにひりひりする感じや痛み、胃酸が上がってくるような感覚や胸全体に感じる違和感などを表します。
このような症状が現れたとき、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか。
食べすぎや飲みすぎは胃腸に負担をかけ、胸やけの原因となることがあります。
直後には横にならないようにしましょう。また、胃腸を休ませるためにも食事の内容は消化の良いものにするなどの工夫をするとよいでしょう。
刺激物や脂肪の取りすぎは胃もたれなどの症状を引き起こしやすくします。
食事のバランスには日常的に気を配り、肉類や揚げ物ばかりに偏るなどがないようにしましょう。
また、刺激物を好んで食べる人も摂りすぎには注意し、適度な量に留めるようにしましょう。
妊娠や肥満によって胃が圧迫されることで逆流性食道炎の症状が悪化することがあります。
食事管理に気を付け、一度に食べる量を調整しましょう。体重を減らすことや、便秘の解消のために運動を心がけると改善につながるかもしれません。また、食直後は胃の圧力が高い状態ですので、食後3時間程度たってから睡眠をとるよう食事時間を調整しましょう。
喫煙は胃の入り口の筋力を弱め、胃もたれ、喉の違和感などの症状を引き起こす可能性があります。
タバコは胃がん、食道がんのリスクを高めますので控えるようにしましょう。自分の意思だけで減らしたり禁煙したりすることが難しければ、市販の禁煙補助製品を試したり、禁煙外来で専門的な指導を受けることもできます。
ストレスは胃の動きを低下させ、潰瘍などの原因となることもあります。睡眠を十分にとり、日常的に心の状態にも気を配るようにしましょう。
睡眠を十分にとり、日常的に心の状態にも気を配るようにしましょう。
気分転換で改善されず、食欲がない、睡眠がとれないときには心療内科や職場の保健師などに相談ししましょう。
日常生活での対処法を試しても症状が改善されない場合には、一度病院で相談するようにしましょう。
胸やけは比較的よくある症状ですが、病気が原因となっていることもあります。
胸やけを起こすよくある病気には以下のようなものがあります。
食べたものを消化するための胃酸が逆流してくることで引き起こされる病気です。胃の入り口にある筋肉の機能低下やストレスによる胃酸の増加、妊娠や肥満によってお腹が圧迫されることなどで起こります。またアルコールや食べすぎ、寝る前の食事習慣なども原因となります。
主な症状には、胸の痛み、胃もたれ、げっぷ、喉の痛みやつまるような違和感、長引く咳などがあります。
胃や十二指腸の粘膜が、胃酸などによって傷つき潰瘍になった状態です。空腹時の焼けるような痛みが出ることがあり、ときに食事をとることで改善されるというのが典型的な症状です。他にも、胃もたれや不快感などの症状が出ることがあります。
何らかの原因によって胃の動きが低下している状態です。胃カメラなど詳しい検査を行っても、はっきりした原因がわからないこともあります。胃もたれ、みぞおちの痛み、すぐに満腹感を感じあまり食べられないなどの症状が出ることがあります。
比較的頻度は低いですが、このような病気の可能性もあります。
食道の動きが低下することで起きる疾患で、食べ物を飲み込むことが難しいと感じるようになります。飲み込みにくさや胸やけのほか、吐き気、胸や背中の痛みなどを感じることもあります。
食道がんは喫煙や飲酒が主な原因と考えられており、胃がんは喫煙や食生活、ヘリコバクターピロリ菌の感染が原因になりうるとされています。早期には症状が出ることが少なく進行しても症状が出ないこともありますが、みぞおちの痛みや不快感、食道がんの場合は飲み込みづらさ、背中の痛みなどの症状が続く時には注意が必要です。
心臓の周囲の血管が細くなったり、閉塞したりしておこる病気です。典型的な症状として激しい胸痛がみられますが、ときに胸部の不快感、胸やけ、吐き気、冷汗のような症状を伴うことがあります。症状は食事とは関係なく、歩いたとき・動いたときに起こったりします。
胸やけのような症状に加えて強い胸の痛みがあるような場合には、急を要する場合もあるため注意が必要です。
胸やけが続く、食欲がなく体重が減っている、そのほかの症状が続くような時には一度受診してみましょう。受診先として、内科もしくは消化器内科が適切です。
受診時には、いつから、どのような症状があるか、胸やけを感じるタイミング(空腹時、食後など)などについて医師へ伝えるようにしましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。