頭がかゆい:医師が考える原因と対処法|症状辞典
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
シャンプーが合わない、帽子で蒸れるなどで頭にかゆみを感じたことがある人は多いのではないでしょうか。頭皮は外気に直接触れる場所であるため、何らかのトラブルによってかゆみを生じることはよくあります。
このような症状がみられた場合、どういった原因が考えられるでしょうか。
頭のかゆみはシャンプーなどの刺激によって生じることがありますが、中には以下のような病気が原因となっていることもあります。
頭皮を中心とした皮脂の多い部分にみられる湿疹です。皮膚が赤くなり、かゆみを伴います。また、頭皮に発症すると、ふけがたくさん出るようになります。
症状は、ストレスや偏った食生活などで悪くなることが多く、慢性に経過します。
皮脂量や角質層の水分量が減少することで皮膚が乾燥する病気です。乾燥により皮膚のバリア機能が低下し、皮膚が敏感になるため、かゆみが出やすくなります。好発部位は足や腕、背中などの乾燥しやすい場所ですが、頭皮を含め全身の皮膚に生じえます。また、冬の乾燥で悪くなります。
何らかの物質が皮膚に接触することで起こる皮膚の炎症です。原因物質が触れた部分に赤みや湿疹が生じます。かゆみやピリピリとした痛み、熱感が現れる場合もあります。
シャンプーやヘアカラーなどの日用品、医薬品(塗り薬)など、刺激が強いものやアレルギーを生じるものなどが原因となって発症します。
強いかゆみが悪化と軽快を繰り返す慢性の皮膚の病気です。紅斑(皮膚が赤く盛り上がること)や小さくブツブツとした湿疹ができることがあり、皮膚を掻くことで症状がさらに悪化します。夏の高温多湿期や冬の乾燥時期に悪くなります。
以下のように、症状が現れやすい部位は年齢によって異なります。
紅斑の上に、鱗屑(カサカサした白い垢)を伴う慢性の皮膚の病気です。頭皮・肘・膝・腰などに発症することが多く、かゆみを伴うこともあります。
乾癬にはさまざまな種類があり、それぞれ症状などが異なります。
昆虫の一種であるシラミに寄生されることで、強いかゆみが生じる病気です。
ヒトに寄生するシラミには、アタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミの3種類がありますが、このうち主に頭に寄生するのがアタマジラミです。
吸血されることによって強いかゆみが生じ、掻きむしって二次感染が起こると、発熱や痛みなどの症状が出ることもあります。
掻かずにはいられないほどにかゆい、日に日に悪化している、かゆみ以外に湿疹などの皮膚症状がある場合には一度、皮膚科への受診を考えましょう。
受診の際には、かゆみが現れ始めた時期、思い当たるきっかけ、ほかの症状などを医師に詳しく伝えるとよいでしょう。
湿疹などの皮膚症状が日によって変化し、口頭で伝えにくい場合もあります。皮膚症状があれば、スマートフォンなどで写真におさめておくとよいでしょう。
日常生活で頭のかゆみが起こることも多く、主に以下のような原因が考えられます。
シャンプーなどが頭皮に合わず、強い刺激となってかゆみが生じることがあります。
また、洗髪の仕方が原因となることがあります。洗髪のし過ぎで頭皮のバリア機能が低下することや、爪を立ててゴシゴシ洗うことで頭皮に傷をつけてしまうことなどが挙げられます。
どのシャンプーが合うかは使ってみないとわからない場合も多いですが、まずは刺激の少ないものや弱酸性のものを選び、かゆみやピリピリとした痛みが出ないか確認しましょう。
洗髪の際には、爪を立てずに優しく洗い、よく洗い流すようにしましょう。
シャンプーと同様に、ヘアカラーやパーマ剤も頭皮への強い刺激となってかゆみを生じることがあります。また、アレルギー反応が起こる場合もあります。
ヘアカラーやパーマ剤の使用中にかゆみや痛みなどが起きたら、すぐに使用を中止して洗い流しましょう。中止しても症状が続く場合には、皮膚科の受診も検討しましょう。
通気性の悪い帽子やカツラなどを長時間かぶり続けると、蒸れて頭皮がかぶれ、かゆみを生じます。汗や皮脂、掻くことなどの刺激によってかゆみが生じる場合もあります。
掻くことでかゆみが増強されて症状がさらに悪化したり、頭皮が傷ついて細菌感染を起こしたりすることも少なくありません。
以下のような対策により、乾燥や蒸れ、刺激を防ぐことが大切です。
また、頭皮を清潔に保つために、定期的に洗髪をして整髪料や頭皮の汚れを落としましょう。
日常的に気をつけていても頭のかゆみがよくならない場合には一度、皮膚科の受診を考えましょう。