インタビュー

性器カンジダ症の治療薬―抗真菌薬を使用した治療が行われる 

性器カンジダ症の治療薬―抗真菌薬を使用した治療が行われる 
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

この記事の最終更新は2015年11月30日です。

カンジダ菌によって引き起こされる性器カンジダ症の治療方法や治療期間などについて、尾上泰彦先生に伺いました。

カビの仲間であるカンジダ菌によってひきおこされる性器カンジダ症は、性器の真菌感染症です。この性感染症は女性に多く見られるため女性に特有の疾患と言われることもありますが、男性にも症状が出ることがあります。女性の場合は外陰腟カンジダ症(腟炎外陰炎が合併した状態)を、男性の場合は亀頭包皮炎を引き起こします。 自覚症状や医師による問診、診察の際に炎症を認めるなどして診断を下されたのち、性器カンジダ症の治療が開始します。

病院での治療には、抗真菌薬の腟錠(腟坐剤)、軟膏、クリーム、経口錠が処方されます。 合併症を起こしていない急性外陰腟カンジダ症の場合、腟洗浄後に腟錠(腟坐剤)を腟深部に挿入する治療方法をとります。一般的には連日通院していただき、イミダゾール系の抗真菌薬を1日1個投薬します。使用するのは以下に表記するいずれかの腟錠(腟坐剤)です。

  • クロトリマゾール
  • ミコナゾール硝酸塩
  • イソコナゾール硝酸塩
  • オキシコナゾール硝酸塩

ほかにも腟錠による週1回の治療方法もあります。連日の通院が困難な場合にこの方法を選択することもありますが、上記の連日投薬の方がやや優れていると言われています。以下に表記するいずれかの腟錠(腟坐剤)を使用します。

  • イソコナゾール硝酸塩
  • オキシコナゾール硝酸塩

腟錠(腟坐剤)の使用と並行して、1日に2~3回軟膏やクリーム等治療剤の塗布も行います。

  • クロトリマゾール
  • ミコナゾール硝酸塩
  • エコナゾール硝酸塩
  • オキシコナゾール硝酸塩

女性に比べて男性の患者さんは少ないといわれていますが、包茎糖尿病、ステロイド剤を使用している方などの場合には症状が出やすいといわれています。

男性の治療方法でも、女性と同様の治療薬を使用して治療を行います。 治療中は刺激の強い石鹸の使用は控え、局所の清潔と安静を心掛けてください。性器カンジダ症の原因となるカンジダ菌はカビの仲間ですので、通気性のよい下着を着用するようにしましょう。性交渉も完治するまでは控えてください。もしパートナーが性器カンジダ症の診断を受けたときには、一緒に病院で検査・治療を受けるようにしましょう。

腟錠(腟坐剤)の連日投与は約1週間行います。その後薬剤が効いているのかを判定し、もし十分な効果が認められないようであれば治療の追加を検討します。

再発の場合に限ってですが、OTC医薬品(Over The Counterの略称で、従来は「一般用医薬品」呼ばれていた市販薬)を薬局で購入することができます。 なかには通常の軟膏を使用することで治療を試みようとする方もいらっしゃいますが、かえって症状を悪化させてしまうこともあるので、ご自身で治療薬を購入するときには、OTC医薬品を選択するようにしましょう。 症状が改善されない、前より悪化したときには専門医による治療を受けましょう。

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