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インタビュー

色素異常症とは? 白斑を含む皮膚色に異常が現れる病気

色素異常症とは? 白斑を含む皮膚色に異常が現れる病気
鈴木 民夫 先生

山形大学 医学部皮膚科学講座

鈴木 民夫 先生

顔にしみができる老斑、肌に白い斑点ができる白斑、全身の肌の色が白くなってしまう眼皮膚白皮症(アルビノ)……これらは皮膚色に異常があらわれる「色素異常症」という病態です。ひとことに色素異常症といってもさまざまな疾患があり、それぞれの症状(表現型)や発症原因は異なります。

色素異常症とはどのような疾患であり、どういった症状があらわれるのか、色素異常症研究の最前線でご活躍されている山形大学医学部附属病院皮膚科教授 鈴木民夫先生に詳しくお話を伺いしました。

色素異常症とは?

色素異常症とは、皮膚の色を決定する「色素」の量がさまざまな原因により増加・減少することで、皮膚色に異常があらわれる疾患です。

ヒトの肌の色を決める色素は、主に3つあります。

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  • カロチン  ・・・黄色の成分
  • ヘモグロビン・・・赤色の成分
  • メラニン  ・・・茶色、黒、紺色の成分

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これらの色素が増加もしくは減少することで皮膚の色に異常があらわれます。

たとえばカロチンの量が変化することで皮膚の色に異常があらわれるものとしては「柑皮症」が有名です。

これは、ミカンなどのカロチンを多く含んだ食べ物を大量に摂取することで、カロチンが皮膚の角質や皮下脂肪組織に増加し、手が黄色くなってしまう症状です。皆さんも「みかんを食べすぎると手が黄色くなる」というのを耳にしたことがあるかと思いますが、それはカロチンを過剰に摂取することで皮膚におけるカロチンの量が増加することが原因です。

このように皮膚の色は、色素の量が増加・減少することで変化します。

皮膚色を決める3つの色素のなかでも、最も影響力が大きいものが茶・紺・黒色の成分となるメラニンです。

メラニンの量や種類は皮膚色の変化に大きく関係しています。たとえば白人・黄色人・黒人などの人種による皮膚色の違いもメラニンの種類と量の差によって生じているとされています。そしてほとんどの色素異常症も、メラニンの増加・減少が原因となって引き起こされています。

【メラニンの増加】

・メラニンが過剰に産生される

・メラニンがうまく排泄・分解されずに蓄積してしまう

こうした状態では皮膚の色が濃くなり、しみなどの色素沈着が引き起こされます。

【メラニンの減少】

・メラニンがうまく産生されない

・産生されたメラニンが特定の場所へうまく運ばれない

こうした状態では皮膚の色が薄くなり、皮膚の色が白く抜けてしまいます。

このようにメラニンが過剰に増加しすぎる、減少しすぎることでしみや白斑などの色素異常症があらわれます。つまり色素異常症というのは、主にメラニンを中心とする皮膚色を決定する色素が、増加もしくは減少することで発症する疾患といえます。

下図でいえば、正常な状態よりもメラニンなどの色素が増加・減少している、つまり真ん中を除いた「両端」が色素異常症とみなされます。

色素異常症

また、人種(生まれ持った皮膚の色)によって症状が異なってくることがあります。

たとえば尋常性白斑という疾患は、境界が明瞭な白い完全脱色素斑を引き起こすため、黄色人種や黒人は「肌が白くなる病気」です。白人ではもともと肌が白いため尋常性白斑を発症しても皮疹は目立たず、肌が白くなる病気とは認識されません。

しかし、尋常性白斑では白くなった部分の辺縁が普通の皮膚の色よりも濃くなるという特徴があります。そのため白人では白斑自体が目立たなくてもその辺縁の皮膚の色が濃くなってしまいます。そうすると白人にとって尋常性白斑は「肌の色が濃くなる病気」とみなされるのです。

このように同じ色素異常症であっても人種、つまりジェノタイプ(遺伝子型)によっては症状が異なってくるのです。白人にとっては皮膚色が濃くなるもの、黒人にとっては皮膚色が白くなるもの、そして黄色人種ではその両方が色素異常症の症状になります。

 

色素異常症には実際にどのような種類があるのか、主なものを下記に挙げました

【色素の脱失を主体とするもの】

【色素増加を主体とするもの】

【異物沈着によるもの】

  • 柑皮症
  • 銀皮症            など

これらの発症原因としては

・先天性(生まれつきによるもの)

・自己免疫系の異常

・紫外線の暴露

などが挙げられており、それぞれの疾患によって原因は異なってきます。

 

引き続き記事2『画像・写真でみる尋常性白斑-原因や治療指針、研究の最前線について専門家が詳しく解説』では、鈴木先生に色素異常症のなかでも疾患頻度が最も高い尋常性白斑について、概要・原因・治療指針・研究の最前線など詳しくご解説いただきます。

 

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