医療法人回生会宝塚病院は、1956年に兵庫県宝塚市内ではじめての病院として開設しました。以来、循環器疾患と透析を中心に、消化器疾患、呼吸器疾患、脳疾患など幅広い診療を行っております。また、救急指定病院として市内の年間救急搬送数約1万台の内、5分の1に当たる約2,000台を受け入れるなど、病床数は131床と小規模ながら地域のニーズに応える医療を提供しています。
そのような宝塚病院で行われている取り組みについて、関西医科大学出身の医師で初の内科専門医の認定を受けられ、現在も診療現場でご活躍されている院長馬殿正人先生にお話を伺いました。
当院のもっとも大きな強みとなっている診療科は循環器科です。私自身が循環器内科の専門医ということもあり、1992年という早い時期から心臓カテーテル検査・PCI治療(経皮的冠動脈形成術)を積極的に取り組んできました。これまでの症例数[注1]は4,000を超え、2018年4月現在も年間200件以上の実績があります。
二次救急病院ですが、急性心筋梗塞には三次救急での対応も可能な体制になっています。
循環器科に関連しては動脈硬化に関わる「末梢動脈疾患(PAD)」の治療も行っています。加齢や喫煙などの原因によって動脈は狭くなり、血液の流れが悪くなることでさまざまな疾患を発症します。以前は閉塞性動脈硬化症などと呼ばれていました。治療は、消化器科や呼吸器科など院内他科との連携を密にしているため、患者さんにとってもよい環境ではないかと思っております。
当院のもうひとつの強みは、1978年に開設した人工透析センターです。人工透析導入の原因となるのは糖尿病です。この疾患で重要なことは、神経障害をはじめとする合併症のリスクと、血管障害を背景にした心疾患、脳血管疾患などの発生の可能性が高いということです。実際に当院の透析導入時点での検査の際には、約6割の患者さんが心臓に何らかの異常があるという結果が出ています。またがんの発生率も高いといわれています。その予防のためにも早期発見がもっとも大切です。検査の必要性を患者さんには説明し、実施しています。
透析患者さんは感染症にも弱い面があります。この大きな要因はタンパク質や塩分制限で栄養状態が良好でないことです。透析は時間をかければかけるほど毒素をしっかり体外へ排出できます。そのうえで充分な食事を摂取することで栄養状態もよくなります。
当院では2014年よりオーバーナイト透析を開始しました。
夜間の就寝時間内で行う長時間透析は体への負担も軽減されます。また、日中の自由な時間も増え、仕事への支障が少なくなり、家族との食事もできるようになったと患者さんからは喜ばれています。
[注1]1992年1月~2018年4月まで
全国的な傾向と同様に、宝塚市も高齢化の波が押し寄せており、住民の方々の健康志向への関心は年々上昇の一途をたどっています。そのような予防的観点から当院も、疾患の早期発見・早期治療に貢献すべく積極的なアプローチを進めています。それは四疾病(糖尿病・心筋梗塞・脳卒中・がん)に関わる検査の推奨です。
糖尿病に関わる検査については先ほど申しあげたとおりですが、心筋梗塞における「心臓ドック検査」では、高精度の256マルチスライスCT撮影などで狭心症や心筋梗塞などのリスクを日帰りでチェックすることが可能です。この機器は短時間撮影による被曝量の軽減化というメリットもあります。
また、脳卒中における「脳ドック検査」では動脈瘤や頚動脈硬化など、脳疾患を引き起こす原因を早期に発見し突然死を予防しています。
加えて当院では、地域住民の方々の健康をサポートする目的で「友の会」を発足しました。会員には先ほどの検査は無論のこと、当院主催の健康セミナーなどへの優先招待や、管理栄養士による心臓病食や糖尿病食レシピのメール配信なども行っております。また特典として入会時に胸部CT検査を無料で受けられます。
私自身も地元のFMで健康講座の番組を放送していますが、病院自体もただ単に疾患を治療する場所だけではなく、地域への健康予防の発信基地でありたいと思っています。
当院ではそれぞれの診療科目において10年、20年の臨床経験を積んだ医師が診療にあたっています。医師一人ひとりが ”かかりつけ医 "のようなスキルと知識を持ち、診断後院内の専門医と連携しながら、病院全体で患者さんを受け入れ、適切な治療・看護を行っています。専門外だからと診察や治療を拒んだりすることは一切ありません。何かお困りのときは、ぜひ一度当院へご来院ください。
医療法人回生会 宝塚病院 院長/理事長
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。