院長インタビュー

人が集まる病院─広島西医療センターの魅力とは?

人が集まる病院─広島西医療センターの魅力とは?
奥谷 卓也 先生

独立行政法人国立病院機構広島西医療センター 院長

奥谷 卓也 先生

この記事の最終更新は2018年08月13日です。

国立病院機構広島西医療センターは広島県西端に位置する大竹市にあり、地域の基幹病院としての急性期医療に加えセーフティネット分野の医療も担っており、地域になくてはならない医療機関です。

また、将来の医療を担う若者からの人気も高く、毎年多くの学生実習や臨床研修医をはじめとする若手医療従事者を受け入れています。同院の取り組みについて、院長の奥谷卓也先生にお話を伺いました。

広島西医療センター外観(広島西医療センターよりご提供)

当院では、内科系、外科系ともに地域のみなさまに必要な急性期医療を提供しています。救急医療については、二次救急と言われる入院が必要な救急患者さんの受け入れを中心に行っていますが、急な体調不良で時間外でも診てほしいなどのいわゆるウォークインの対応もしており、断らない医療を目標に、地域医療を支えていきたいと思っています。

内科系はほぼ全ての専門分野に医師を配置しておりますが、特徴的な専門分野としては、血液内科と神経内科があります。血液疾患として白血病悪性リンパ腫といった悪性疾患はもちろん、日常的にみられる貧血や出血性疾患などの診療にもあたっています。近隣に血液内科の診療を行っている医療機関が少ないこともあり、地域だけでなく広い範囲の多くの皆さまのニーズに応えています。一方、神経内科の診療は、頭痛認知症など通常の疾患の診療はもちろん、末梢神経疾患、筋疾患を中心とする変性疾患を得意分野とし、広島県から難病拠点施設に指定されています。

当院の血液内科・神経内科は、臨床研究、開発治験などでも、全国的に活躍している科の一つであると自負しております。

外科系も一般外科、整形外科、泌尿器科などの手術件数は多く、地域医療に貢献しております。

セーフティネット分野の医療とは、政策医療とも言うべき分野で、国民の健康に重大な影響のある病気に対して国を挙げて取り組むべき医療のことであり、国立病院機構は全国的なネットワークを展開し診療にあたっています。当院ではそのなかの「重症心身障害」と「筋ジストロフィーを含む神経・筋疾患」の診療をしています。

重症心身障害では主に医療重症度の高い患者さんを受け入れています。

筋ジストロフィーでは他の病院組織で専門的な診療を行う医療機関は少なく、多くを国立病院機構で担ってきました。その経験、知識を生かし、呼吸管理、栄養管理、リハビリテーション、看護など専門的かつ総合的な医療を提供することを目指しています。 

2016年開催の広島西医療センター祭り(広島西医療センターよりご提供)

広島西医療センター祭りは、地域のみなさまと交流する機会として当院の職員ボランティアで主催運営し、普段当院を利用されている方々だけでなく、そのご家族や近隣のみなさまにも来場していただいている催しです。ステージでの出し物あり、本物のお祭りさながらの屋台ありで、10年以上前から、毎年多くの皆さまに楽しんでいただき、10月第1土曜日は「広島西医療センター祭り」が地域に根付いているようです。

センター祭りの様子(広島西医療センターよりご提供)
センター祭り舞台(広島西医療センターよりご提供)

「祭り」といっても、結構真面目に取り組んでいる企画です。

国立病院機構では「PDCAサイクルに基づく医療の質改善プロジェクト」を展開しています。当院もこの取り組みには早くから参加しておりますが、国立病院機構全体としての企画に留まらず、院内独自の試みとして「PDCA祭り」を年に一度成果発表会として開催しています。各職場で医療の質の改善のための新しい試み、問題解決など、PDCA手法を用いて実践し、その結果をプレゼンしてもらっております。

2018年の開催で3年目になりますが、毎年、新規課題と継続課題を併せて20題以上の発表があり、そのなかから優秀演題を選考して表彰します。各部署が感じている課題に向き合い話し合いをすることで、患者さんへのよりよい医療の提供につながります。

PDCA発表の様子(広島西医療センターよりご提供)

当院では、医療従事者を目指す若者のための教育のひとつとして学生実習の受け入れを積極的に実施しています。学生実習は医学部生から看護学生をはじめ、薬学部生や臨床検査学科、栄養士などで、スタッフには、実習生を見かけたらよく声をかけてあげるように常にいっております。学生たちは初めて現場に入り、とても緊張していると思います。その緊張をほぐすには、スタッフが声をかけ、優しく対応することが大切だと考えています。

あいさつをすることはもちろん、学生が困っている様子だったら積極的に声をかけ優しく対応をすることで、学生にとっても実りの多い実習につながると思います。

とにかく、当院での楽しい思い出(経験)を持って帰ってほしいと思います。

学生実習でスタッフに優しくしてもらった経験があるスタッフも多く在籍しています。自分たちが学生実習に来た時と同じように後輩へ優しく声をかけ、よりよい実習になるようにスタッフ一同が心がけています。

キャプション新人看護師と公認キャラクターにっしーくんの集合写真(広島西医療センターよりご提供)
新採用者研修の様子(広島西医療センターよりご提供)

若手医師には、自分なりのやり方を見つけ医療を提供することができる医師になってほしいと思います。そのためには、現場にいる先輩医師の誰かのようになりたい、と思えることが重要だと考えています。そんな彼らにはいつもこの様なメッセージを伝えています。

「先輩医師をロールモデルにして、最初は模倣からはじめて、自分のやり方を日々の診療の中で作りあげていってください。先輩医師の手技や知識を得ることも重要ですが、医師としての経験を多く積めるのは日々の診療のなかです。患者さんと真摯に向き合い、診療する力を身に着けてください。」

広島西医療センターよりご提供

地域の医療機関として、高度な診療が必要となる疾患だけでなく、「なんとなくしんどい」といったちょっとした体調不良の患者さんの診療にもしっかり取り組むような病院を目指しています。そのためには医療従事者の人間的な教育もしっかり行っていかなくてはならないと考えています。

私は、当院で働くスタッフが仕事をするうえで、やりがいを感じていないと患者さんによりよい医療を提供することはできないと考えています。スタッフが気持ちよく働くために職場環境を整えることが私のやるべきことのひとつだと強く思っています。

国立病院機構の病院として地域医療と政策医療の提供、そして若手医療従事者の教育に今後も尽力していきます。

地域の皆さまには、病気だけでなく体調不良を覚えたときに「広島西医療センターに行こう」と思い、頼っていただきたいと思います。

スタッフ一同今後も地域の皆さまに頼りにしていただける病院をめざして研鑽を積んでまいります。

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  • 独立行政法人国立病院機構広島西医療センター 院長

    奥谷 卓也 先生

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