花粉症の基本的な治療法は、内服薬や点鼻薬、点眼薬を用いた対症療法です。しかし、補助的な緩和方法として効果があるとされる食べ物もあります。本記事では、花粉症を改善する効果があると考えられる食品、食べ物以外の花粉症の対処法についてご紹介します。
近年、花粉症の代替療法(医師が医療機関で行う通常の医療以外の療法)を受療する人の割合が増加しているといわれています。内容はさまざまで、なかには食べ物による代替療法もあり、お茶やヨーグルトなどの摂取が試されています。しかし、花粉症に対する食べ物の効果を科学的に立証するためにはコストや時間がかかることなどから、科学的に効果が示された食べ物は一部に限られています。
医療機関では、花粉症の治療として内服薬や点鼻薬あるいは点眼薬を用いた対症療法や、花粉の抗原を少しずつ投与して花粉に対するアレルギー体質を改善するアレルゲン免疫療法(減感作療法)といった根治的療法が行われます。そのため、食べ物はあくまで補助的な対処法だと考えたほうがよいでしょう。
食べ物で花粉症が治るわけではありませんが、花粉症にかかっている方の体によい影響を与えるとされている食べ物がいくつかあります。そのなかには、花粉による目や鼻の不快感を緩和する機能性表示食品として企業の責任で販売されている食べ物もあります。
乳酸菌にはアレルギー症状の改善や予防効果が期待されています。実際に花粉症にかかっている人を、乳酸菌が含まれたヨーグルトを食べたグループと食べなかったグループに分けて比較したところ、食べた人は食べなかった人よりくしゃみや目のかゆみといった症状が緩和されたという研究データもあります。
乳酸菌が含まれている代表的な食品としては、ヨーグルトやキムチが挙げられます。ただし、アレルギー症状を改善する作用、すなわち機能性が証明された菌株は限られています。どんなヨーグルト、どんなキムチを食べても花粉症が緩和するわけではありません。
お茶には花粉症の症状を和らげる効果が期待できるといわれており、さまざまな健康食品が販売されています。
なかでも“べにふうき茶”などに含まれるメチル化カテキンは、花粉症やアレルギー症状を緩和する効果があるといわれています。
体を温めてくしゃみなどの症状を緩和する食べ物としてネギ、ニンニク、ニラ、生姜などが、花粉症と合併することがある急性副鼻腔炎に効果が期待できる食べ物としてゴボウ、ミョウガ、スイカ、梨、柿などがよいとされています。また、花粉症のだるさを緩和する食べ物として山芋、ドジョウ、エビなどがよいといわれることもあります。
ただし、いずれも効果が医学的に証明されているわけではありません。
先述したように、食べ物だけで花粉症を改善することは難しいと考えられます。しかし食べ物以外で、症状を緩和するためにできるセルフケアもあります。
第一にできることは、花粉症の原因となる花粉をできる限り体内に入れないことです。まずは花粉飛散が多い日の外出を控えたり、窓をあまり開けないようにしたりすることが大切です。花粉の飛散情報にも注意しましょう。
また、外出する場合はマスクや眼鏡を装着して花粉対策をするとよいでしょう。さらに、花粉が付きやすい毛羽立ちのあるようなコートも避けましょう。外出前に鼻の入り口(小鼻の裏)にワセリンを塗ることは、花粉の鼻腔内への侵入を防いだり、花粉が割れないようにして内部からのアレルゲンの放出を防いだりすることから有効です。外出後は洗顔、うがいなどを心がけます。
ストレス、睡眠不足、飲み過ぎ、タバコなどによって鼻粘膜の状態が悪化することが考えられます。そのため、規則正しい生活を心がけるとよいでしょう。
また、バランスの取れた食事を取ることも大切です。花粉症によいとされる食べ物でも、そればかりを食べたところで症状が大きく変化することはないと考えられています。
食べ物や生活習慣を変えるだけでは、花粉症の根治には至りません。花粉症の根本的な治療については、医師に相談するのがよいでしょう。また、食べ物で花粉症対策をしたい場合にも、医師の指導を仰ぐようにしましょう。
病院に行く際は耳鼻咽喉科や眼科、アレルギー科を受診するようにしましょう。近くに耳鼻咽喉科などがない場合には、内科を受診するのもよいでしょう。
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