花粉症とは鼻や口などから花粉が体内に入り、アレルギー反応を起こす病気です。主な症状はくしゃみ・鼻水・鼻詰まりなど鼻の症状や、目のかゆみなどがありますが、ひどい人では集中力が低下するなどの症状が見られることもあります。
日本ではスギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサ属(キク科)などさまざまな花粉による花粉症が報告されています。中でも患者数が多いのはスギ花粉症で、花粉症と診断された人のおよそ70%にものぼるといわれています。
本記事では花粉症の原因となる花粉の種類や種類別の流行時期、時期に合わせた対策などについてお伝えします。
花粉症は症状の現れる時期が決まっているため、“季節性アレルギー性鼻炎”とも呼ばれます。花粉症の症状が現れるのは、アレルギーの原因となる種類の花粉が多く飛散する時期です。個人・地域差はありますがアレルギーの原因となる花粉の多くが春・秋に飛散するため、これらの季節に花粉症の症状が現れる人が多くなります。
アレルギー性鼻炎では“季節性アレルギー性鼻炎”以外に“通年性アレルギー性鼻炎”と診断される方もいます。通年性アレルギー性鼻炎の場合はダニやハウスダストなど花粉以外の物質が原因で生じるもので、その名のとおり一年中症状が現れます。中には季節性アレルギー性鼻炎と通年性アレルギー性鼻炎を合併している方もみられます。
日本では花粉症を引き起こす花粉の種類として、実に50種類もの花粉が報告されています。特に患者が多いのはスギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサ属(キク科)などの花粉による花粉症です。
以下では花粉症の原因となる主な花粉の飛散時期とピーク時期についてお伝えします。
1月から徐々に飛散し、5月まで続くとされています。主な地域では2月中旬~4月前半の間にピークを迎えます。ただし、北海道ではスギ花粉の飛散が少なく沖縄にはスギが生息しないため、これらの地域ではスギ花粉症の患者はあまり見られません。
1月中旬から飛散し、長い地域では6月中旬まで続きます。3月中旬~4月にかけてピークを迎えます。
ほぼ一年中飛散しているとされています。特にピークとなるのは5月~6月中旬です。
7月中旬~12月まで飛散し、8月下旬~9月にピークを迎えるといわれています。関東地方での飛散が多く、そのほかの地域では少ない傾向にあります。
花粉症は原因となる花粉の飛散時期を知り、飛散が始まる少し前から対策を行うことで症状を和らげることが期待できます。以下では、具体的な対策についてお伝えします。
花粉症は耳鼻咽喉科を受診することで治療できます。耳鼻咽喉科では原因となる花粉の種類や患者の症状などに応じて治療方法を検討します。花粉の飛散時期より前に治療を始めることで鼻粘膜の炎症が進行していないうちに治療できるため、症状がひどくならずに済みます。
薬物療法では症状を和らげる効果のある治療薬が処方されます。ただし、スギ花粉症の場合にはスギ花粉症を根本的に治療できる“アレルゲン免疫療法”が行われることもあります。アレルゲン免疫療法とはアレルギーの原因となる物質を少量投与することによって、体に起こるアレルギー反応を緩和する治療です。スギ花粉の場合、舌下免疫療法といって舌の下に薬剤を置く治療方法が広く行われています。症状を和らげる薬は花粉が飛散する少し前から飛散している時期まで一定期間服用しますが、舌下免疫療法の場合は数年にわたって毎日服用が必要です。また2019年より、重症のスギ花粉症の治療薬として抗体治療薬“オマリズマブ”が保険適用となりました。オマリズマブはもともと気管支炎や慢性蕁麻疹の治療に使用されてきた薬でスギ花粉症の患者が服用することによってアレルギーの原因となるヒスタミンという物質の放出を抑え、症状を和らげることができます。自身が”オマリズマブ”の適応になるかについては、かかりつけ医に相談してみましょう。
また、症状がひどい場合には状況に応じて鼻の通りをよくするための手術療法が提案されることもあります。
花粉症の症状を和らげるためにはなるべく花粉を体内に入れないよう工夫し、正常な免疫機能を保つことが大切です。
花粉は目や鼻、口などから体内に入ってくるため外出時はマスクを着用するほか、帰宅後はうがいを行うなどして喉に付着した花粉を洗い落としましょう。また、花粉を屋内に持ち込まないよう、花粉飛散時は花粉が付着しにくい衣服(表面が毛羽立っていない素材のもの)を着用するとよいでしょう。帰宅後の洗顔も顔についた花粉を洗い落とせるため効果的です。
正常な免疫機能は健康的な生活によって保たれます。花粉症の症状が現れる時期は、特に意識をして質のよい睡眠やバランスのよい食生活などを心がけましょう。なお、喫煙は鼻の粘膜にダメージを与えるため花粉症を悪化させる可能性があるので注意しましょう。
地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター 耳鼻咽喉科 主任部長
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