院長インタビュー

地域医療に力を注ぐ千葉脳神経外科病院——地域連携を実現しながら脳卒中の治療に尽力

地域医療に力を注ぐ千葉脳神経外科病院——地域連携を実現しながら脳卒中の治療に尽力
湧井 健治 先生

社会医療法人社団健脳会 千葉脳神経外科病院 理事長 院長

湧井 健治 先生

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地域に根ざした病院として、開院以来、着実な実績を積み上げてきた社会医療法人社団健脳会 千葉脳神経外科病院(以下、千葉脳神経外科病院)。脳を専門とした同院は、これまで培ってきた知識・経験・研究を基に、地域に密着した急性期医療に取り組んでいます。また、脳ドックにも力を入れており、同院の脳ドックを受診された患者さんは3万人を超えるそうです。

今回は、理事長兼院長である湧井(わくい) 健治(けんじ)先生に千葉脳神経外科病院の特徴や取り組みについてお話を伺いました。

千葉脳神経外科病院は、1986年、先代の水上(みずかみ) 公宏(まさひろ)先生が、千葉県稲毛区に開院した病院です。私は、1990年から、信州大学医学部脳神経外科より応援として派遣され、月に1回、当院に勤務していました。そのようなご縁もあり、2000年には院長に就任いたしました。脳を専門とする病院として、脳ドック脳卒中の治療などに尽力しながら少しずつ診療の幅を広げ、現在に至っています。

千葉脳神経外科病院 外観
千葉脳神経外科病院 外観

当院は、脳卒中をはじめ、脳腫瘍、頭部外傷など、さまざまな脳の障害に対して外科的手術をはじめとした治療から早期リハビリテーションに従事しています。当院の救急外来は時間外の受診に対応しています。緊急入院や緊急手術の必要性を診断し、“入院を必要とする重症患者さん”“緊急性の高い救急患者さん”を最優先に診ることができる体制を築いています。

千葉脳神経外科病院 外観
千葉脳神経外科病院 外観

脳は私たちの生活活動をつかさどる重要な臓器のひとつです。脳の活動に必要な酸素や栄養は、脳を走る血管から供給されています。脳の血管が詰まったり、破れて出血したりすることで引き起こされる病気が、日本の三大成人病のひとつといわれる脳卒中です。当院では、脳卒中(脳出血くも膜下出血脳梗塞)の治療に力を注いでいます。急性期の脳卒中専門病室であるSCU(脳卒中ケアユニット)が中心となり、脳梗塞に対する血栓溶解療法(tPA静脈内投与)などを迅速に行うことができる体制を築いているのです。

脳卒中では、損傷を受けた脳の部位に応じて、頭痛・手足の麻痺・しびれ・呂律が回らない・言葉が出づらいなどの症状が現れます。救命とともに機能障害の改善に努めるためには、いかに早く適切な治療をすることができるかが、何よりも重要です。当院では、MRI・CT・頚部超音波検査などの機器を駆使して、病態に応じた、迅速で適切な治療に努めています。

当院は、千葉県共用脳卒中地域医療連携パス(CAMP-S)の協議会参加施設のひとつでもあります。地域の医療機関と協力しながら、脳卒中の患者さんをスムーズに受け入れ治療を行うことができるよう地域連携も推進しています。

手術室
手術室

当院は、さまざまな医療機器を駆使しながら、脳を専門とする病院だからこそ可能な医療を実践しています。これまでの経験や研究活動を患者さんに還元するよう努めています。

また、セカンドオピニオン外来も設けています。患者さんがよりよい治療方針を選択できるようにするために、患者さんの主治医から提供していただいた画像データなどの情報をもとに日本脳神経外科学会認定の脳神経外科専門医がアドバイスを行っています。相談時間は原則として30分以内です。セカンドオピニオン外来は自由診療となり、一律10,000円(税別)の費用がかかります。なお、セカンドオピニオン外来では検査や治療は行いませんので、相談後に検査や治療をご希望の場合には一般外来を受診してください。

頭痛、めまい、手足のしびれ、呂律が回らない、物が二重に見える、歩きにくいなどの症状が現れたときには脳の病気の可能性があるため、病院への受診をおすすめします。これらの症状は、さまざまな原因がありますが、症状がなくても40歳以上の方は、一度、脳ドックを受診し、脳の健康状態を把握していただきたいと思います。

当院の脳ドックは、日本脳ドック学会の認定施設のひとつです。現在まで、のべ3万6,000人以上の方に受診していただいています(2019年4月時点)。脳ドックでは、MRI・MRAなどによる画像診断を中心に、脳卒中のリスクや小さな病巣がないかを調べていきます。その後、日本脳神経外科学会認定の脳神経外科専門医が結果を説明しつつ、健康相談にも応じます。

脳ドックは自由診療となり、しっかり検査Aコース*は70,000円(税別)、しっかり検査Aコースをご家族2人で受診された場合(ペア受診)は120,000円(税別)、お手軽検査Bコース**は50,000円(税別)の費用がかかります。なお、MRI検査を受けていただく際には、音や狭い空間などによって気分が悪くなる可能性があります。気分が悪くなった場合には、無理せずにお知らせいただきたいと思います。

心臓ペースメーカーを身につけている、体内に金属が埋め込まれている(インプラントなど)、入れ墨をされている、妊娠中あるいは妊娠の可能性がある場合には、MRI検査を受診いただくことができない場合があります。これらに該当する場合にはご予約の際にご相談ください。

*しっかり検査Aコース:検査項目が頭部MRI、頭部MRA、頸部MRA、頸動脈エコー、TCD、心電図、血液検査、尿検査のコース

**お手軽検査Bコース:検査項目が頭部MRI、頭部MRA、頸部MRA、TCD、頸動脈エコーのコース

当院では、医療連携課を立ち上げて、地域のかかりつけ医や他病院への逆紹介を積極的に行っています。病院の垣根を超えて、地元の患者さんを第一に、他医療機関とも情報交換をしながら常に連携する体制を築いているのです。地域の先生方には“顔が見える病院”と徐々に認知していただき、現在ではスムーズに連携できる体制が築かれていると思っています。

患者さんへの良質な医療提供を目指し、地域医療に貢献していくための窓口として医療相談室を設けています。相談室では入院・外来を問わず、医療相談員(医療ソーシャルワーカー)が患者さんやご家族の問題や悩みに寄り添い、解決できるようサポートしています。病気や療養に関するご相談のみならず、経済的な問題や退院に関するお悩みなど、さまざまなご相談に対応できる体制を築いています。ご自身やご家族の病気で不安があるときには、医療相談室までご相談いただきたいと思います。

ロビー
ロビー

当院は、地域の皆さんと良好な関係を築いていると自負しています。たとえば、地域の皆さんが当院の敷地内の植物の手入れをしてくださることがあります。また、災害時の炊き出し訓練を共に行い、万が一の際には助け合うことができる体制を築いています。

このように日頃から交流を図るとともに、定期的な公開講座の開催など、地域の皆さんへの啓蒙活動にも力を入れています。

院内の様子
院内の様子

当院は、何よりも地域医療が重要であると考えています。また、当院を中心に地域内で医療が完結できるように、周りの医療機関との協力や連携を行っています。

“患者さんが命を託せる病院”という基本理念の下、当院のスタッフは、一人ひとりの患者さんを大切にし、診察や治療に臨んでおります。これからも医療提供に限らない地域への貢献を常に考えながら、地域の皆さんとお互いに支え合い活動していきます。

当院では、積極的に主治医になった医師に外科手術を任せています。さらに、手術の指導やカンファンレンスの実施など、育成できる体制を築いています。これから専門医を目指す若手の脳神経外科医の皆さんにも、我々の知識と技術を積極的に伝授しますので、ぜひ当院で研鑽を積んでほしいと思います。

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    湧井 健治 先生

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