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虫歯が原因で頭痛を感じることがある?~虫歯が広がり歯に痛みがある場合に頭痛を感じることも~

虫歯が原因で頭痛を感じることがある?~虫歯が広がり歯に痛みがある場合に頭痛を感じることも~
横瀬 敏志 先生

明海大学 歯学部 保存治療学分野 教授

横瀬 敏志 先生

目次
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虫歯とは歯の表面が酸で溶かされてしまう病気で、進行すると歯に激しい痛みを生じるようになります。また、歯や顔の周りには神経が複雑に張り巡らされているため、虫歯の痛みが広がって歯だけではなく、頭痛を引き起こすこともあります。しかし、歯に関する痛みのメカニズムは非常に複雑であり、虫歯以外にも思わぬ原因で頭痛が生じていることも少なくありません。

そこで本記事では、虫歯と頭痛の関係や、虫歯によって引き起こされる頭痛のメカニズム、虫歯以外に考えられる頭痛の原因について詳しく解説します。

歯の痛みと頭痛には深い関係があり、虫歯の状態によっては虫歯が原因で頭痛を感じることがあります。

これは、歯の痛みを伝える三叉神経(さんさしんけい)と呼ばれる神経が顔全体やこめかみ付近まで張り巡らされているためです。神経に関連がある部位同士は“関連痛”と呼ばれる症状を引き起こすことがあり、ある部分で生じた痛みが別の部分で感じられることもあるといわれています。たとえば、上の奥歯に虫歯によって強い痛みが起きると、同じ側の側頭部に痛みを感じることがあります。

しかし、このような特徴から歯や歯の周りで生じた痛みの原因を正しく理解することは、必ずしも簡単ではありません。虫歯の痛みに伴って頭痛が現れたと思っていても、まったく別の原因が隠れていることもあります。

虫歯が広がり歯に痛みを生じている場合、頭痛を感じることがあります。

虫歯による歯の痛みの程度は、虫歯の進行度合いによって異なります。初めは温かいものや冷たいものを口にしたときの刺激で痛みを感じます。このような痛みは一時的なもので刺激を取り除くことで改善するでしょう。

一方、虫歯が進行して歯髄(歯の神経)にまで達すると、歯に激しい痛みが持続する歯髄炎と呼ばれる症状が現れます。この歯髄炎が酷くなる場合、特に不可逆性歯髄炎では虫歯が原因となって頭痛が合わられる場合が多いといわれています。

虫歯のような歯の痛みがあり、さらに頭痛の症状がある場合、虫歯以外で疑われる原因には以下のものがあります。

虫歯そのものの痛みではないものの、虫歯から引き起こされる病気によって頭痛を感じることがあります。

歯性上顎洞炎

鼻の周りの上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる空間に膿がたまる病気です。上顎の歯と上顎洞は非常に近い位置にあり、特に上の奥歯の虫歯が原因で上顎洞に感染を起こすことがしばしばあります。このような歯性上顎洞炎では奥歯の痛みとともに頭痛、顔の痛み、鼻の詰まったような症状が現れることがあります。

顎関節症

あごの周りの筋肉や関節などに異常をきたし、あごが痛んだり、口が動かしにくくなったりする病気です。あごの痛みのほかにも頭痛、歯痛などを引き起こすことがあります。虫歯があると物が上手くかめなかったり、虫歯と反対のあごでかむ癖がついてしまい、顎関節症を引き起こしやすくなったりするといわれています。

虫歯ではないにもかかわらず、虫歯のような歯の痛みと頭痛が見られることがあります。

歯周病

歯茎の炎症や歯槽骨(歯を支える骨)の溶解を主な症状とする病気です。歯茎の炎症による痛みを生じることもあり、それに関連した頭痛が見られることがあります。歯周病があるからといって必ずしも虫歯であるとは限りませんが、近い位置で痛みが現れるため歯周病の痛みを虫歯と勘違いしてしまうこともあります。

非歯原性歯痛を引き起こす病気

歯に原因がないにもかかわらず歯の痛みが現れる症状を“非歯原性歯痛”と呼びます。

このような痛みを引き起こす原因にはさまざまなものがあり、歯痛と頭痛を同時に引き起こすものとしては群発頭痛片頭痛(へんずつう)脳梗塞(のうこうそく)三叉神経痛、舌咽神経痛上顎洞炎などがあります。

非歯原性歯痛では本人は虫歯の痛みだと思っていても実際にX線検査などで精査してみると歯に異常は認められません。

虫歯に伴った頭痛や、虫歯が疑われる歯の痛みや頭痛といった症状がある場合は、なるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。持続的な痛みがなく、あるタイミングで痛みが現れる場合も同様です。その際はどのようなきっかけで痛みが現れるのか、どの程度の痛みがどれくらいの時間持続するのかなど医師に説明できるようにしておきましょう。

歯の異常は見た目だけでは分からないことも少なくありません。そのため、歯科医院では、問診の内容を元にX線検査などの検査を行い、詳しい状態を調べます。

歯や頭痛の痛みが強いが、すぐに歯科医院を受診できないときは、市販の鎮痛薬を飲むことで症状を和らげられることがあります。歯痛に効果がある薬としては、ロキソプロフェンナトリウム、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどがあります。

ただし、人によっては注意が必要な薬もあるため、市販薬を使用する際は必ず販売店の薬剤師に相談するようにしましょう。

歯の痛みと頭痛がある場合、実際に虫歯があるかどうかは検査をしてみないと分からず、まったく別の原因であることも少なくありません。時には、重大な病気が隠れていることもあるため、症状があるときには自己判断せずに、歯科医院を受診するようにしましょう。

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  • 明海大学 歯学部 保存治療学分野 教授

    横瀬 敏志 先生

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