うぃりあむずしょうこうぐん

ウィリアムズ症候群

目次

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概要

ウイリアムズ症候群とは、常染色体の中の7番染色体長腕の微小欠失部分を原因とする隣接遺伝子症候群です。臨床的には、特異顔貌、心奇形、成長障害、精神遅滞、新生児高カルシウム血症などを特徴とします。ウイリアムズ症候群は、1万〜2万人に1人という割合でみられる病気です。また、日本においては難病指定を受けています。

原因

ウイリアムズ症候群は、染色体の異常を原因として発症する病気です。ヒトの身体の中には常染色体と呼ばれる染色体が、1〜22番までの番号を割り振られて存在しています。ウイリアムズ症候群は、この常染色体の中でも第7番染色体の異常を原因として発症する病気です。

染色体上には特定の遺伝子が存在しています。ウイリアムズ症候群で見つかる7番染色体長腕の微小欠失部分には、約20個の遺伝子情報が含まれており、このために隣接遺伝子症候群と呼ばれます。たとえば、ウイリアムズ症候群では心血管系の異常が特徴的ですが、これはELN遺伝子の異常に関連して発症する症状だと考えられています。

このように、ウイリアムズ症候群は染色体の異常を原因としますが、家族内に同じ病気の方がいない場合でも、突然変異的に発症することがあります。

また、ウイリアムズ症候群の方がお子さんをもうけた場合、同じように病気を発症する確率は50%といわれています。

症状

主に、大動脈弁上狭窄(だいどうみゃくべんじょうきょうさく)、高カルシウム血症、発達の遅れ、視空間認知障害などの病気や症状が現れます。

大動脈弁上狭窄は、生後早い段階で心雑音として指摘されることがありますが、狭窄の程度は年齢と共に強くなることがあり、生死を規定する因子になりえます。また、新生児期に高カルシウム血症による痙攣(けいれん)がみられることもあります。

ウイリアムズ症候群では、運動面や発語などの遅れをみることもあり、このことをきっかけに病気の診断に至るケースもあります。また、立体的なものの把握が苦手な傾向にあり、人や自転車とぶつかりやすいなどの症状につながることもあります。

そのほかにも、妖精様顔貌と呼ばれる特徴的な顔貌(がんぼう)を呈することもあります。性格的には社交的なことが多く、音楽好きな側面もあります。

また、泌尿器疾患(石灰化腎、尿路結石、低形成腎、膀胱憩室、膀胱尿管逆流)、消化器疾患(肥満、便秘、憩室症、胆石など)などを合併することもあります。

検査・診断

ウイリアムズ症候群は、染色体に生じる異常が原因で発症します。そのため、染色体の異常を確認するために、FISH法やマイクロアレイ染色体検査と呼ばれる方法で検査がおこなわれます。

そのほかにも、心臓や電解質異常、消化器疾患など、各種臓器に対して適宜検査が検討されます。これらの検査により、合併症の程度を評価していきます。

治療

ウイリアムズ症候群に対しての、根治的な治療方法は現在のところ存在していません(2018年12月時点)。

個々の合併症は異なるため、療育を中心に、抱えている合併症ごとの対症療法が治療の中心となります。性格面の傾向も人によってさまざまであるため、個々の特性にあわせて対応方法を決定することが重要です。

ウイリアムズ症候群は、全身各所に合併症を生じる可能性があり、さらに空間認知能に問題を生じることもあります。また、一生涯に渡ってのサポートが必要になる面もあります。

そのため、診療科の垣根を越えた総合的・包括的な治療を受けることが重要となります。