インタビュー

クラミジアに男性が感染したケース

クラミジアに男性が感染したケース
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

この記事の最終更新は2015年10月17日です。

クラミジア・トラコマティスという細菌によっておきる性感染症、クラミジアは現在最もよく流行している性感染症のひとつです。このクラミジアは、性活動が盛んな10~20代の若者に多く発症し、特に男性の場合オーラルセックスが最大の感染源とも言われています。 しかしクラミジアは感染後の症状が乏しく、男性の約50%は無症状であるとも言われています。そのためもし仮に感染したとしてもまったく気づかず、早期の発見がしにくい感染症でもあります。 今回はクラミジアの男性患者について、実際の症例を紹介していきたいと思います。

年齢:30代前半

性別:男性

主訴:尿道がかゆい

パートナーと2週間前にオーラルセックスをして、1週間ほどしてから尿道口から水溶性の白濁した分泌物が出るようになったとのことでした。 性器の診察をしたところ、確かに外尿道口から水溶性の白濁した分泌物を確認することができました。そこでこの分泌物を採取して塗抹標本を作成し顕微鏡で確認したところ、淋菌を確認することはできなかったため、淋病の可能性は否定することができました。 また、顕微鏡による目視で炎症所見をあらわす白血球が多数認められました。これは尿道炎を引き起こしているといえるでしょう。 確定診断するために採尿検査を行いましたが、尿検査の成績は1週間後に出るので、それまではとりあえず非淋菌性尿道炎に効果のある抗生物質の1つであるクラリスロマイシンを7日間投与しました。 1週間後に検査研究所から尿の検査成績が届き、クラミジア・トラコマティスが陽性でしたので、臨床診断はクラミジア性尿道炎となりました。

1週間後に本人が再度受診した際には、尿道症状は改善しているのを確認できましたが、念のためクラリスロマイシンを7日間追加投与しました。 3週間後に来院していただきクラミジアの治癒判定検査を行った結果、陰性だと判定できましたので、この時点でクラミジアは完治したといえました。

この方のパートナーの女性は、他の婦人科でクラミジア性子宮頸管炎の診断を受け治療をしたとのことであり、彼女からの再感染はなさそうです。

年齢:31歳

性別:男性

症状:何の症状もみられない

この男性には2週間前に男の子が生まれたため、これから妻に何か病気が移ると困るので受診、検査を希望されていました。 問診によると、4週間前に性風俗店に行ったとのことでした。実際に診察に入り、視診では外性器、肛門、口腔には異常を認めませんでした。しかし尿検査、咽頭検査を行ったところ、5日後に尿の遺伝子検査においてクラミジアに陽性反応があり、クラミジア感染症が見つかりました。

この男性は感染の診断後に投薬による治療を開始しました。そして2週間後に行った治癒判定検査をクリアし、クラミジアの治癒を確認することができました。

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