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病院で治療したほうがよい口内炎の特徴とは?~間違えやすい病気や治療法を解説~

病院で治療したほうがよい口内炎の特徴とは?~間違えやすい病気や治療法を解説~
戸原 玄 先生

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーショ...

戸原 玄 先生

山口 浩平 先生

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーショ...

山口 浩平 先生

目次
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口内炎は通常、1〜2週間程度で自然に治るとされています。しかし、症状が悪化してなかなか治らないときは、ほかの病気である可能性があります。

2週間以上経っても治らない、痛みがひどい、逆に痛みがまったくない、熱があるなどの症状がある場合は、専門医の受診を検討するとよいでしょう。

ここでは、病院に行ったほうがよい口内炎の症状、適切な診療科などについて詳しく紹介します。

通常の口内炎アフタ性口内炎)の多くは、1〜2週間ほどで治るとされています。しかし、2週間以上経っても治らないときは、ほかの病気が隠れているかもしれません。以下の症状がある場合は、病院の受診を検討するとよいでしょう。

口内炎が長引く場合は、思わぬ病気が原因の可能性があります。たとえば、口腔がんの初期症状は口内炎とよく似ていて、見過ごされることが多いです。放っておくと、治療が遅れてしまう可能性があります。

口内炎の痛みが強いときは、食事がしづらくなるなど生活に支障が出る場合があります。ほかの病気の可能性があることから、病院の受診を検討するとよいでしょう。

また、通常の場合、口内炎は痛いですが、なかには痛みを感じない場合もあります。しかし“痛くない=安心”ではありません。口腔がんの場合、口内炎に似た病変の多くは痛みを伴わないとされているので、痛みのない口内炎にも注意が必要です。

手足口病ヘルパンギーナなどのウイルス性口内炎は、発熱を伴うことがあります。特に、子どもが感染しやすい手足口病やヘルパンギーナは、急に38度以上の高熱が出ることも少なくありません。

口内炎と間違えやすい病気には、次のものがあります。

口腔がんとは、口内の粘膜にできる悪性腫瘍のことです。舌、口腔底(下あごの歯茎と舌の間)、歯肉、硬口蓋(上あご)、頬粘膜など、歯以外のあらゆる部分に発生する可能性があります。そのなかでも、口腔がん全体の50〜60%を占めるものが舌がんです。

口腔がんの初期段階ではなかなか治らない潰瘍(かいよう)(粘膜のえぐれ)、腫れ、しこり、出血などの症状がみられます。初期段階では痛みが少なく、痛みが出てきたときには進行しているケースもあることが特徴です。

手足口病ヘルパンギーナは、乳幼児が毎年6月から8月にかけてかかりやすいウイルス性の感染症です。手足口病は、口の中だけでなく手や足など全身に水疱(すいほう)(水ぶくれ)性の発疹が現れ、発熱や喉の痛みを伴うことがあります。

一方、ヘルパンギーナは、手足口病のような全身の発疹はみられませんが、喉の奥に水疱や潰瘍ができて、高熱が1〜3日続くことがあります。

性交渉によって梅毒淋病、クラミジアなどの原因となる病原体が口の中に感染すると、口内炎ができたり、口腔内にしこりが現れたりすることがあります。

口腔粘膜にできる円形で白い膜に覆われた潰瘍をアフタといいます。アフタはその周囲が赤くなり、痛みを伴います。このアフタが数日から数か月の間隔で再発を繰り返す病気を、慢性再発性アフタといいます。

はっきりした原因は分かっていませんが、遺伝やストレス、食生活の乱れなどの生活習慣が原因のひとつと考えられています。

ベーチェット病は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼のぶどう膜炎、外陰部潰瘍など、全身にさまざまな症状が現れる原因不明の自己免疫疾患です。

ベーチェット病にかかると、高い確率で痛みを伴うアフタ性潰瘍ができます。口内炎が消失しても、再発を繰り返すのが特徴です。

口内炎は以下の診療科で診察を行っています。

口内炎をはじめとする口内のトラブルに対応しています。一般歯科医院や口腔外科では、口内炎の痛みを短期間で軽減できるレーザー治療を取り入れているところもあります。

口内炎は耳鼻咽喉科で診てもらうことも可能です。子どもの口内炎は、病院によっては小児科で診察が可能なこともあります。

口内炎は、さまざまな診療科で診察してもらうことが可能です。しかし、全ての病院で対応できるとは限りません。いずれの場合も、電話などであらかじめ口内炎を診てもらえるか確認しておくことをおすすめします。

あるいは、かかりつけの歯科医院を受診し、必要があればほかの診療科を紹介してもらうのもひとつの方法です。

病院での治療方法には、主に、外用薬(塗り薬など)や内服薬(飲み薬)による治療、レーザー治療があります。

抗炎症作用のあるトラネキサム酸やステロイド軟膏、殺菌消毒成分であるアクリノール、うがい薬、貼り薬などが処方されます。

ステロイド:炎症を抑えたり、免疫のはたらきを弱めたりする薬

口内炎の原因のひとつに、ビタミン不足が考えられます。そのため、ビタミン剤が配合された内服薬が処方されることがあります。ビタミンB2やB6、Cには、皮膚や粘膜を保護して、口内炎の炎症を緩和する効果が期待できます。

医療用の低出力レーザーを患部に照射することによって、殺菌すると同時に痛みを緩和します。1回の治療は数分で終わり、治りも早いことから、治療期間も短く済むことが大半です。

通常の口内炎は1〜2週間で治ることがほとんどです。なかなか治らない場合や痛みがひどい場合、見た目のわりに痛みがない場合などは、ほかの病気である可能性があるため、病院の受診を検討しましょう。

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  • 東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授、東京科学大学病院 摂食嚥下リハビリテーション科 科長

    戸原 玄 先生

  • 東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーション学分野 講師

    山口 浩平 先生

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