子宮体がんは手術で切除した子宮やその周辺の状態からステージを判断するため、ステージ診断においても手術が非常に重要です。手術後の病理組織診によって浸潤・転移などがみられた場合には、併せて抗がん剤治療やホルモン療法を用いることもあります。
本記事では子宮体がんの手術について解説します。
記事2『子宮体がんとは?原因・症状・治療――再発リスクはあるのか?』でも解説したように、子宮体がんの場合、手術治療はがんを取りきるためだけでなく、病気の状態を把握しステージを定めるためにも行われます。そのため遠隔転移が多く手術を行えない患者さんを除いて、ほとんどの場合、手術治療が適応となります。
がんの手術治療の基本は「がんをすべて取りきること」です。そのため子宮がんの手術の場合にも、がんの広がりに応じて余白をつけて切除することが大切です。子宮全摘の手術方法は子宮頸がん、子宮体がんともに同じで、子宮の摘出方法によって大きく3つに区分されます。
<子宮がん手術方法>
がんの広がりが子宮だけにとどまっている場合には“単純子宮全摘出術”が行われます。その一方、骨盤内などに幅広く浸潤している場合には“広汎子宮全摘出術”が用いられ、子宮のほかに腟を3cm程切除し、子宮周辺の卵巣・卵管も広く切除します。“準広汎子宮全摘出術”はちょうど単純子宮全摘出術と広汎子宮全摘出術の中間的な存在で、子宮と浸潤している部分を切除します。
子宮を全摘してしまうと、もちろん妊娠・月経などの機能はなくなってしまいます。基本的には子宮体がんの手術では卵巣も摘出します。
子宮体がんは子宮内膜に生じるがんであるため、頸部への浸潤が強くない限り、ほとんどの場合、単純子宮全摘出術など比較的切除範囲の狭い手術で治療できます。しかしその一方で子宮内膜からリンパ節にがん細胞が流れてしまうことが多いため、リンパ節の郭清範囲がやや広くなります。
リンパ節郭清とは、手術時に病巣周辺のリンパ節を切除することです。子宮体がんの場合は子宮の上部からも下部からもリンパ節転移の恐れがあるため、浸潤が進んでいると判断された場合にはより広範囲にリンパ節郭清が必要になることもあります。
子宮体がんの場合には、手術後の病理組織診の結果を踏まえ、追加治療として抗がん剤治療・放射線治療などが行われることがあります。
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子宮体がん